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アメリカンホラーストーリー カルト E11 / 偉大な国へ

アメリカン・ホラー・ストーリー カルト アメリカンホラーストーリー

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今回はアメリカン・ホラー・ストーリー カルトの最終回。

チャールズ・マンソンの幻覚を見て、意味不明な殺しに走り出した「カイ」。

この展開はまるっきりカルト(というか組織)が崩壊する時のパターンなので、この最終回でカイのカルトが終わるのは既定路線だ。

問題は、カルトの終焉とホラー(超常現象的なもの)がどう関わってくるのか?

ここに注目だったのだけど・・・

 

これはアメリカン・「ホラー」・ストーリーじゃない、アメリカン・「カルト」・ストーリーだ

今までのアメリカン・ホラー・ストーリーシリーズの最終回では、かなり凄惨な大量殺人とか、悪魔や伝説の魔神の登場があった。

または主役級が地獄に落ちるとかのように、ホラーとしての「オチ」が確実にあったんだよね。

ところが今回のカルトはそれがない!

もちろんストーリーのオチはあったし、その流れはなかなか考えられていて面白かった。

でもホラーとしてのオチが無いのはダメだと思う。

ここ最近アメリカのドラマでは、アメリカン・ホラー・ストーリー以外でも、「アメリカン・OO・ストーリー」がいくつかあった。*または似たようなタイトル

そう、これじゃあ「ホラー」ストーリーにはならないよ。

結局、意味不明で終わった謎の殺人ピエロの存在を抜かせば、今回のアメリカン・ホラー・ストーリー カルトは、アメリカン・カルト・ストーリーだ。

 

トランプ当選はハリウッドに大きな影響を与えた

アメリカン・ホラー・ストーリーがホラーでなくなってしまった理由は、全てはトランプ大統領の誕生にあると思う。

今回のアメリカン・ホラー・ストーリー カルトでは、主なテーマは差別主義者の台頭だった。

特に前半は人種差別に、後半は男女差別にスポットが当たった。

まあ個人的には、このアメリカン・ホラー・ストーリー カルトは面白かったと感じている。

でも、こういう政治的背景を持ちながら、ホラーとしての面白さを追求してくれたらどんなに面白かっただろうか。

途中、その路線で行きそうだったので、とても期待していたんだけどなあ・・・

 

ただそれでも、最後のストリー展開はかなり楽しめた。

カルトの首謀者、カイ・アンダーソンは、トランプさんを極限まで右翼化し差別主義者にしたような男。

そのカイだが、実は精神的にイカれている上に、向精神薬の影響か?そのイカレ具合は最終回にかけて加速していった。

そしてその対抗馬(正義の立場)だったはずのアリーが、自分の妻への恨みと、息子と自分を守るという建前から、邪魔者を一人ずつ殺していき、最後には上院議員になっていく・

このアリーの設定は結構面白くて、思想的にはリベラルなはずなのに、保守派思想の候補に投票していたり、差別を嫌っていたはずなのに、いつの間にかカイに近いような思想に傾いていく。

これ、おそらく自分でも気付いていないという設定だと思うけど、最終的に2大政党に属さないが、どこか独裁的な危険さが漂う候補者(女)になっていた。

 

これはどういうメッセージだったのだろう?

カイが最後に撃ち殺されるのは、ある意味当然の流れだと思うけど、こういう差別主義的な思想の持ち主を一度でも許容してしまうと、その後に影響を及ぼすということか?

それとも、差別主義者に権力を与えてしまうと、それと戦ううちに人は別の差別的なもの等に流されてしまう・・とかなのか?

どちらにせよ、アリーは自分の利益のために複数の殺人を犯し、息子は潜在的な殺人願望がある、と前途多難。

この辺はアメリカン・ホラー・ストーリー的と言えなくはないが、このドラマを見ている人はホラーを期待しているからねえ。

それだけハリウッドがトランプ大統領誕生に混乱していたのだと思うけど、こんなところで混乱を見せなくてもいいと思うよ。

 

アメリカン・ホラー・ストーリーの今後だけど、これは何回か書いてきたと思うが、シーズン1、2の頃のような最高傑作を作って欲しいと思う。

アメリカン・ホラー・ストーリーを最近見じ始めた、とか、カルトから見始めたと言う人は、ぜひ1,2を見て欲しい。

これぞ海外ドラマ、これぞライアン・マーフィーという超傑作だから。

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