今回はアマゾンプライムビデオで配信中の「ボッシュ(Bosch: Legacy) 受け継がれるもの S2」の感想いきます。
ハリー・ボッシュがLA市警の刑事から私立探偵に鞍替えし、新たにスピンオフシリーズとして始まったボッシュ・レガシーも、あっという間に2シーズン目。 オリジナルシリーズから続く1年=1シーズンの配信ローテはファンとしては嬉しい限り。そしてこのシーズン2、最初に書いてしまうが、本家のボッシュを超える最高のシーズンだと感じている。
ということで、悪い評価になりようがない感想、早速いってみましょう!
ボッシュ: 受け継がれるものS2、簡単なあらすじ
シーズン2の終わりで誘拐されたマディだが、この事件の犯人は予想通り、マディが追っていた連続レイプ犯のドッグワイラーだった。 ドッグワイラーはマディを誘拐し彼女の開放を条件に、レイプ事件では起訴しない(誘拐のみの起訴)という取引の成立を画策していた。 誘拐されたマディは、ドッグワイラーによりLAから約500kmの距離にある砂漠の砂の中に、生きたまま棺桶に入れられ埋められていた。ドッグワイラーは、その状況をネットでライブ配信し、連続レイプの件を不起訴にするという無謀な取引を認めさせようとしていたのだ。
しかしボッシュは、ドッグワイラーの専任弁護士の線からマディの居場所を特定することに成功する。 ボツシュの強引な捜査により、なんとか救出されたマディ。 当然取引の話は無効に。 その後ドッグワイラーは連続レイプ犯として起訴されることになる。
マディ誘拐事件が解決した直後、ボッシュはチャンドラーからある殺人事件に関する調査の依頼を受ける。この事件はレクシー・パークスという女性が撲殺され、死後にレイプされるという痛ましいものだ。この事件の容疑者として逮捕されたのが、過去にチャンドラーが弁護したことがあるデヴィッド・フォスターという男。フォスターは、過去に薬物絡みの事件で逮捕されたが、チャンドラーの弁護・サポートで立ち直った経験を持つ。そんな過去から、フォスターがそんな酷い事件を起こすとは思えないチャンドラー。そしてボッシュの調査から、フォスターが何者かにハメられたという可能性が浮上する。
そしてボッシュの調査で浮かび上がった容疑者は、2人組の悪徳警官だった。用意周到な上に、頭も切れる悪徳警官コンビに手を焼くボッシュだが、パークスが生前に夫から贈られたヴィンテージ時計の線から、ついに2人を追い詰めることに成功する。 元警官VS現役悪徳警官の直接対決は、壮絶な銃撃戦に発展する・・・
同時にボッシュは、前シーズンの石油パイプライン爆破の件で、FBIから追われるという問題も抱えていた。関係者からボッシュの爆破への関与にたどり着いたFBIは、次第にボッシュを追い詰めていく。だが、FBIの真の狙いはチャンドラーだということに気づくボッシュとチャンドラー。チャンドラーはFBIの追求を逃れるため、ある手を打つことにするが・・・
ボッシュレガシーS2の感想
まあ面白かった! 今シーズンの感想を一言で表すなら、まさにこれだ。 少し詳しく書くと、まずこのシーズン2、今まで以上に展開が早くとてもテンポが良い。マディの誘拐が解決すると、すぐにフォスターの件が始まる。しかも悪徳警官がすぐに登場し、彼らの恐ろしさ、悪党としての有能さがハッキリ分かる演出が盛り込まれる。その途中に、酷い目にあったマディの心の揺れを繊細に描く。同時に、ボッシュのマディに対する想いや、2人の葛藤もわかりやすく描く。
さらにチャンドラー VS FBIも、かなり濃密な脚本で面白かった。長期刑をバックに、チャンドラーの周囲の人物に徹底的に圧力をかけるFBIは「こんなのに張り付かれたら怖いなぁ・・」と思わせるに十分。 しかもFBIは、念には念を入れて潜入捜査まで仕掛けていた。この捜査官VSモーの対決も最高だった! いや、このモーの活躍が、今シーズンのクライマックスと言えるのではないだろうか? あのタイミングで、モーと捜査官の最後の対決を描いたのは、その証拠と言ってもいいだろう。
そしてボツシュでお馴染みの面々が次々に登場したのも胸熱だった。この点は、前シーズンではやや控えめだったが、今シーズンはいつものメンバーをこれでもか!というくらいに出演させてきた。 いきなりジェリー・エドガーをメイン級に登場させるとか、マジか?と思ったし、その後もファンにはたまらない演出を次から次へと・・ これにはシビレたね。
