ダーティジョン ベティの感想

ダーティジョン シーズン2ダーティジョン

ダーティジョン シリーズについて

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A picture-perfect couple with a devastating ending.

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今回はNetflixオリジナルドラマの「ダーティジョン ベティ」の感想。 ダーティジョンシリーズは、実話をベースにしたドラマという設定で、個人名は本物でストーリーは関係者の実際の証言・裁判記録に沿って描かれている。なのでこのシリーズは、かなり真実に近いフィクションだと言えると思う。

シーズン1とは様相がかなり変わった

ダーティジョンシリーズは、そのタイトル名が表すように、「ダーティー」な犯人を描くシリーズだと個人的には思っていた。それはシーズン1のジョン・ミーハンのような、完全無欠の悪がどれだけ悪事を働いたか?というような物語だ。ミーハン級の「悪の中の悪」、卑怯で狡猾で用意周到な、人間の心を持たない悪党の恐ろしい犯罪を紹介するドラマだと、自分は思っていたのだ。ついでに、悪党の名前は、毎回「ジョン」w

まあ、全員がジョンでなくてもいいが、このシリーズがミーハン的な桁違いにダーティな犯罪物語なんだという先入観を持っていると、このシーズン2では結構混乱することになる。

要するに今回のベティには、絶対悪は登場しない。最後まで見た時に感じたが、この制作陣はベティを悪人だとは描いていないし、ダンナのダンも悪人とまでは描いていないということ。どちらかというと、個人の善悪の問題より、当時のアメリカの文化的な問題が根底にあるというようなメッセージがあったと思う。

と、シーズン1との共通点は犯罪ドラマという事ぐらいしか無いが、ドラマとしてはシーズン1に続き、今回もかなり面白かった。自分はこの事件を全く知らなかったので、事件の成り行きや結末に対する興味が尽きなかったというのもあるが、ドラマとしての完成度もかなり高かったと思う。

簡単なあらすじとポイント

ダーティジョン ベティの時代背景は1960年代。ベティ(ベティ・ブロデリック)はカトリックの厳格な家に生まれた美人で成績は優秀、運動能力も高い。そんなベティが大学生の時にダンと出会う。

ダン(ダン・ブロデリック)は医師を目指す医大生。やや風変わりな面はあるが、優秀で真面目な学生、そしてとても紳士的で誠実な男だ。そして二人はすぐに意気投合、付き合うようになる。

ポイント1 ダンの持つある側面

ここで1つ目のポイント。このダンの風変わりな・・という面は、今の時代から考えて変わっていると感じたところだ。

具体的には、ベティに対し突然命令口調になったり、それを当然と考えているようなところ。これはおそらく、昔のアメリカでは当たり前だった男尊女卑的な考え方の一つだと思う。このダンの考え方の一つに、妻が夫を支えるのは当然というのがあったのは確実だ。なので、その後のベティの献身をダンは当然と感じていたのかもしれない。

ただし、それでもダンは真面目、誠実、紳士的な男だった。

ポイント2 ダンが弁護士を目指す

その後2人は同居を始め、子供も授かるが、ダンがインターンとして病院勤務になった時に最初の試練が2人に降りかかる。ダンは医師免許を取得し、将来は医師として順風満帆といいたいところだが、2人は両親から経済的な支援を受けられず、これからかなり長期に渡って苦しい生活を覚悟しなければならない状況だった。

アメリカの医師制度はメディカルスクールの卒業までも厳しい試験が続くが、その後もかなり大変だ。まずインターンとして病院勤務につき、その後レジデンス、さらにフェローと一種の下積みを10年近く必要とする。*インターンの給料は特に安い さらに医師としてリッチになるには、大病院で外科部長のような要職につくか、独立してクリニックなどを経営し成功させる必要がある。

ここでダンは考える。この時代のアメリカで儲けている職業の筆頭は弁護士。もし自分が医師免許を持った弁護士となれば、確実な成功が見込める。 そんな人間は他にほとんどいない上に、当時のアメリカは医療訴訟で大金が動き始めた最初の時代だった。

