海外ドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー魔女団 E2 / 新たな世界」
前回は紹介的な一話だったけど、今回は早速アメリカン・ホラー・ストーリーらしい展開だった。
まあ~、ほぼ全編、アメリカン・ホラー・ストーリーらしかった。
まずレイク・プラシッドみたいなワニのシーンで始まった今回。
ワニの密猟をする2人の漁師?の前にいきなり現れたのは、リリー・レーブ演じる「ミスティー・デイ」。
間違いなく漁師はワニに喰われるだろうと期待してみていると、案の定1人は足から喰われて沼に
引きずり込まれ、もう一人は頭からガブリ(笑)。
そして何よりもアメリカン・ホラー・ストーリーらしかったのは、エマ・ロバーツ演じる
女優でビッチの「マディソン」が、前回の件のお礼をしたいと、タイッサ・ファーミガ演じる
「ゾーイ」を死体安置所に誘ったシーン。
マディソンは前回助けられたお礼に、ゾーイが仲良くなっていたカイル(エヴァン・ピーターズ)を
魔法で生き返らせると言い出した。
*カイルは前回バスの事故(実際はマディソンの魔法)で死亡。
ここで面白かったのは、マディソンは完全にイカれているんだけど、ゾーイはまともという設定、
認識があったはずなのに、ゾーイもまともに見えるだけで、実は十分にイカれていたところ。
まずバラバラ死体になっていたカイルを、他の死体のパーツと合わせて組み立てる。
心優しいゾーイだけど、どう考えても普通じゃない。
ホラーといえば美形がつきものだけど、この2人にこれだけバカバカしいことを
真剣にやらせる演出センスは大したものだ。
アサイラムのザッカリー・クイントやディラン・マクダーモットも普通じゃなかったけど、
今回のイカれ大賞は、たぶんこの2人だろうね。
それにしてもエヴァン・ピーターズ、前回はナチに拷問され人体実験をされた上に、
変態精神化医師にボコボコにされ、殺されかけ、宇宙人に誘拐されるという、
大変な役だっけど、今回はいきなり殺された上に全身バラバラ。
さらにフランケン状態で生き返らせられる(笑)。
この一歩間違えばアホ丸出しの役を、完璧にこなすんだもんなぁ。
彼は凄いと思うよ。
それから、そのフランケン・カイルを車に乗せて移動するゾーイの後部座席に
いきなり現れたミスティー・デイ。この人は瞬間移動と再生の能力を持つそうだ。
それにしてもゾーイはフランケン状態で錯乱状態のカイルを、このミスティー・デイに
預けちゃうんだもんなぁ。
ここはゾーイもマトモじゃないんだよ~という演出なんだろうけど、
この一連の流れは本当に面白かった。 ただ笑えるだけじゃなく、そこに謎のナゾが
あるから、「え~、コレどうなるの?」という、すごい好奇心が芽生える。
今のところ、全てがナゾ過ぎて訳がわからないけど、このスタートがアメリカン・
ホラー・ストーリーの特徴だからね。
あとは最強の魔女・フィオナ(ジェシカ・ラング)と、そのフィオナに手下にされている
マダム・ラローリー(キャシー・ベイツ)。
この2人がまた抜群にいい味を出してるけど、この2人+ブードゥー教のマリー・ラヴォーが、
戦いを繰り広げるんだろうね。
一応今回のアメリカン・ホラー・ストーリーには、「不老不死」というテーマがあるんだけど、
マダムとブードゥーはそれが狙いじゃないんだよね。
この2人は、もう不老不死だから。
何か別の狙いがあるんだろうけど、それも謎だよな。
そういえば細かい設定でも、白人の魔女は金持ちになれて(スプリームだけかな?)、
ブードゥーは小さな美容室。
マダムは奴隷を拷問し食べるという、とんでもない変質者。
そのマダムは復活した現代でも差別主義者(当たり前だけど)。
こういう差別の話が今回もストーリーの中心にある。
まあ魔女裁判というのも、一種の差別か。
ある意味、民族差別的な面があるよね。
アメリカン・ホラー・ストーリーは、こういう問題を暗くなりすぎず、
エンターテイメントとして見せられる、本当にすごい海外ドラマ。
しかも笑いが止まらないようなシーンもたくさんある。
前にも書いたけど、ホラーだからなんていう理由で見ない人は、
人生の楽しみを一つ失うことになるよ。
(写真 FX)
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