海外ドラマ「スキャンダル 託された秘密 S2 E13 / 愛が壊れるとき」
このスキャンダル、前回感想を書いたのが面白かった10話。
そして今回が13話なんだけど、今回も10話と同じくらい見応えがあった。
今回特に良かったのが、各キャラクターの設定に変化があったところ。
いままでずっと弱腰で、オリヴィアのケツばかり追い回していた
ヘナチョコ大統領に少し気合が入った。
今はあまりいい意味ではないかもだけど、今後のこの役には、
こういう変化は必要だと思う。 今までは世界最大の権力を持つ男になんて、
全く見えないシーンばかりだったからね。
そのグラント大統領は、自分が不正選挙によって当選したことを知り、
その影に、首席補佐官のサイラス、選挙参謀のオリヴィア、現最高裁判事の
ソーントン、そして有力企業家でロビイストのホリス・ドイルがいることを
知った(ホリスは微妙か?)。
アメリカのリーダーが、自分が不正によって大統領になったなんて
知らされたら、それはキツイだろう。 このシーンをここでもってきて、
さらにここから克服させようという脚本は凄い。
克服できるのかは別として、製作者がこういう筋書きを描いていたとは、
正直驚いたし素直に凄いと思った。
このスキャンダルは、タイトル通り男女関係がメインなんだけど、
この部分では視聴者に嫌悪感を抱かせるような演出をわざとするのも
恒例になってきた。
今回で言えば、アビーとデヴィッド・ローゼンね。
いままでヒケヒケの大統領と偽善者オリヴィアが大嫌いだったけど、
今回見て大統領は見直した。
でも相変わらずの偽善者な上に、部下に真剣に好きな相手を裏切らせるという
冷血ぶりも見せた主人公オリヴィア。
ある意味、ダメージのパティ・ヒューズ的でもあるけど、
パティは少なくとも偽善者ではなかった。
もちろん罪は隠してたけど、パティは自分が善人とは考えていなかった。
でもこのオリヴィアはこの期に及んでも善人ぶってるし、
正義がどうのこうのと言っている。
こういう主人公が嫌われるように誘導する海外ドラマは初めてだ。
今回のアビーとローゼンの件も、視聴者はみんな怒ったと思う。
オリヴィアには当然、アビーにもね。
そしてこのスキャンダルの評価をわかりにくくしている、
素直に面白いと言えない一番の理由は、主人公のオリヴィアに
そこまでのカリスマ性を見いだせないことだと思う。
確かに部下は彼女に助けられている。
刑務所で20年の刑期をチャラにしてもらえば一時的に服従はするだろう。
でも今回のアビーはやり過ぎ。
それにクィンもね、殺された彼氏はドイルを脅していたことが
分かったりで、そこまで同情できないけど、クインはそんな事は
知らない。 同僚と恋人を爆殺され、罪をなすりつけられそうになった
過去があり、その事件にオリヴィアが加担しているのも知っていて
服従しているクイン・・・ 正直言って、そんな恥ずかしい生き方
している人物に何の興味もわかない。
でもこういうのは全部演出なんだろうね。
このスキャンダルは計算しつくされてるのかもしれない。
それから面白かったのは、シリアスな中に毎度入るコメディっぽい
演出。 今回は2つのシーンが気に入った。
1つはサイラスVSジェームズのゲイ夫婦の対決。
あれに近いのを何かの海外ドラマで見た記憶があるんだけど、
こっちのほうが笑えたし、真剣になれたし、完成度も高かった。
その後も考えると、最高のシーンだったと思う。
そしてもう一つは、最初の方のメリー。
大統領に離婚を切り出されたファーストレディのメリーは、
もし大統領が離婚を強行するなら、彼を政治的に葬り、無一文にして
子供も取り上げ、墓の上で踊ってやると(笑)。
さらに大統領選に立候補するって。
このドラマでは、ずっとファーストレディの有能ぶりが描かれて
来ているので次期大統領選に出れば・・という演出も多かった。
そこにこの話、しかも変なふうに解決するというオマケ付き。
こういう男女関係の話だけは、このドラマはダントツだと思う。
それにしても、踊ってやる!とは思わなかったな(笑)。
そういえば現大統領、メリー、オリヴィアの元カレの上院議員
エディソンの3者は、クリントン、ヒラリー、オバマの関係に
なるのかな? 時代が同時ならそんなイメージなんだろうね。
とりあえず、今後は夫婦間が円満になるかも?の大統領。
いずれ離婚するんだろうけど、しばらくは仮面夫婦を続けるのか?
それとも本当にグラント大統領は改心したのか?
新しい敵も出てくるそうだけど、だんだん面白くなっていくね。

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