BOSCH / ボッシュ シーズン7の感想

ボッシュ 海外ドラマボッシュ

2021年6月、ついにボッシュの最終シーズンが配信開始! プラットフォームはもちろんアマゾンプライムビデオ。今回は全8話構成でキャストの変更はほぼ無し。

最初に簡単な感想を書いておくと、今回のボッシュも最高! いや、個人的にはこのシーズン7がボッシュのシリーズベストだと感じた。

ボッシュS7の簡単なあらすじ

2019年のNew Year’s Eveに湧くロスで放火による火災が発生。ボッシュは直ちに現場に急行、そこで少女と妊娠した少女の母親ら5人の焼死体を発見する。

前シーズンで少女が殺された未解決事件に決着をつけたボッシュだが、またしても少女が犠牲になる事件を目の当たりにし、静かに怒りを燃やす。

放火事件の捜査に全力を尽くすボッシュらロス市警。捜査を進めるうちに、まずは地元のギャングの存在が浮かび上がってくる。 さらに放火現場のマンションの立ち退き問題も絡み、徐々に事件の真相を近づいていくボッシュ。

そして実行犯を逮捕したボッシュだが、黒幕のボスの逮捕には至らない。そんな中、黒幕の正体が判明し容疑者逮捕を目前にしたボッシュだが、なんとそこにFBIの妨害が入る。なんでも容疑者はFBIの情報提供者で、FBIはこの男の情報を使って大規模なギャング壊滅作戦の準備を行っていたとのこと。

FBIの作戦のために5人を殺した放火犯を見逃せとというFBI。だがボッシュは従わず、捜査を強行しようとする。しかしFBIの守りは固く、さすがのボッシュも手助けが必要と考え、上司のアーヴィング市警本部長にFBIへの口添えを求める。

しかし当のアーヴィングは次期本部長指名争いの真っ只中でそれどころではなかった。彼の上司に当たる市長は、アーヴィングを再任せず自ら立てた対立候補を任命しようとしていたのだ。アーヴィングはつい先日市長選を棄権し、その上現職の本部長職まで失ったら政治生命は終わり。そこでボッシュの情報からアーヴィングは一計を講じる。

その後アーヴィングの裏切りを知ったボッシュは激怒し、独自で行動しFBIの作戦中だった容疑者を強引に逮捕する。しかしFBIとアーヴィングの政治力で容疑者は釈放されてしまうが・・・

感想

この最終シーズンはとにかくボッシュらしかった。 独自捜査、上層部への反抗、ルール無視の逮捕劇など、まさにハリー・ボッシュ劇場。しかし不法移民など弱いものの味方をする心優しいボッシュも健在。

これは以前のボッシュの感想でも書いたことがあるが、このボッシュは古き良き刑事ドラマの基本のような設定なのに、全く古臭さを感じさせないのがすごいところ。しかもボッシュの娘以外20代はいないんじゃないかと思えるほどキャストはオッサンとオバハンばかりなのに、ここでも全く古臭さを感じない。

そして脚本も爆発的な盛り上がりがあるわけではないのに、まったく飽きる瞬間がない。ただし、淡々としているかといわれるとそうではなく、常に何かしらの衝突や争いがあるので興味が尽きることもない。

なんというか、何から何までこのドラマはプロの仕事なんだよね。ボッシュの原作は大人気だが、ドラマ化や映画化でコケた人気の原作なんて腐るほどある。そんな中でこのドラマは、独自のボッシュ像を作り上げ、個性ある作風(画風?)を築くことに成功した。

このまさにプロの仕事と言えるこのドラマが終わるのは本当に残念。とはいえすでに発表されているスピンオフ作品(タイトル未定)は、よくある人気ドラマのスピンオフのスタイルではなく、主役のボッシュが引き続き主役を張るというもの。なのでスピンオフというより、新ボッシュとかボッシュⅡという感じだ。まあ、それこそがボッシュファンの望みだから、この決定はうれしさしかないね。

シーズン7のポイントとキャスト紹介

ボッシュのシリーズベストと言えるシーズン7のポイントは5つ。

まず市警から3名のストーリー、今回で自身の戦いに一応の決着をつけたビレッツ警部補について。次に問題を抱える相棒エドガーについて。そしてシリーズ最後に来てボッシュの敵となってしまったアーヴィングについて。

さらにスピンオフへと続くであろう、ボッシュの娘・マディの進路問題について。そして最後はもちろんボッシュについて。

ついでに各キャラのキャスト紹介もしておきます。

ビレッツ警部補/エイミー・アキノ

ビレッツはボッシュのS1からずっと出演し続けたレギュラーで、常にボッシュの上司だった女性。彼女は基本的にはボッシュの味方だが、ルールを無視するボッシュに手を焼き、見放しかけた過去もある。このあたりはアーヴィングとボッシュの関係に似た感じだが、ボッシュとアーヴィングほど緊張感が高まったことはない。そしてビレッツは最後までボッシュの味方だった。