そしてダンはベティと相談し、2人はダンがハーバードのロースクールに入学することを決める。これがポイント2だ。インターンシップでも経済的にきついのに、親の支援を受けずに子供を育てながらロースクールに通うのは、最低4年はかなりの貧困に耐える必要がある。そして子育てと仕事を兼務するベティの体力的な負担も相当なはずだ。

先に書いてしまったが、教員免許を持っていたベティが働きながらダンをサポートし家庭を養う事になる。このときのベティの献身が将来の裁判で多くの人の支持を集めることになる。これだけの献身をしたら、夫には妻の将来を守る義務がある、と。 これは間違いなくそうだろう。ダンには人間として、ベティの経済的な面倒を一生見続ける義務があると自分も思う。

それにしても医師兼弁護士という考えに行きつき、それを実行したダンという人物は非常に優秀だと分かる。医師免許を持った弁護士というアイデアを考えつく人は多少はいるだろう。だが、これだけの経済的な困難を予想しながら実行するというのは、ダンが相当な能力の持ち主だということの証明だと思う。

ポイント3 夢を実現させた2人、しかしすれ違いが・・

結果的にダンとベティの決断は実を結ぶことになる。ダンの予測通り、医師免許を持った弁護士は引く手数多で、いきなり大手事務所に就職。ダンは医療関連訴訟ですぐに頭角を現し、あっという間に自分の事務所を持つまでに急成長する。

2人はリッチになり、ダンはさらに上を目指し忙しい、だが充実した毎日を送る。 ベティはリッチになったことを喜んではいる。子どもたちには高度(高額)な教育を受けさせ、自宅に車に高級レストランでの食事と経済的な目的は達した。だがベティの夢はリッチになると同時に、家族の時間を持つというものだった。

ここはこの事件の大きなポイント。ダンの夢は仕事で成功しリッチになる、そして出来る限り上を目指すというもの。 だがベティの夢は、リッチになり家族がいつも一緒にいるというものだった。 このすれ違いが、この事件の全てだ。

ここで少し早いが個人的な意見を書いておく。この事件でもし自分が陪審員だったとしたら、おそらくベティの無罪に票を投じていたと思う。これは裁判で本来争うべき趣旨とは少しずれるので、絶対にそうするとは言い切れないのだけど、個人的にはベティに同情的だ。

この無罪という意見には少し条件がつく。本当の裁判でベティの陣営は「正当防衛」を主張したが、個人的にはこの弁護戦略は失敗だと思っている。普通に「心神喪失」を主張していたなら無罪だったのではないだろうか? そういう意味で、自分なら無罪に・・という事だ。 また仮に心神喪失が認められ無罪判決が出たとしても、彼女の精神は確実に病んでいるので、何らかの保護観察のようなものは必要だと思う。

ここを現実的に考えると、家族がいつも一緒にということは一時的なリッチということでしかなく、ある程度の買い物を終えたら慎ましく生活する・・というようなものになる。

ここはよく勘違いされるところだが、成功というのは継続しないと意味がない。ある程度の成功を収めたら遊んでいてもカネが唸るほど入ってくるなんてことはまずあり得ない。これは現代でもそうだ。マーク・ザッカーバーグやイーロン・マスクが、いつも6時には家に帰っているなんてことがある訳がない。今も昔も成功者は成功している限りハードワーカーだ。

ポイント4 ダンの浮気

このすれ違いが生んだものは2つ。ダンが1つ、ベティが1つだ。

ダンの方は言うまでもなく、リンダ・コルケナとの浮気だ。まあ、この浮気とすれ違いが直接的な関係があったとは言い切れないが、もしベティがダンの仕事や彼の野心を理解し、共に上を目剤していたらこの浮気は無かった、もしくは軽い浮気で済んでいたのでは?と思う。だが結果的にはこの「浮気」というものがベティの精神を崩壊させてしまう。

そしてベティが生んだのは「散財」だ。 個人的にはベティに同情的だと書いたが、それはダンが死んでいるからだ。もしダンが生きていて、ただの離婚裁判なら一方的にベティ有利な裁定はしない。 というのも、数千ドルのドレスや靴の買い物を毎月連発されたら、いくらなんでも怒るというものだ。散財の理由はベティがいつも一人で寂しいからなのだけど、ベティには多くの友人がいて、家政婦やシッターに子供の世話も任せられる。そんな彼女が単に寂しいというのはあまり理解できない。

