シーズン2の途中までAXNで見ていたルシファーだけど、Netflixでシーズン3までの配信が始まったので、すぐに乗り換え。
これからは海外ドラマでもこういうケースが増えると思う。全話オンデマンドで見られるとなると、動画配信サービスはTV局より圧倒的に有利だよね。
まあアメリカのキー局なんかは、数年前から放送中のドラマなどを自サイトで無料で見られるようなサービスを行っているけど、それでも動画配信サービスと比較すると、量と選択肢の部分で劣ってしまう。
これからはTV局は制作に回り、Netflixやアマゾンがコンテンツ配信を行う時代になるのかな?
ルシファー 打ち切りと一転継続の経緯
シーズン3の感想の前に、ルシファーがシーズン3で打ち切りが決まり、その後Netflixによって拾われ継続が決まったという流れについて少し。
まずルシファーが一時的に打ち切られた経緯だけど、視聴者数から見ることで、ファンでも納得せざるを得ないような危機的な状況が見える思う。
ルシファーはシーズン1開始当初はかなり好評で、特に若い年齢層に高い人気を誇っていた。ところがシーズン2から視聴者離れが一気に進み、実際はシーズン2で打ち切られてもおかしくないほどの落ち込みようだった。
だが話数を増やしてまでシーズン3を継続した理由は、このルシファーというドラマが持つ設定の面白さにあったと思う。
神(父)と対立した堕天使(ルシファー)が人間界に現れ好き放題に生きる。そしてクロエ刑事との出会いから、ルシファーは犯罪コンサルタントとして、人間界でも悪人を裁くことになる・・・
こういう無茶苦茶な設定、無敵でリッチなプレイボーイというのが視聴者を楽しませ、多くの人に大きな将来性を感じさせたのだと思う。
ところがシーズン2からのルシファーには(実際はS1から少し感じたが・・)、悪魔なのに「友情」とか「正義」とか、本当は悪い天使じゃない・・みたいな、変なこだわりに肩身が狭くなっていく気がした。
この辺は本当に残念。これをやると子供じみた感じになって、飽き飽きしてくる人が大勢出ただろうと簡単に推測できる。
視聴者数的にも、シーズン3ではシーズン2よりまた一段下がってしまう。個人的には、そこまで面白くないとは感じなかったが、脱落する人が出ても全然おかしくないとは思っていた。
シーズン3は26話というフルシーズンオーダーと、期待の高さを伺わせていただけに、放送局のFOXもガッカリ感が大きかったのだと思う。
ちなみに数字で言うなら、「アベレージで500万人を切ったら打ち切り」という明確なラインがFOXにはあったのかもしれない。
そんな状況でも、Netflixがかなり早い段階で拾った理由は、やはりこの設定の面白さにあるとお思う。最初のワクワク感を感じた人が、Netflix内にも多くいたのだろう。
ただし、ルシファー継続発表の頃のNetflix公式アナウンスでは、「シーズン4(10話構成)で、シーリーズの終幕を描く」と語っていた。
このあたりはどうなるのか?別のコメントも読んだので、ある意味シーズン4の出来次第となるのかもしれない。
ルシファー シーズン3の見どころと感想
ではシーズン3の感想に行くけど、まずはシーズン3の見どころについて。
まずなんといっても大きな変更は、新キャストの「トム・ウェリング」だろう。
トム・ウェリングといえば、「ヤング・スーパーマン/スモールビル」でクラーク・ケントを演じた事で有名だ。
10年も主役を張ったトム・ウェリングが、ヤング・スーパーマン以来、たぶん初めてレギュラーで出演するのがルシファーシーズン3だった。
彼に関しては感想も一緒に書くと、まず出だしは凄く良かったと思う。何者なのか?何かウラがあるような気がするが、全くスキを見せない男。自分にも他人にも非常に厳しく、仕事に真面目で、肉体派の警部補。
まあ、今のトム・ウェリングにはピッタリのキャラクターだった。いや、途中までも良かった。具体的には、トム・ウェリング演じる「マーカス・ピアース」の過去の話、数十年前の殺人事件の捜査のストーリ-なんかは最高に面白かった。