この辺の感想は細かく書きたいところだけど、それはちょっとネタバレがすぎるかな? というか、ボッシュの本編を見たことがある人は、ぜひこのレガシーを見てほしい。もちろんボッシュを見てないと言うなら、本家のシーズン1から全て見てほしいと思う。 このドラマ、そのくらい味わい深く面白いので。
ボッシュレガシーS2のポイント
感想で少し書いたが、今シーズンのポイントは大きいところで3点。 「FBI」と悪徳警官「エリスとロング」、そして「モー」だ。 もちろん序盤のマディの件も重要なのだけど、個人的な好みではドッグワイラー事件より、FBIと悪徳コンビの話の方が面白かった。そして今シーズンのモーの活躍は、誰の目から見てもMVP級と言えるはず。 では順に解説していく。
有能で恐ろしかったFBIだが、最後は・・・
FBIは、マディ、チャンドラー、ボッシュ、ラミレス、そしてモーを追い込み、チャンドラー一味の逮捕に目前まで迫ったが、相手が完全に一枚、いや2枚も3枚も上手だった事で取り逃がすハメになった。 とはいえ登場時のインパクトは抜群、チャンドラー一味を次々と詰めていく様は、なかなかに迫力があり、強大な権力の怖さを感じさせた。
そんなFBIメンバーだが、主に捜査を担当したのは4名。まずボスのバロウ捜査官。彼は有能でやり手だが、チャンドラーに戦略を読まれた上に内通者のラミレスを逆利用され万事休す。裁判で主任を務めたオミーラ捜査官と美人捜査官のジェームズは常に威圧的で、まさにFBIという感じで良かったが・・ ただしジェームズ捜査官の相棒だった捜査官(名前を忘れた)は、登場時からなんとなくコミカルでFBIらしくない感じ。ん?なぜこのキャスティング?と不思議に思っていたが、これは最後にFBIがマヌケを晒す伏線要員だった。
またFBIには、潜入中の切り札「モレル捜査官」もいたが、この解説は後ほど。
同じく有能で恐ろしかったエリスとロング、やはり上には上が・・
エリスとロングの悪徳コンビも存在感抜群だった。複数の悪役(敵)が登場したボッシュレガシーS2だが、このコンビが今シーズンの悪役No.1だったと思う。 いきなりの初登場時から、危険で抜け目ない悪党ぶりを最大限に発揮。 まだボッシュやチャンドラーに存在を知られる前から、ボッシュに悟られることなく車に追跡装置をつけ、何度も尾行を成功させた。またチャンドラーを職質でハメて証拠品を盗むなど、とんでもなくヤバい敵だと視聴者に認識させた。
この2人は警官としても優秀で捜査も実戦も強かった。さらにボッシュの調査の進展具合を探るために、マディに近づき目的を果たすなどで能力の高さを発揮し、あのボッシュに一目置かれる発言をさせた。 しかし最後は、ボッシュの刑事時代から変わらない執拗な追跡に陥落、ロングはボッシュの銃撃により重体、エリスはマディに射殺された。
ボッシュの相棒としての地位を確立したモー
このスピンオフシリーズが始まり、新たにメインキャストとして名を連ねることになった「モー・バッシュ」。 前回の感想でも書いたが、彼はS1でメインキャストとして文句なしの存在感を示したが、今シーズンはその存在を不動のものとしたと思う。今シーズンはモーをメインとしたストーリーが描かれたが、これが最高の脚本+演出で、ボッシュレガシーS2のハイライトシーンとなった。
このシーンは、すごく甘くておしゃれなロマンスで始まり、超スローに進行していく。だがモーが心を許した女性は、実はチャンドラーとボッシュを逮捕するために潜入していたFBI捜査官だった・・・
この一連のストーリーは面白かった。 ここでモーは、人間性からハッキングスキル、さらには調査スキルまで披露。すべてが高いレベルで、さすがボッシュの相棒を務めるだけはあると納得。そして最後の彼女との会話シーン。これもシビレた。本気だったモー、気持ちが揺らいでいたが職務を全うしたモレル捜査官。もちろんモーの肩を持つが、2人共素晴らしいシーンを見せてくれた。 ちなみに「いつ気づいたか?」の問の答えは、モーがエスコート嬢2人と供に隠れ家にいる時の電話のシーン。あの時にモーはピン!ときたのではないか?と個人的には想像。まあその前にもそれっぽい演出はいくつかあったので、確信は持てないが。いろいろと妄想するのは楽しい。
