海外ドラマ「クロッシング・ライン ヨーロッパ特別捜査チーム S2 E1」
AXNミステリーで始まったクロッシングラインのシーズン2。
このクロッシングラインは、ヨーロッパの国をまたいだ捜査を可能にするチームの話。
ヨーロッパのFBIというイメージらしいけど、正確にはユーロのFBIになるのかな?
一応、英国にもパイプがあるし、地元警察に捜査協力も得られているので、
ユーロ圏・その周辺国に対し、そこそこの影響力があるみたいだ。
このチームはICCと呼ばれているけど、メンバーは各国のエキスパートを集めてきている。
ヨーロッパ各国と書きたいところだけど、主役のヒックマン(ウィリアム・フィクナー)が
アメリカ人なんだよね(笑)。 しかも元NYPD。
なので、ヨーロッパ+アメリカのエキスパートが揃っている。
まずこのクロッシングラインがすごく面白いのは、このキャラクター設定だ。
普通こういう組織が題材のドラマだと、強力なスキルを持つエキスパートは、
その筋では無敵という設定が多い。
ところがこのクロッシングラインはちょっと違う。
エキスパートなんだけど、そこまでスーパーではない。
変な言い方だけど、そこそこのエキスパート(笑)。
しかもメンバー全員が、秘密や人に言えない過去を持っている。
この設定は、キャラクター一人一人に深みを持たせるためだと思うけど、
ここは8割方成功している。
メンバーの特性も覚え易いし、その背景も興味深い。
すごく良く作られている。
例えば主役のヒックマンは、ニューヨークで犯人に手を撃たれ、今も鎮痛剤の
世話になっている。
ある種の鎮痛剤中毒なんだけど、そのうえその事件で市警に見捨てられた過去がある。
ウィリアム・フィクナーといえば、プリズンブレイクのマホーン捜査官役だけど、
ここはほとんど同じ設定だよね。
マホーンはペンに鎮痛剤を隠していたけど、ヒックナーはわりと大っぴらに飲んでいる。
あと、クロッシングラインの設定で気に入っているのは、このヨーロッパ感。
欧州ドラマの特徴である「暗さ」とか、「重さ」、「冷たさ」が漂っている。
でもこのクロッシングラインは、そこにも一工夫あるんだよね。
最近の犯罪モノ海外ドラマは、猟奇犯罪とか、やたら変質的な事件を描きたがる。
特にこういう設定だとそっち系になりがちだけど、クロッシングラインは節度がある。
犯罪者は怖いし、ヨーロッパ風の暗さも持っている。
でもストーリーが、必ずチームのメンバー・一人にフォーカスしているので、
飽きがこないし、くだらない感も、リアリティーの無さも感じない。
これは見てみればわかると思うな。
すごく良くできていて面白い。
今回のシーズン2・第1話では、誘拐されたチームのリーダー「ルイス」を
メンバー全員で助けるというストーリーだった。
そしてその誘拐犯は、長年ルイとドルン(ドナルド・サザーランド)が追っていた
ロシアマフィアの大物だった。
このルイの過去を、今回で精算したのも良い判断だと思う。
*しかもS2の第1話で。
これを引っ張っても、だいたい飽きられるのがオチだよね。
それより、新たな事件や新たな人物との関係のほうが、視聴者は楽しめる。
そういえばAXNミステリーでは、ホワイトカラーのシーズン5も始まった。
こっちも楽しみだ。
(写真 NBC)
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