海外ドラマ「アメリカン・ホラー・ストーリー 怪奇劇場 E5 / 甘い罠」
今回のアメリカン・ホラー・ストーリーは、深かったなぁ~
アメリカン・ホラー・ストーリー怪奇劇場は、一見グロかったり悪趣味だったりするんだけど、実はストーリーで魅せる本格的なドラマでもある。
なんとなくシーズン1に似た作りになっている今シーズン。
ここまでは脚本どうこうというより、主な題材と、ソレに隠された真の題材が凄くイイね。
そして今まではわかりにくい面が多々あったアメリカン・ホラー・ストーリーだけど、今シーズンはかなり明解になっている。
例えば、この怪奇劇場。
まあ、「フリーク」の話なんだけど、このフリークというのが実はいろんな意味を持っている。
これ実際は言葉の意味そのものでもある。
なのでいわゆる奇形タイプだけでなく、あらゆるフリークについて語っている。
よく言われる「マイノリティー」とか、そのへんも含めて、なぜ普通(一般庶民)でない人間がイカれてしまうのか?みたいなことを、どストレートに見せている。
フリークス、ピエロ、リッチな親子、強欲な美女、良識ある医師、みんなこういったマイノリティーには厳しい現実が突き刺さってくる。
今回はそれにゲイも加わった。
まあここは、アメリカン・ホラー・ストーリーの不変のテーマでもあるんだけど、このフリークスの気持が分かる、代弁する、それだけじゃないんだよなぁ。
今回はフリークの悩みと同時に、フリークを蔑む、利用する者達の悩みまで代弁した。
そしてこのエピソードの主題は「嫉妬」かな?
この嫉妬が新たなフリークを生む。
同じ仲間であるはずの、同じように差別を受けたものが、仲間に対し一般の人間以上に残酷な仕打ちをする・・・
これはさぁ、現実でも常にある場面だよね。
もちろん現実はアメリカン・ホラー・ストーリーほど残虐ではないけど、残酷なことは確か。
アメリカ人がよく言う、「短い人生なんだから、最高を目指す、最高を選択する」というのを実践すると、こういうことも起きてしまうんだよね。
普通は、そんな事起きねーよ、となるんだけど、そうばかりはいかないから社会は犯罪が無くならない。
そして、「自分の人生は本来こうではなかった」と思う人間。
いろんな要素があるとは思うけど、自分の理想とする人生を歩めなかった者の嫉妬のストーリーは誰にでも共感できる題材だ。
そして誰もが孤独になりたくない!みたいな、いかにも尾崎豊が歌いそうな題材も今回は見せていたと思う。
マット・ボマー登場!
これは今回の目玉でもあった。
ウワサでは聞いていた、マット・ボマーのアメリカン・ホラー・ストーリー登場が今回のエピだった。
マット・ボマーの役は、ゲイバーっぽい店でホストみたいなことをやっている男。
ま、ここまでは予測できるけど、彼に熱を上げている男の役にデルをくっつけるとは・・・
この恐るべき設定・・・いや~すごい。
ヴィック・マッキーとニール・キャフリーがこの設定で登場かい(笑)。
恐るべきキャスティング、恐るべき脚本。
しかもゲスト登場のマット・ボマーを容赦なく殺しちゃった。
二代目殺人ピエロのダンディーが、マット・ボマー演じるアンディーを惨殺するんだけど、さすがにマット・ボマーだけあって扱いも別格。
ただ殺されるのではなく、長大ナイフでメッタ刺しされてもなかなか死なない。
最後はサイコ化したダンディーに、両脚と片手を切断された状態でもまだ生きていた。
これ、ホラーというより、ほぼコメディなんだけど、マット・ボマーには特別な役を与えたね(笑)。
そういえば、イケメン2人を意味もなく?しっかり裸にしていた(笑)。
何やってんだかなぁ~
ところでダンディーがなぜアンディーを惨殺したのか?
アンディーの死体(実は生きていたけど)を、まるでウォルター・ホワイト(ピンクマンだったかな?)ばりに溶かしていたダンディー。
ここまで用意周到な計画ということは、今までのように行き当たりばったりの殺人ではない。
殺人ピエロになったダンディーは、今や完全に秩序型のサイコキラーになっている。
そうすると殺人には目的があるはずだけど・・・
今のところ考えられるのは、デルを無実の罪で逮捕させることかな?
それでダンディーに何の利益があるか?だけど、用心棒格の怪力デルが邪魔ということは、まさかフリークショーの主役をまだ狙ってるのかな?
エルサやジミーといった邪魔者を殺して、自分の劇場で役者として成功を・・とか??
これ、やり方は別として、エルサの野望とそっくりだ。
そのエルサだけど、こっちも嫉妬と野心でとんでもない行動に出た。
この行動で、またしても地獄行きが決まったようなものなんだけど、この人こそまさにこんなはずじゃなかった的な人生だから。
こう思っている人間というのは、世界中にゴマンといるはずだけど、この番組はそういう人に今後なにを訴えるんだろう?
そしてあのスタンレーだけど、今回は妄想なのか現実なのかよくわからないシーンが多かった。
この男がエルサ以外の怪奇劇場員とどう関わっていくのかは注目だ。
今回はアザラシ男の妄想をし、水槽まで買ったとか言ってたけど、最終的にはなんでもイイとかなりそう。
もう誰が一番の悪魔なのか分からなくなってきた。
それにしてもエマ・ロバーツは、さらに美しさに磨きがかかっている。
この人にも注目だよなぁ。

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