スーツ S3 E15 / 引き際

スーツ シーズン3スーツ

 

海外ドラマ「スーツ S3 E15 / 引き際」

 

あまりリアリティーはなく、カッコ良さと、軽いノリが特徴のスーツ。

でもこのスーツの中心には、「主役のマイクは偽弁護士」という、ヘビー級のテーマがある。

今回はここに焦点を当てたエピソード。

 

マイクは弁護士免許がなく、ハーバード卒でもなく、ウソにウソを重ねている人物。

 

そしてハーヴィーは、それを知っていて彼を雇い、個別の案件でも違法な手段を

何度も取ってきている。

 

このスーツは、いままでに何度も正義を振りかざしてきたけど、実はメインキャラの全員が

何度も違法な手段に手を染めている。

 

極めつけは事務所の代表、ジェシカ・ピアソンで、この人は自分が入社した事務所を、

ありとあらゆる謀略を駆使して乗っ取った。

そしてこれにハーヴィーもルイスも加担している。

これも、もちろん違法な手段。

 

と言う事でスーツという海外ドラマは、正義が勝つのではなく、「勝者が正義」という、

欧米的な考え方が根本にある。

これって日本人の感覚からすると、だいぶズレている感じがするよね。

でも欧米的というか、世界で見ると日本人の感覚がズレているといった方が正しい。

 

まあ、アメリカの弁護士(法廷)といえば、勝ったものが正しいというのは当然だよね。

日本も陪審員裁判になったとはいえ、この考え方とは大きく違う。

なのでスーツは日本人にとって、世界標準の考え方に合わせてくれる良いドラマだと思う。

 

今回もまさにそんな感じ。

まずマイクのことを考えると・・・

マイクは偽弁護士なのに、NYの大手事務所でスター弁護士のヘルプを務めている。

これだけでもメチャメチャ目立つので、いつかは逮捕・投獄されるのが目に見えている。

 

そこに今回、設立したばかりの投資銀行から、最上級のオファーが来る。

アメリカの投資銀行とは、この場合いわゆるヘッジファンドなので、お堅い銀行員じやなく、

かなりリスクをとる投資マネージャーみたいな立場だ。

自分で投資対象を見つけて、自分の裁量で投資し儲けを出すことが仕事だ。

 

なので成功すれば、弁護士では稼げないような、莫大な報酬を得ることができる

ウォール街のスター職業だ。

そんなオファーが、偽弁護士のマイクのところに来た。

 

いつか逮捕され、全てを失い投獄されることを恐れているマイクからすれば、

考えたこともないチャンスが舞い込んできたことになる。

マイクの彼女のレイチェルも、当然この話に大賛成だ。

 

レイチェルの父は大手弁護士事務所の経営者で、大物弁護士。

裕福な家庭に育ったレイチェルは、もしマイクの詐欺がバレて投獄されれば、

マイクとは別れるだろうし、結婚しているなら100%離婚するだろう。

子供がいれば、親権はレイチェルが100%奪うだろうね。

 

でもアメリカ人は、そんなレイチェル的な考え方を絶対に否定はしないよね。

これを当然だと考える。

なのでマイクもレイチェルの気持ちを完璧に理解している。

 

それでもハーヴィーとドナは、マイクに事務所に残ってほしいと思う。

今回取ったハーヴィーの態度は大人だったし、男として、上司として問題なかった。

本心は別としても、彼は正しい対応をしたと思う。

 

でもドナは思いっきりマイクを責めていた。

これは日本人からすると、理解に苦しむところだよね。

だって、ドナが引き止め、仮にマイクが残る決断をしたとする。

そして次の日に警察がマイクを逮捕し、懲役8年を求刑したとする。

そしてそのまま、マイクが8年の実刑を受けたとしても、ドナは「残念だった」の

一言で終わらすだろう。

 

これって、欧米人の心の底には、「決断したのは自分」というのがあるから。

どんなにまずい忠告をしようが、決断した本人が悪いと、いつも通りの生活を

彼らは送れるんだよね。

これは日本人にはなかなか出来ない考え方だ。

 

ジェシカもどんな理由があろうが、先輩が自分で投資し、作り上げ、軌道に乗せた

事務所を、騙して乗っ取った上に、今回はその配当すら奪い取った。

これも、「勝者が正しい」だよね。

 

今回のヴァンダイクも、前のハードマンも家族がいる。

そして彼らはジェシカによって収入を奪われた。

最後に人種に対してどうこうという話が、とってつけたように出てきたけど、

それも演出を少し薄めただけに過ぎない。

 

「スーツはオシャレなドラマだから、そういうシリアスな話はしていない」と思うのは

少し違うよね。

 

それは今回ハーヴィーと戦ったクエリング弁護士を見ればわかる。

彼は以前のガン裁判(タバコ)で、被告のために勝負をして敗れた。

普通なら、賞賛されてもいいい行動なのに、ハーヴィーもマイクも「そんな決断をした

アンタが悪い」の一言で終わり。

 

それって裏を返せば、「ガンで苦しむ被告より、自分の利益を考えるべき」と、

主役が堂々と言っている事なんだよね。

これ、日本のドラマではあり得ないストーリーだ。

 

でもどうなんだろうなぁ?

これってアメリカ人でも、あまりいい気分はしないと思うんだよね。

自分の仲間だけが利益を得ればいいみたいな話って、差別とかと同じような

考えだと思う。

 

シーズン1や2ではそんなことはなくて、もっと軽いテーマで面白くて

華があるイメージだったけどなぁ。

ハードマンの件から、何かおかしくなったと思う。

 

今回に関していえば、ストーリーは面白かったし、見ていて面白いと思う部分は

多かった。 結末は予想通りで面白味のないものだったけど、彼が悩み、

レイチェルが推すのも共感できた。

 

問題は、その「共感」だよね。

人気ドラマというのは、必ず「共感」というのがキーワードになる。

誰もがドラマに自分の人生を重ねているからだと思う。

 

そう考えると、このスーツのシーズン3からの展開は、どうも逆行しているように思う。

特に法廷ものだから、ある程度のリアリティは必ず必要というセオリーにも逆行している。

今後がちょっと心配だわ。

 

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