というか、2人は過去の生活から金の大切さを完璧に理解している。なので、「散財」というのはベティにとってはあからさまなダンへの攻撃手段だった。だが、この方法は間違っている。貧しさを経験したダンにとって、夫婦の経済的な意識の共有は、不可欠というより当たり前という意識があったはず。ここを攻撃したベティがダンの気持ちを理解出来なかったのは致命的。一生懸命働く男にとってそのトロフィーでもある金を湯水の如く使われたら、それは信用できなくなって当たり前だろう・・

レストランでの出来事

この夫婦の経済的な意識の共有という面で、すごく印象的な演出があった。

ダンとベティは、ある高級レストランで食事をすることに。2人は仲良くテーブルに付くが、そこにダンの仕事仲間が通りかかり2人に声を掛ける。ちょっと正確な内容は忘れたが、友人に対しベティは「過去にお金で苦労した・・」ということを発言する。するとダンは友人が去った後に、今後過去の苦労話は絶対にするな!とベティに強く言う。ベティは反発するのだが、ダンは強硬に主張を続ける。この演出はかなり良いタイミングで2人のすれ違いを描いていた。

ベティは過去の苦労が報われ今がある、その成し遂げた事に誇りや達成感を感じている。だがダンにとっては、それはただの通過点だし、もともと裕福な連中が多い今の弁護士業界で浮きたくない、バカにされたくないという意識があったのだと思う。

今を生きようとするダンと、過去の積み重ねの上に今があると考えるベティ。わかりやすく言うなら、今はまだ通過点でもっと上を勝ち取りたいダンと、もう全てを達成しこれで十分だと考える、ある意味過去に生きているベティ。

そういえばまだダンが浮気していない頃、ベティがダンへの不満から結婚カウンセリングを受けようと言い出した事があった。これもすれ違い解消の手段だったが、敬虔なクリスチャンのベティと、そこまで信心深くないダン。医師で弁護士であるダンにとって、教会でのカウンセリングなんてアホらしくて・・という意識があった。だが、ダンはベティの気持ちを理解しカウンセリングを受ける。そこで家族への愛、ベティへの変わらぬ愛を口にし、帰り道で2人は手を繋ぐ。

そうなんだよね、ダンはベティに対しずっと誠実で、忙しい仕事の中でも家族を第一に考えていた。だがベティは苦しかった過去のご褒美に、家族団らんの時間をどうしても必要としていた。

このすれ違いを修復できず先制攻撃に出てしまったベティ。ベティはここを理解することがどうしても出来なかった。だが、仮にベティが理解を示しても、ダンは浮気をしたかもしれない。ダンが浮気をしなくても、ベティの攻撃はエスカレートしたかもしれない。あれだけ苦労をして成功を勝ち取ったのに、このドラマは本当にやりきれない気持ちになる・・

そして事件は起こる

その後、泥沼の離婚訴訟に発展した2人。ダンはリンダとの交際を隠さなくなり、それに激怒したベティが車で家に突っ込んだりと、2人の抗争は激化の一途を辿る。

そんな中、ダンとリンダは結婚をする。このあたりからベティの精神崩壊は一段上のレベルにいった感じだ。そしてついに事件は起こる。ベティは娘から盗んだ鍵でドアを開け、ダンの家に侵入しダンとリンダの寝室へ。そして、ベティは寝ていたリンダを射殺、続けてダンを射殺する。その後、友人の説得で自首した。

ドラマでは描かれなかった事実もある

この事件に関し、実はドラマではほとんど触れられていない事実がいくつかある。このベティ・ブロデリック事件はアメリカではかなり有名なので、検証サイトや関連文献が今も数多くある。自分もいくつかその手のものを読んでみたが、その中でこの事件を判断するのに必要だが、あまりドラマでは触れられていないものがあったのでいくつか書いてみる。

虐待

まずドラマの裁判で少しだけ触れられた「ベティの子供への虐待」。これはダンの裁判戦略かと視聴中に思っていたが、実はベティは何度か娘に対して暴力を使ったことがあるそうだ。これは娘のインタビューが残っていて、その中でベティから叩かれた事が何度かあると本人が語っている。ただし娘本人は、虐待とまでは考えてはいない。だが、母が衝動的に暴力を使うことがあると発言している。

