Amazonプライムビデオで配信中のドラマ、「ハラン・コーベン/ラザルス」の感想を書いてみる。このラザルスというドラマ、英国の制作で、原作者はタイトルにもある人気作家「ハーラン・コーベン」。ジャンル的には「ミステリー・ホラー」といったところか? わりと犯罪心理学的な描写も多いので、個人的には一番好きなタイプのドラマではあるが・・
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簡単なあらすじ
このドラマの主人公は「ジョエル・ラザルス(以下ラザルス)」。ラザルスにある日、父が自殺したとの連絡が入る。 精神科医の父(ラザルスも同じく精神科医)は、最近まで普通に元気で、全く自殺の兆候はなかった。父の死を不審に思うラザルスは、父の診療室で何か手がかりを探そうとする。 そんなとき、いきなり父の患者の女性が入ってくる。彼女はどうやら父と自分を勘違いしているらしく、いつものように診察(カウンセリング)を受け始める。
その後、我に返ったラザルスは、その患者に父のことを聞きに行く会いにいくが、彼女は数十年前に死んでいた事がわかる。死人と確かに会話をしたラザルス。そして彼は、その後も父の診療室で多くの死者と会話することになる・・
死者との会話から、父の死と、いまだ未解決の妹の殺人事件に何らかのつながりを感じるようになる。ラザルスは、2つの殺人?を調査しているうちに、他にも複数の殺人事件が関わっていることに気がつく。
そして事件の真相に近づくラザルスは、衝撃的な真実にたどり着くことになる・・・
良いところと悪いところ
では、まず良いところから。
良いところ
このドラマの登場人物で、最も光っていたのがラザルスの親友の刑事「セス」。このセスがとても良いアクセントになっていた。刑事の勘が冴えわたるwダチ(セス)の存在が、このドラマの暗さを救っていたと思う。
そして、客の精神科医の登場の仕方はすごく良かった。意外性抜群で、この物語をさらにミステリアスにした。これが幻覚なのか?それとも??みたいな描写は、前半のハイライトシーンだったと思う。
かなりの謎を抱えていそうなマーゴ、ビリーの親子もなかなか良い味を出していた。この2人については、このドラマ(ストーリー)の根幹に関わるので、ぜひ実際に見て楽しんでもらいたい。最後までこの2人の存在がストーリーに大きく関わります。 個人的にこの親子関連で一番好きなシーンは、生きているはずのマーゴが、死人の部屋に現れたシーン、これはかなり素晴らしい演出だった。この意外性、斬新さは、さすが人気作家の原作だと思った。
そう、このラザルスの最も良いところは、ストーリー上で度々見せる意外性だと思う。 そして、主人公の推理がことごとく外れるのも面白かった。 しかもここぞ!という推理が、結構な的外れぶりでw シリアスで重厚なシーンでの推理は、全部外したのじゃないだろうか?
そして個人的に最高のシーンは、ラザルスとセスとのある会話。 「俺の立場を考えろ!お前が一番怪しいんだよ!」ってとこ。確かに、状況的に誰もがそう思うというシーンなのだけど、セスが関わると、どこかコメディチックになるところが、また良かった。
悪いところ
まず、序盤のヤマというか、1つの節目ともいえる謎が、ダンスパーティーの後、サットンをなぜ送らなかったのか?の件。父と約束までしていたのになぜ?という超シリアスな謎だ。 で、その理由が、ベラとヤレそうだったからw 彼が自分を責めるのは、まあ分からない訳でもないが、これは仕方がないんじゃないかな?誰も彼を責められないと思うよ。 と、それより、この超シリアスな問題に、このアンサーを持ってくるとは。おそらく、原作ではもっと効果的なシーンだったと思うが、ちょっと残念だった。
それと、あの3本足のテーブルみたいなものの真相だけど、遺伝?負の連鎖的なものを断ち切る?・・・ なんじゃそりゃ~ 父とビリーの会話から、てっきりあの世との扉的な何かかと思ったら、そんな意味不明なものかよ・・ これは、かなりガッカリしたところだった。
ハラン・コーベン/ラザルスの感想
良いところでも書いたが、斬新な演出が光っていて、やや地味めだがキャラも悪くなかった。発想も良いと感じた。 でも、なにかイマイチ盛り上がりに欠ける。原作の人気ぶりからすると、もっといけたのではないか? もちろん期待も相当高かったはず。正直、外したかなぁというのが、率直な感想だ。
ただし、演出的には良いところが多いので、もし続きのチャンスが有るなら、なんとか巻き返してほしい。そのポテンシャルは十分すぎるほど持っているはずなので。
ラストシーンについて
感想のついでに、なかなか衝撃的だったラストシーンについても書いておく。
ラストシーンとは、もちろん息子の件だ。 彼があの武器を持っていたという事は、息子はすでに連続殺人犯ということになる。とすると、彼は実の父がラザルスだと、もっと早くから知っていた可能性がある。彼は祖父の患者だった過去があるので、やはり祖父が関係しているのか?さらに祖父の祖先もシリアルキラーだったとか? このドラマに続きがあるなら、その辺がメインストーリーになるのだろう。
*もしラストシーンが夢だったとかいうオチだったらその限りではないが、そんな展開になったら、さすがに興醒めもいいところだ。
ところて、シリアルキラーは遺伝する〜という、いわゆるデクスター理論だけど、これはどうなんだろうね? 正直、そういうケースもあっただろうけど、そうでないことの方が圧倒的に多いはず。もちろんこの説を否定はしないが、隔世遺伝を含めても確率的には微妙な結果になると思う。
とはいえ、マーゴ殺害の真犯人の件はなかなかのストーリー展開だ。ここは斬新とまではいえないが、シーズン2へのつなぎとしては申し分ないと思う。
ただ、その辺を考えてもこのラザルス、シーズン2があってもいいけど、無くてもそれほど残念には思わないかなぁ。
ハラン・コーベン/ラザルスのキャスト紹介
最後に、このドラマのキャスト2名を紹介。一人は主役のラザルスを演じたサム・クラフリン。もう一人は、ラザルスの幼馴染で刑事のセスを演じたデイビット・フィン。
サム・クラフリン/ジョエル・ラザルス
サム・クラフリン演じたジョエル・ラザルス。まあそれほどのインパクトは感じなかったが、別に悪いとか合わないとかは感じなかった。ただ、主役なのに、やや影が薄かったというか・・・
このサム・クラフリン、たぶん初めて見る俳優だと思っていたが、映画ハンガー・ゲームで見ていた。当時は若かったので、見た目はだいぶ変わる。イケメン枠でもあったのでラザルス役よりは、彼に合っていたというか、存在感は出していた思う。
そんなサム・クラフリン、今後の予定は、まず2本のドラマが決定している。1本はおそらく撮影済みで、来年公開予定だ。これは「Vanished」というドラマで、ビックバンセオリーのケイリー・クオコの相手役だ。
デイビット・フィン/セス・マクガヴァン
セス・マクガヴァン刑事を演じたのは、「デイビット・フィン」。彼のことは初めて見るはずだが、主に英国で活躍する俳優(生まれはアイルランド)だ。
個人的に、このドラマのMVPは彼に贈りたい。この暗くてダークなホラー・ミステリーを一人で救ってのけたのだから。
彼も今後に2本の出演が内定している。このドラマを機に、大きく飛躍してほしいと思う。

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