あのボッシュの続編(スピンオフ)として始まった「バラード 未解決事件捜査班」。ボッシュ・レガシーの最終回から約半年という早さで配信されたのには、さすがにビックリ。Amazonプライムビデオでの配信開始が2025年7月なので、感想を書くのがやや遅れたが、まずは簡単なあらすじからいってみよう!
バラード 未解決事件捜査班 S1の簡単なあらすじ
いきなりバラードの発砲シーンで始まるオープニングは、これは「ボッシュの続編だ!」というカマシか? ただし、似たようなオープニングだったボッシュの時は犯人を射殺、内部調査〜だったのに対し、バラードは威嚇のみ。まずは視聴者にボッシュとバラードのタイプの違いを明確にしたのか? とはいえ、上層部に嫌われているのは共通点。
そんなバラード刑事が担当するのはコールドケースということらしい。そしてもちろん場所はL・Aだ。
バラードが未解決事件捜査班に配属されたのは、実は左遷だった。殺人課でヘタを打ち、その左遷先が新設の未解決事件捜査班だと。*実際は同僚に売られた
そしてこの班で最初に担当するのは赤ん坊を連れた女性の失踪事件。
そして早くもこのドラマの最初のハイライトが訪れる。この事件の新たな捜査で上がったDNAが、過去の殺人事件でも検出されていたことがわかる。そしてその事件の担当者は「ハリー・ボッシュ」。さあ、ボッシュの登場か!?と思わせておいて、バラードはボッシュの協力を仰ぐことに消極的。まあ彼は非常にめんどくさい上に、前回(バラード刑事と共同捜査をしたボッシュ・レガシー最終シーズン)の暴れっぷりを考えれば、バラードがボッシュを避けるのも無理はない。
しかしバラードの捜査は行き詰まる。警部や議員など、多少の味方はいるが、基本署内では総スカン状態のバラード、自然と頼みの綱はボッシュしかいなくなる。
と、そんな時に、未解決捜査班にハリー・ボッシュが現れる。*ここはネタバレ無し
その後、この失踪事件が連続殺人事件の疑いが濃厚になる。しかもこの犯人、かなり前から殺人を行っているらしい上に、まるで尻尾を掴ませないという、厄介な犯罪者だと判明する。FBIのプロファイリングで言うなら、まさに典型的な秩序型シリアルキラーだ。
そして新たな殺人が起こる。シリアルキラーの捜査の過程で訪れたモーテルの従業員が殺されたのだ。この事件、おそらくシリアルキラーによる口封じなのが濃厚だが、容疑者として上がったのは精神錯乱状態のホームレス。当然何者かに殺人を依頼されたとバラードは疑う。その後、この事件で犯行に使われた銃が見つかるが、なんとその銃は過去の殺人事件で紛失した証拠物件だった。
シリアルキラーの聞き込みにモーテルにいった翌日に、その従業員が殺され、さらに過去の犯行に使われた凶器の銃が紛失した証拠ということから、明らかに内部に協力者がいるか?または犯人そのものがいるか?との疑念が生じる。
この事件に本腰を入れ捜査に当たるバラードら未解決班だが、そこに上層部から横槍が入る。この2件の殺人事件、そもそも殺人課(バラードが過去に在籍していた)が担当するべきとの声が上がり、未解決班は捜査から外される。
別件を片付けつつ、バラードは警部に連続殺人事件の捜査への復帰を志願、ついにその許可が降りる。容疑者の隠れ家を見つけるなど、事件の真相に近づく未解決班だが、そんなときにバラードが自宅で襲われる事件が発生する。なんとか犯人を制圧したバラードだが、襲撃犯は自殺してしまう。この犯人、凶器紛失の件で未解決班が目をつけていた元警官だったが、死亡したことで供述が取れず、事件は行き詰まるかに見えた。ところが、犯人のスマホ(証拠)をバラードは勝手に持ち出し、その解析をボッシュに依頼する。
そしてボッシュは、LAPD内部の関与を突き止めるが、その捜査対象の名前にバラードは絶句する。 そしてほぼ同時期に未解決班は、連続殺人事件の解決の糸口を見つけ、その足跡を追う。すると捜査線上には意外な人物が浮かび上がる・・・
ポイント
まず、なんといってもハリー・ボッシュの存在感。これがすごい。やっぱりファンはボッシュが見たいんじゃないのかなぁ? このレネイ・バラードを主役に据えた今作だが、視聴者の大半はボッシュの続編として見ているような気がする・・
さすがと感じたのは、脚本の良さだ。途中途中で入る別件は、しっかり内容があって面白く、何らかの主張が混じっている。いつものボッシュファミリーが登場するのも良い。これはボッシュの世界観に浸れるし、なによりファンにとって今後の楽しみになる。