この事実はベティの精神的な不安定さを表しているもので、養育権や離婚裁判には大きくマイナス。だが殺人事件に関しては心神喪失を立証する一つの材料になり得ると思う。

親子の関係

次、ベティと子供、ダンと子供の関係。まずベティと子供に関してドラマでは、女の子2人との関係はイマイチ、男の子2人とは良好という設定だったように思う。 だが実際は少し違ったようだ。女の子2人は当時大学生と高校生で、本人達自身がイロイロと問題を抱えていたようで、当時は母親とも父親ともうまくいっていなかったそうだ。特にダンは一時長女を見放すくらい深い亀裂があったとのこと。 また男の2人はダンに普通になついていたようで、ベティと暮らしたいと望んでいるようではなかった。*ただし事件までは普通にベティを慕っていた。

ここも養育権、離婚裁判に大きく関係する部分だ。ただしドラマだけを見ると、明らかにダンの単独親権を認めた裁判所の判断は間違っているように見える。だがベティの精神崩壊は、ダンの裁判戦略とは別に進行していた事実がある。とはいえ、裁判所が共同親権を認めていたら殺人まで発展していたのかどうか・・

慰謝料

ダンのベティへの慰謝料について。ドラマではダンがベティに大金を支払うのが嫌で資産隠しを行ったことになっている。この部分については事実で、さらにダンは自分の家族に送金したり不動産名義を書き換えたりと、いろいろな手を使って資産隠しを行っていた。

この資産隠しはかなりやりすぎで、正直もう少しベティに支払うべきだと感じる。だが、ダンはベティに大金を渡しても、あっという間にくだらない散財で金を使い果たすことを知っていた。ここは推測だが、ダンは確かにベティに資産を渡したくないと思っていた。だが、ベティの生活だけは守るつもりでいたのではないだろうか? ダンはベティの尋常でない散財を知っていたので、まとまった金は渡さない。代わりに毎月の支払額はケチらなかった。

これは事実。なにせ、ダンがベティに支払っていた毎月の金額は9,000ドル。当時の為替レートで見ると、日本円で月に200~250万円だ。これだけの金があれば、持ち家で車もあるベティならリッチに暮らせるはずだ。ダンはベティが無駄に大金を浪費するなら、分割にして不自由なく暮らせるようにしたかったのではないだろうか?

ベティは何度か離婚を考えていた

ドラマで描かれなかった事実では、たぶんこれが最も大きいと思う。実はベティは、ダンの浮気以前に何度か離婚を考え、実際にダンにその意志を伝えていた。

まず最初はダンが病院勤務のインターンのとき。この時は、あまりの貧しさに疲弊し自分の人生を問いただしたそうだ。 次にダンのハーバード大学時代。この時は育児と家事、そして仕事と激務を極め、もう限界だと感じ離婚しかないと思ったそうだ。

正確にはもう一度あったような気がするが忘れてしまったw 笑い事ではなく、この離婚をベティが思いとどまった理由は唯一つ、彼女の妊娠だ。

もうダメだ・・とベティが限界を感じると、決まって自分が妊娠していることを知る。そしてもう一度頑張ろうと誓ったとのこと。

こんなことを知ると、さらにこの事件のやるせなさが広がるね。

感想と見解

まず、ベティの狂気とか、嫉妬、執着、復讐などのコメントをレビューサイトで多く見たが、このドラマが描いていたのは、狂気でも嫉妬でも復讐でもなく、最後まで解決できなかった夫婦のすれ違いについてだ。

夫は家族のために金を稼ぎ、さらによい生活を与えたいと全力を尽くす。妻は、もう成功はいいから家族の時間を持ちたいと願う。

だが現実は、夫が仕事で手を抜けばすぐにまた貧しい暮らしに転落する恐れがあり、現状維持のためにもハードワークの継続は必要不可欠。妻はもうこれ以上の成功はいらないと口ではいいながら、贅沢な買い物を続け家計に大きな負担をかけている。それに貧しい暮らしに戻った時、子どもたちは幸せなのか?という大きな問題もある。