これは S3のE18。ピアースは過去に間違いを犯したが、今は刑事として長期に渡って社会に貢献していた。まあピアースの過去は長時間すぎるので、どの程度の期間が真人間だったのか?はわからないが、ピアースの本来の設定は、他人に厳しいが、己にも厳しく、仕事熱心な堅物、だった。
この設定は良かったし、途中までとてもうまく行っていた。ところがシーズンの最終局面でのシナリオ大崩壊・・・せっかく積み上げてきたピアースの人物像を、結局は完璧に叩き壊してしまった。
まあこれは番組が打ち切り濃厚となり、大逆転を狙ったのが理由なんだろうけど、あまりにも短絡的でお粗末なストーリーだった。
個人的には、これがルシファーシーズン3の主な感想だ。途中までは面白かったが、最後に全てを壊して最初に戻ってしまった。ただし、ルシファーが悪魔だとクロエが認識したことを除いて。
その他、目立ったポイント
その他では、ダンの存在感が目立ったと思う。
ダンは最初からただの脇役というのではなく、いずれはルシファーとうまくやるのかも?と思わせるフシがあった。そのへんの設定が、ようやく芽が出てきたのが、このシーズン3だったと思う。
ただそんなダンに関しても、うまくいき始めたシャーロットを殺してしまったのは失敗だろう。これもドラマの人気低下からの降板なのだろうけど、何も殺すことはなかった。シャーロットの場合は、直近の過去がアレなので、普通に環境を変えるとかで良かったと思う。
そうすれば再登場も、いや女神の再登場すらあったのに。
そういえば、シャーロットを天国に連れて行ったアメナディエルもそれっきりになっている。これは本来はアメナディエル役のDB・ウッドサイドも降板だったのだろう。奇跡的にシーズン4更新になったので今はどうなるかわからないが、本来はあれで終わりだったのだと思う。
感想のまとめ
と、ネガティブなことばかり書いてきたが、このシーズンも本質的には面白かった。
ピアース、シャーロットの終わり方が、許せないほどダメだっただけで、その他は悪くなかったと思う。
トム・エリスの演じるルシファーも相変わらず良かったし、ダンやシャーロットも良かった。
反対にここは良くないなあと感じたのは、ルシファー(悪魔が主人公)の設定なのに、やたらと善悪の区別をはっきりつけようとすること。しかもことごとくルシファーが善の側になること。
これでは面白さを求める層がついてこないよ。若い世代にはまず受け入れられないだろうと思う。それに友情とか、なによりも悪魔に似合わないところを全面に出しすぎ。そんな演出には、今どき誰も共感しないと思う。
シーズン4への期待
最後にルシファーシーズン4への期待を。
まず、出来れば明確な終章という作り方にはしないでほしい。
シーズン3はイマイチな面が目立ったが、ルシファーというドラマが持つ本来のポテンシャルはとても高い。まだまだ続けてほしいと思う。
またストーリー的には、神との対立をメインにするより、悪魔が人間世界で犯罪捜査をするという設定をメインにしてほしいと思う。
それとシーズン3終盤で、ルシファーの悪魔の顔を見たクロエのその後が描かれていないので、ここに期待したい。
クロエが、ルシファーが本当に悪魔だったと認識するのか?それとも適当な理由でお茶を濁すのか?でも変わってくるが、10話もあるのだから、本当に悪魔という路線で進んでほしい。
ただあまりに受け入れすぎると、天界やら地獄からの出入りが激しくなるのは、ちょっと嫌な感じがする。本来の設定に戻り、その上でクロエがどうするのか?が見たい。
あまり大きな展開をさせるより、ルシファーのキャラの面白さで勝負してほしいと思う。
ルシファーシーズン4は、2019年春、Netflixで配信予定。
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