グッドファイト S2の感想

グッドファイト
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前シーズンの感想はこちら=グッドファイトシーズン1

最初にこのシーズン全体の感想から。
まずマイアの父が起こした金融詐欺事件が終わるまでのグッドファイトは、最高にスリリングで面白かった。これはグッド・ワイフが最高に面白かったS1、2の頃と比較しても、全く引けをとらないほどの内容だ。

だがその後がイマイチなんだよなあ・・ これは海外ドラマではよくあるパターンで、このブログでは何度も書いているが、シリーズの最初からある大きなテーマが解決した後の海外ドラマは、その後かなりの確率で下降線を辿ることになる・・というもの。

シーズン2を全て見て、どうもグッドファイトはこの法則から逃れられていないと感じた。  でも一つ付け加えるなら、グッド・ワイフもグッドファイトも、このドラマを見て面白くないと思う人はいるのだろうか?とも思う。 これがシーズン2まで全部見終わった時の、自分の正直な感想だ。

リンデル事件とマイアの関連は?彼女の真実

マイアは、父(父の経営する投資ファンド)の犯罪を知っていたが、それを見て見ぬふりをして心の中に閉じ込めていた。 個人的には、このパートの描写がとてもリアリティがあって気に入っている。

このグッドファイトでは、最初からマイアは控えめで正直な努力家というキャラクター設定だった。 確かにマイアは誠実な人間だ。だが彼女は早い段階から父の投資ファンドに疑問を持っていたし、不正を行っていた事に薄々勘付いていた。でも彼女はそれを見て見ぬふりをした。*学生時代に自分の親が犯罪を犯している可能性があっても、どうにか出来る人は殆どいないとも思うが・・

そしてマイアは成人し社会人となり、父の犯罪をハッキリと確信した後でも、自分の無罪を勝ち取るために全力を尽くした。これは日本のドラマならあり得ない展開だと思う。彼女は両親の犯罪を知っていて、それを見て見ぬふりをして超リッチで豊かな生活を送っていたのだから。これは日本人でなくても、本来は罵声を浴びるような事案だ。

ただマイア自身が犯罪に手を染めたわけじゃない。ここを自分に置き換えるのは難しいけど、やはり親の罪が子供に及ぶというのはバカげた制度だ。まあ、それを知ってリッチな生活をしていたというのは考えものではあるけど・・

それより、この件で分かるアメリカの司法制度の成熟ぶりは凄いと思う。日本では「アメリカの裁判社会は良くない!」という論調が多いが、こういうのを見ていると、いやこれは公正でなかったとしても公平なんじゃないか?と最近感じる。社会的には、ある意味完全悪とも言えるマイアが必死に無罪を勝ち取ろうとし、結果無罪になる。

この件は、有罪とも無罪とも言える側面がある。そこを陪審員裁判でケリをつけようというのは、裁判官などの個人が独断で裁くよりもはるかに公平だと思う。

マイアの父、ヘンリー・リンデル

マイアの父で、このリンデル事件の主犯「ヘンリー・リンデル」も、このグッドファイトを大いに盛り上げたと思う。ヘンリーを演じているのは、「ポール・ギルフォイル」。

彼はCSIベガスのブラス警部役が有名だけど、このヘンリー・リンデルは鬼警部だったブラスとはまるで反対のキャラだ。ヘンリーは空気を吸うように嘘をつく、典型的な詐欺師タイプの犯罪者。ブラス警部なら喜んでムショに30年はブチ込んでやろうとするだろう(笑)。ある意味ヘンリーは社会病質者だと思うが、スケールの大小を問わなければ、こういう人間は結構いる。なので変な言い方だけど、彼にはある種の親近感を感じる(笑)。

というのも、ヘンリー・リンデルのようなタイプは、薄く付き合う上では良い人だと言えるし、社交的で話は面白く、信義に厚く仲間想いに見える。こういうところが社会病質者・詐欺師の危険なところなのだけど、ここまでの犯罪を犯していない小物なら、誰の周りにも数多くいると思う。

そしてこういうタイプは、何をおいても保身に走りやすい特徴をもっている。ヘンリーは娘(マイア)の罪を認める証言をすれば、大幅に減刑するとFBIに持ちかけられる。もしヘンリーが証言すれば、マイアは弁護士資格を剥奪され、懲役5年の実刑。マイアのようなまともな女性が懲役5年は相当キツイ。