そんなビレッツだが、前シーズンに登場した新警部からさまざまなパワハラを受け、かなり厳しい状況に陥っていた。窮地に立たされたビレッツだが、彼女自身の人徳からか部下の強力な支援を受け、なんとかクビや更迭から逃れてきた。

そして今シーズンのビレッツは、さらなる窮地に追い込まれる。まず女性差別主義者の部下からあからさまな抵抗にあい、自宅への落書きやパートナーへの嫌がらせをうける。実はLA市警の中には女性差別主義者のグループがあり、ビレッツはその連中からの攻撃を受けていた。

しかしビレッツはさまざまな攻撃を耐え、部下とともに反撃。彼らを逮捕することに成功する。しかもその捜査の中で、嫌がらせの黒幕が実は警部だったことまで突き止める。この件で警部を逮捕し、アーヴィングから新警部への昇進を約束されるビレッツ。シリーズ最終回で成功を勝ち取ったビレッツだが、それはアーヴィングとの同盟関係を意味していた。しかしこの時のビレッツは、ボッシュとアーヴィングの確執、ボッシュの退職、そしてその理由を知らずにいた・・・

というところでボッシュは終わる。だがご存知のように、この続きはボッシュのスピンオフで描かれるはず。必ず描かれるであろうビレッツのその後のストーリーは、その時まで楽しみに待つことにしよう。

ビレッツ警部補を演じていたのは「エイミー・アキノ」。エイミー・アキノといえば、それほど重要なポジションではなかったが、ERでそこそこ影響力のある役を演じていたのを覚えている。

とはいえ、彼女にとって代表作というのはあまり重要ではないだろう。 とにかく長年に渡って数多くのドラマにレギュラー・ゲストで出演しているので、いまさら代表作が何?とかいっても意味がない。過去がどうでも良くなるほどの長いキャリアと実力があるので、今後も仕事に困る人ではないだろう。そしてボッシュのスピンオフでも、常連ゲストとして何度も顔を見ることになると思う。

ジェリー・エドガー/ジェイミー・ヘクター

今シーズンのエドガーは、前シーズンで処刑した父の仇の件に苦悩し、結果的に相棒のボッシュを悩ませる事になってしまった。エドガーといえば、強い正義感と倫理観を持つ立派な警官。そしてある意味、ボッシュの暴走を止めるのが彼の役目だった。

そんなエドガーが深く落ち込み、酒浸りの生活に。結果的には、自分のキャリアを犠牲にしてでも正義を追求するボッシュの仕事ぶりを目の当たりにし目を覚ます。輝きを取り戻したエドガーは、周囲を騒がせた人事異動も無関係で、LA市警殺人課での勤務を無事続けられることになり、ボッシュでの彼の物語は終幕。

だがエドガーもスピンオフへのゲスト出演は確実だろう。そしてそのときは、市警を辞めてまでもエドガーに無理難題を要求してくるボッシュが見られるはずw 要はいつのも2人の関係は続く。ということで、彼ら2人の友情は今後も続いていくはずだ。

ボッシュの相棒エドガーを演じたのはジェイミー・ヘクター。ジェイミー・ヘクターの代表作はなんといってもザ・ワイアーだ。

ボッシュ今シーズンの劇中のセリフで、ザ・ワイアーの話になり、エドガーが「ああ、オレも見ていたよ」みたいに答えるシーンがあったが、あれは彼のファンには笑えるポイントだった。

個人的にはパーソン・オブ・インタレストのゲストも記憶に残っている。 彼は基本タフガイを演じる事が多いが、チンピラやカタブツも違和感なく演じられる幅のあるタイプ。おそらくボッシュのスピンオフではレギュラーとはならないと思うので、今後は別の作品に期待したい。

アーヴィン・アーヴィング/ランス・レディック

アーヴィング役のランス・レディックについては以前の記事で解説しているので、レディックについてはこちらもどうぞ→ボッシュS6の感想

今までのボッシュのアーヴィングとボッシュといえば、なんやかんや言ってもお互いの能力を評価し、お互いに正義を重んじることから信じあっている設定だった。ところが今回の件で2人の関係に決定的な亀裂がはいってしまった。

アーヴィングからすると、少女を含む5人が死亡した事件は痛ましい、だがすでに起きてしまったこの件に目をつぶることで大量のギャング幹部を逮捕できるチャンスが生まれ、結果的には社会は良くなるという理屈。

ボッシュの理屈は、少女を焼き殺した犯人に厳罰を与えずに何が正義か!と。

ある意味これはよくある議論。視聴者目線ではどうしてもボッシュが正しく感じるが、実際は両方が正解と言えるし、絶対の正解は無い。なので今後があったとしても、ボッシュがアーヴィングを一方的に責める展開にはならないだろう。この件での2人の決着はつかないと思うが、個人的な予想では、お互いに少し歩み寄りいずれ協力して事件に当たる時が来るような気がする。