そして謎解きも良かった。片方はベタベタだが悪い印象はなく、それどころか結構楽しめた。もう一方の謎解きは、良い意味でボッシュらしくない印象で、もしかするとこれがバラードの味になるのかな?と思った。
何にしてもこのバラードというドラマは、ボッシュと同様に正統的な刑事物路線を行くが、今のところは、ややミステリー色を強くしているのかもしれない。
感想
まず言いたいのは、結構面白かったこと。もちろん、この原作者の作品なので面白くないということは無いだろうとは思ったが、まあ期待上だったと思う。
ただ欲を言うと、ボッシュほどのスリリングさがないというか、少し詰めが甘いように感じた。 というのは、オリーバス(悪徳警官集団)の件などは、もっと怖さがあっても良いように思う。例えばボッシュレガシーで言うなら、同じ汚職警官のエリス達コンビの方が断然怖さがあった。ああいう危険な相手に、ボッシュがルール無用で立ち向かう~というのがファンにはたまらないところ。バラードは、そういうガツンとくるようなインパクトを欠いていたように思った。
今シーズンの設定や、シーズン1の最後のシーンなどからして、バラードは常に困難を背負うタイプのキャラ設定のようだが、女性がそれだとやや重い印象が悪い方に出るような感じもする。
面白いのだけど絶賛級ではない、とりあえず今のところはそんな感じだと思う。
バラードのキャスト紹介
最後にバラード未解決事件捜査班のキャストを紹介する。主役の「マギー・Q」、バラードの相棒役の「ジョン・キャロル・リンチ」、議員役の「ノア・ビーン」、ロールズ刑事役の「マイケル・モーズリー」の4名!
マギー・Q / レネイ・バラード
主役のレネイ・バラードを演じたのは「マギー・Q」。マギー・Qは中国系のように思われているが、実はアイルランド系とベトナム系のハーフなのだとか。日本にもわりと馴染みの深い人なので、もう少し日本での人気が上がっても良いと思う。
今回のバラードでも思ったが、演技は普通にうまいし、女優としてのカッコよさもある。ただし、今のところはレネイ・バラードというキャラが、まだ確立されていないように感じている。
彼女の今後は、もちろん「バラード 未解決事件捜査班S2」の予定が入っている。すでにS2への更新は確定。おそらく来年の春~夏の間くらいには配信が開始されるのではないかと思う。
ジョン・キャロル・リンチ / トーマス・ラフォン刑事
ジョン・キャロル・リンチ演じるラフォン刑事は、良識があり仲間思い、そしてゲイという設定。キャラ設定的にはハリー・ボッシュの相棒と同じような設定になっている。
ジョン・キャロル・リンチは多くのドラマに出演歴があるが、個人的には「アメリカン・ホラー・ストーリー」のピエロ役が強烈な印象として残っている。シーズンは忘れたが、ほぼセリフなしの役だが、圧倒的な存在感で恐怖を撒き散らしていた。
彼の今後は、まずはバラード未解決事件捜査班S2、そして2本のドラマで役が内定(放送等は未定)。2025年は、バラードS1を始め、エルズベスのS2のほか、ドラマ4本に映画1本に出演。バイプレーヤーだが、人気は高いですね。
ノア・ビーン / ジェイク・パールマン議員
ジェイク・パールマン議員を演じたのは「ノア・ビーン」。流れ的にはこの1シーズンのみの出演ぽいが、なかなか目立っていたし、補佐官も目立っていたので、2人の再出演に期待したい。
ノア・ビーンといえば、個人的にはやはり「ダメージ」のエレン・パーソンズの恋人役だろう。あの役は最高のキャラだったし、彼の演技力も高く評価されていた。
若い頃は超イケメン俳優で鳴らしていたが、最近は誠実な父とかの役が多くなっていた。私生活でも子供がまだ小さいので、意図的に仕事量を減らしているのか?今後の予定は公表されていない。とはいえ、年に数本の仕事はこなしているので、おそらく家族との時間を増やしているのだろう。
マイケル・モーズリー / テッド・ロールズ刑事
ロールズ刑事はねぇ・・・ 皮肉屋で無能っぽい登場だったが、実は正義感に溢れ、リッチなのに裏方の努力も平然とこなすという良い男だった。今後が楽しみだな、なんて思っていたが残念。まあ、1シーズン契約の理由があったのだろうが、良い演技・キャラだったのでもったいないなぁと思うね。
マイケル・モーズリーのキャリアで言うと、オザークへようこその牧師役が記憶に残っている。聖人の仮面を被った悪党の役だったが、ああいう嫌なヤツが彼の得意とする役どころだ。
彼の今後は、バラード以降の発表は無いが、公開予定は数本あり、2本のドラマで内定がある。堅実に仕事をこなしているようだ。

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