娘をこの上なく愛しているという感じだったヘンリー、そして5年の刑期がマイアには耐え難いと十分に承知しているのに、彼は逃げ出してしまう。結局、この事でマイアは父を完全に見限り、彼を逮捕するのにFBIに協力し司法取引をする。

この一連の脚本は、本当に起こり得るストーリー展開だったので、とても面白かった。この時に感じた「早く次が見たい!」という感覚こそ、本当に面白い海外ドラマだけに感じられる最高の瞬間だと思う。

主役のダイアンに関して

シーズン2でも、ダイアンは最初から最後までキレがあった。初回のリズの引き抜きを思いつく所、彼女を口説き落とす所、この辺はグッド・ワイフから続く伝統的な面白さだと思う。このグッド・ワイフシリーズは、アメリカンなビジネスを描かせると最高のシーンを作り出すね。

個人的には、ダイアンとウィルのビジネス会話が一番好きだった。この2人は当然裏表があり、自分の都合で優先権を主張し合うのだけど、どこかに超えてはいけないラインがある。そんな決して崩れないギリギリの信頼関係が2人にはあった。こういう関係が、今後ダイアンとボーズマンにも芽生えていくだろう。

そういえばカートの浮気疑惑。グッド・ワイフ最終回の感想(こちら=グッド・ワイフ最終回)で、たぶんカートはシロだろうと書いたが、この予想は大外れだった(笑) カートもヤッていたか・・ ダイアンとカートの恋愛は、うまくいってこそと思っていたので、この展開は「うーん・・」という感じ。できれば早急に関係修復して欲しいところだ

ルッカはカッコいいし、コリンも良いが・・

個々で見ると、ルッカとコリンは良いと思う。 ルッカとコリンはルックスもいいし、仕事ができるカッコいい大人の2人だ。

でもルッカの妊娠辺りから、なにかあまりカッコよさを感じなくなってしまった。まあルッカもコリンも変人だから、それなりに面白さはあった。でも以前ほどのワクワクするような感覚は無かったなあ。ここはなんとしても、面白かった頃を取り戻して欲しい。でもそうすると、別れるとかになるのか??

サブキャラで一番良かったのはスターキー捜査官

シーズン2のサブキャラで一番良かったのは、文句無しでスターキー捜査官だと思う。スターキーは感じ良くマイアに近づき、彼女の味方のように接していながら、実は父親の犯罪に加担したと自白させようとする。当然マイアは断るが、するとスターキーは豹変しマイアに長期刑もあり得ると脅し始める。

このスターキーが最高にいい味を出している。グッド・ワイフから数えても、スターキーは最高の悪役だと思う。有能さ、しつこさ、いやらしさ、全て完璧。だが、マイアとルッカも非常に優秀。この対決は見応えあった。

スターキー捜査官を演じるのはGleeのスー先生で有名な「ジェーン・リンチ」。いや~、この人はさすがだわ。粘着質で用意周到な嫌われ役捜査官を完璧に演じてみせた。こういうタイプに狙われると本当に面倒だ・・って心底思ったし。

ジェーン・リンチのハマり役はスー先生だと思っていたけど、このグッドファイトの役も完全マッチだった。シリーズが続けばたぶんあるであろう、またの登場に期待したい。

反トランプに理解は出来るが・・

このグッドファイトでは、あからさまな反トランプ演出が多発されるが、これは正直やりすぎという気がする。 グッド・ワイフ、グッドファイトらしく、硬派で辛辣な反トランプ演出が入るなら理解できるが、茶化すような演出は程々にしてもらいたい。

このシリーズが変にチャラチャラしたことを始めると、ネタ切れに見えてしまう。個々のキャラが政治色を出すのはいいけど、ドラマ全体がそうなると醒めてしまう。とくにトランプのシモネタとか全く面白くない。最近はトランプ大統領の勢いが弱まっていることから、シーズン3ではさらに反トランプ演出が多発しそうな気がするが、そうはならないように願いたい。

またシーズン2んも中盤からダレたように感じられたので、なんとか盛り返して欲しい。グッドファイトはグッド・ワイフ同様、なによりも脚本が面白いという本線からは外れないようにこれからも続けて欲しい。ここを外すようだと、シーズン3で終了なんてことになりかねないと思う。

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