そして夫の浮気で、もともと不安定だった妻の精神が破綻をきたす。彼女は子供の頃から両親に叩き込まれた「家族の幸せこそ絶対」という柱を失ったことで、たぶん全てが狂ってしまったのだと思う。ベティは、現代の女性のように人生をやり直すとか、次に進むとかいう事は一切教えられていない。これはベティの両親の責任も大きいと思う。だが、そんな教育方針も当時は珍しくない。この事件の本質は、復讐やら嫉妬などではなく、そういう時代背景や優秀な2人の特殊な事情から生まれた、ある種避けられない不和を視聴者がどう捉えるか?だと思う。「アナタだったらどうする?」という問いが、ドラマ制作者のメッセージだと思う。

最後に事件の流れと自分の見解をまとめるてみる。

散財

まず離婚に至るまでのベティの散財は、ダンが忙しく家庭を顧みなかったとしてもベティに非がある。ここは攻撃的にならず、話し合って妥協点を見つけるべきだったと思う。カウンセリングの件等を見ても、ダンは常に協力的だった。

ベティの貢献にダンが感謝を忘れた件

これはベティの散財という攻撃が長期に渡ったことでダンがキレたということだろう。ただし、裁判記録ではダンはベティの貢献を過去のことと語ったとされているが、先程書いたように実際にはそんな事はないと思う。そうでなければ大金を毎月支払い続けるなんてことはしないだろう。これはベティの勘違いな気がする。

浮気

道徳的にはダンに非があるとなるだろうが、個人的にはそうは感じなかった。まあ、確かに浮気は相手を傷つけるものだ。だが、現実にはとてもありふれているし、それで人を処罰していたら世界は罪人だらけになってしまうw 

冗談はともかく、当初ダンにとってリンダとの浮気はただの浮気でしかなかった。家族は別と考えていたのはドラマの演出にもあった。もちろんベティが耐えれば良かったとは言わないが、浮気に至るダンの心情も少しは察して上げたいと思う。

個人的な見解は(浮気前に)、ベティはダンの野心や上昇志向を理解し、協力する道を見つけるべきだったと思う。ダンが常に望んでいたのはそれだ。彼が変わってしまったのはベティの強硬な態度と散財という意味のない嫌がらせが大きな原因だと思う。浮気を肯定はしないが、そこに至るまでのベティのやり方に、より大きな間違いがあったと思う。

殺人の件

これは最初に書いた通り、心神喪失による無罪でいいと思う。

ここまでダンを擁護するようなことを多く書いてきたが、時代がどうであろうが、教育がどうであろうが、ダンにもベティを理解する必要があった。確かにダンはベティに対し粘り強く接したし、出来る限り誠実だったと思う。だが、ダンは離婚するべきではなかったし、少なくともベティの治療のために精神科の診断を受けさせるべきだったと思う。

ベティは事件を起こす前、いや別居前からすでに精神を病んでいたのは明らか。治療するためには、ダンが家にいる必要があっただろう。あれだけ厳しい状況でもハーバードのロースクールを卒業し、弁護士免許を取得したほど優秀なダンなら、ベティの治療を終えてからも弁護士として活躍できただろうに。

結果的には、その時のダンにはもうそこまでベティに献身する気持ちがなかったということだろう。だが理由はどうあれ、家族や自分のためにあれだけ献身してくれたベティと離婚するという決断をしたのはダンの間違いだ。

自分の見解、正直な気持ちを書くなら「ダンは死んでも仕方がない」といったところだ。

まとめ

お互いに尽くしあった男女が苦楽を共にしながら結婚し、やがて成功した。だがどこかで歯車が狂い始め、理解しあえない不和が生まれた。ブロデリック家の場合は、成功の持続・さらなる成功を求めた夫か? 成功を捨てても家族の時間を求めた妻か?ということだ。

具体的な理由はそれほど問題ではないと思う。このドラマが問いかけているのは、理解し合えない不和が生まれた時に人間はどうするべきか?だと思う。ダーティジョンというシリーズが、タイトルネームの縛りを超えてまでブロデリック事件を扱った最大の理由は、この問いかけが誰にとっても無視できない、とても重いものだからだろう。なんといっても、あの2人がこんな事件を起こしたのだから。

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