で、モレル捜査官。もし彼女が再登場することがあれば、個人的には応援したい(というか、して欲しい)。彼女は退職しているはずなので、そのチャンスはあるはずなので。
コメディ(笑)
硬派なシリアス系のボッシュシリーズだが、今シーズンはなぜかコメディシーンがいくつかあつた。どれも抜群のタイミングで挿入され、しかもシリアスな演技中に入るので笑い効果は激高。本当に笑わせてもらったw そんなコメディシーンでお気に入りを3つご紹介。
エリスに攻撃的なエスコート嬢
エリスとロングに雇われているエスコート嬢の2人、そのうち一人がエリスに執拗に噛みつくのが面白かった。暴力的で短気、しかも狡猾なエリスを、意味もなく?徹底的に罵倒する彼女w なんなんだ、のシーンはw しかもチャンドラーとボッシュとの面談シーンでは、アホ丸出しみたいな対応をしていた。全く掴みどころのない2人には、大いに笑わせてもらいました。
ゴミ袋持参で大恥を晒したFBI
先程書いた、美人捜査官の相棒がなぜ彼なのか?という話と同じで、このシーズン2ではFBIがマヌケ堕ちする伏線が何度か張られていた。その伏線回収シーンがコレだ。
わざわざシュレッダーにかけた書類を持ってきたのに、発言も質問の機会も与えられずに、まさに門前払いで敗訴したFBIの面々。 特に法廷に立った2人は完全にマヌケ扱いにされてしまったw ボスは、まだ秘策を残していたので怒りを抑えられたが、法廷の2人は面目丸つぶれで恥を忍ぶしかなかった。
ボッシュが電話をすると、マディは・・・
埋められた件で過剰に心配するボッシュがマディに電話をするが、なんとマディは彼氏とSEX中w 生き埋めにされ、奇跡的に生還できたマディ、PTSDを心配するボッシュが過保護気味になるが、マディはそれをあざ笑うかのように彼氏とのSEXに忙しく、電話を無視w
なぜあのタイミングで? って、それは視聴者を笑わすのに一番効果的だから、ですね(笑)
ドッグワイラーの殺人を指示したのはボッシュなのか?
最後に、次シーズンの序盤で確実に揉めそうなこの件。 まずはドッグワイラーの殺人がボッシュの依頼なのか? これはまだ判明していない。囚人からの電話では、まるでボッシュに依頼されて殺ったかのように話していたが、真実はまだわからない。 まあ、あれだけの事をマディにやったのだから、ボッシュが関与していたとしても不思議ではない。 だが何か腑に落ちない。
まずあのボッシュが殺人を依頼するか? 警察に通報もせずにエリスを単独で追うような男が、いくら獄中にいて手が出せないとしても、凶悪犯(しかも、おそらくボッシュが逮捕した男)に殺人を依頼するような無計画な真似をするとは、到底思えない。 さらに劇中で、ボッシュが元同僚に依頼した調査報告で、調査対象が「周囲の囚人から激しい暴行を受けた上に、本人は死にたがっていた・・」という話があった。これは確か調査対象の名前が出ていなかったと思うが、まず間違いなくドッグワイラーのことだろう。 この事も考えると、自殺の線が最も濃く、次に囚人らによる殺人と考えられる。囚人達による殺人だとすると、電話の男が仮釈申請の時期で、ボッシュに良い証言をして欲しい~などの理由で殺った可能性はあると思う(恩を着せるor依頼されたと嘘を言いボッシュを脅迫などなど)。
もちろん、本当にボッシュが依頼したという可能性も多少はある。だが個人的には、この可能性はまずないかな?と考えている。ルール無用、傍若無人のボッシュでも、あのギャング丸出しの囚人に殺人を依頼するようなアホな真似はしないだろう。依頼するにしても、ボッシュクラスになれば、もっとまともな囚人の知り合いが間違いなくいるはずだ。
ということで、いくつか推測も交えて書いてみました。そしてボッシュレガシーは、すでにシーズン3の配信が決定しています。そういえば、ボッシュシリーズの新たなスピンオフが、ジェリー・エドガーを主役として制作が決定しているとのニュースもありました。 今後も当分はボッシュ界隈で楽しめそうですね。
ボッシュ: 受け継がれるものの視聴・詳細はこちらから→ボッシュ: 受け継がれるもの
オリジナルシリーズのボッシュの詳細はこちら→ボッシュ
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