現在発表されているスピンオフの情報では、ボッシュはハニー・チャンドラーの弁護士事務所の調査員となる予定だそうだ。弁護士事務所の調査員というと、グッド・ワイフのカリンダと同じと書けばわかりやすいと思う。

カリンダの仕事ぶりを思い出すと、おそらくボッシュは市警の力を必要とするだろうし、市警もボッシュ(チャンドラーの事務所)の持つ情報を当てにする機会は少なくないはず。それを考えると、市警の誰がスピンオフに参加するのかが予想できて面白い。おそらくアーヴィングはボッシュの味方になることもあるのではないかと思う。というかこれは個人的な期待だ。

マディ・ボッシュ/マディソン・リンツ

マディはシリースが進むに連れ重要度を増してきたキャラ。最初はボッシュの娘としては出来すぎた良い子という感じだったが、母を亡くしたあたりから急速に成長し人格が形成され、チャンドラー事務所で働くようになり今の人気キャラが完成した。

マディにとって母の死が大きな転機だったのは間違いないが、ドラマ上での彼女の一番の転機はチャンドラー事務所に勤務するようになってからだろう。チャンドラーに雇われると決まった当時、確かボッシュとチャンドラーは対立関係にあったはず。マディはそういう状況をすべて知った上で就職しているので、彼女はこの時すでにある程度の強さと判断力を身に着けていた事になる。

このドラマでは、こういうマディの一歩一歩を着実に描いてきたので、視聴者はマディに思い入れを持つようになる。マディ以外でも、アーヴィング、ビレッツ、エドガーと、同じように着実にキャラを育てたことで、視聴者は多くキャラに思い入れを持つことになる。 何度も書くが、こういうところが本当にプロフェッショナルだ。

そんなマディ、スピンオフでは主要キャストだ。そこで気になるのは、彼女がスピンオフでどういう設定になるか? ボッシュの最終回では、彼女は警官になることを決めていたようだが、これはどうなるだろう? スピンオフではボッシュがハニー・チャンドラーの事務所で働くことになる予定なので、そうなるとマディも同じ職場で・・と誰もが想像するはず。

まあ、マディがLA市警に勤務し、ボッシュの元同僚たちと~というのも悪くないが、その設定だとボッシュを終わらせた意味があまりなくなる。人気の海外ドラマが終わる場合のほとんどは、俳優の出演料が高騰することによる赤字が原因だ。それを解消するために、新しい番組として契約し直しギャラの高騰を抑える、そして同じくギャラがつり上がってきた脇役を一斉に解雇し、新たな条件で新たな(安い)俳優を出演させる。

マディが主要キャラとして発表されたということは、少なくともそれなりの出演時間が確保されているはず。彼女が市警勤務となると、ボッシュ時代の市警メンバーの多くがレギュラーとなるので、前述の理由からそうはならない可能性が高い。 とするとマディは警察への願書を取り消し、チャンドラー事務所に戻ることになりそうだ。

ということで、ここもスピンオフの放送まで楽しみに待つことにしよう。

ハリー・ボッシュ/タイタス・ウェリバー

ハリー・ボッシュの今後に関してはさきほど書いたように、市警を退職→チャンドラーの弁護士事務所で調査員に~という設定が発表されている。

最終回では、ボッシュが探偵のライセンスを申請しているシーンで終わっていたが、私立探偵ではなくチャンドラーと組むという設定はかなり面白いと思う。なんといっても、この調査員という職業がいい。グッドワイフのカリンダやブレイク・カラマール、そしてグッドファイトの調査員を見ていれば、新しいボッシュの物語がかなり面白くなるだろうことは予想できる。

しかも今度は上がいないので、ボッシュは最初から自分のやり方で事をすすめることができる。もちろんバッジがないというのは大きなハンデだが、ボッシュなら問題ないだろう。

そのボッシュの退職だが、ここは少し説明が必要なところでもある。ボッシュはアーヴィングと揉めて自分からバッジを置いたが、ああいう退職の仕方が出来るのはボッシュがリッチだからだ。過去にボッシュは、自身の経験を記した本の版権を売った事で億を超える大金を手にしている。それがあるから、あの超リッチな自宅に住めるのだが、これがあるから簡単に公務員を辞めることが出来たのだ。

一般の公務員は、上司とそりが合わないからと言う理由でやめることはまず出来ない。まあ、こんなところにもボッシュの詳細設定が行き渡っているとはすごいと思う。こういうふうにディテールにこだわるドラマというのは、人気ドラマの条件だ。 スピンオフもこれまでと同じようなプロの仕事を見せてほしいと思う。

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