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【海外ドラマ】Top Boy(トップボーイ)の感想 最終話・サリーを射殺したのは誰?

topboy 最終回感想 Top Boy/トップボーイ

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今回はイギリスのギャングシーンを描いたドラマ、「Top Boy(トップボーイ)」の感想です。

トップボーイはかなり面白いギャングドラマで、コレ系のドラマが好きな人には確実に刺さるし、犯罪・サスペンスドラマとしても間違いなくおすすめできるレベルにある良作だ。ギャング系ドラマにありがちな変に盛り過ぎるところは全くなく、淡々とストーリーが進んでいく独特の描写で、ロンドンのストリートシーンをうまく表現している。

トップボーイの初回放送は2011年、まず英TV局で2シーズン(Netflixではトップボーイ サマーハウスとして現在配信中)、その後にNetflixで3シーズン制作・配信され、2023年9月に完結している。

 
 
 
 
 
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このドラマ、雰囲気的には「ザ・シールド ルール無用の警察バッジ(原題 The Shield)」 に似ていて(ザ・シールドはアメリカ LAが舞台)、ザ・シールドと同じく、悪党の本性がリアルに描かれているところがとにかく良い。

トップボーイはリアルなギャングものだが、最終回まで見ても後味は悪くない(ザ・シールドは史上最悪!)。 またストーリーがテンポよく軽快に進むので、残酷なシーンが多くてもそこまで重さが残らない。 実際はかなり重いテーマの連続なのだが、ギャングの末路というのが見えているので(ところどころで、この伏線が張られている)、このテンポの良さ、どことなく醒めたような軽さは、たぶんそこから来ているものだと思う。 ということで、早速感想に行ってみよう! まずは「簡単なあらすじ」から。

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トップボーイ ファイナルシーズン(S3)の簡単なあらすじ

シーズン2のラストでステフ(ジェイミーの弟)の目の前でジェイミーを射殺したサリー。その足でダシェンのところに向かい、これからは自分がサマーハウスを仕切ると宣言、ダシェンを納得させる。

ついにサマーハウスのTop Boyに上り詰めたサリーだが、トップの代替わりを知ったアイルランドギャングに仕入先のモロッコ人を殺され、いきなりドラッグ(フード)の供給源を絶たれてしまう。大きな力を持つアイルランドギャングは、サリーに対し自分のところからフードを仕入れることを強制する。

アイルランドギャングのやり口、フードの値段、態度に腹を立てているサリーは、密かにアイルランドギャングのボスを始末する隙を狙う。その頃ダシェンは、サマーハウスの再開発のために投資していた大金を銀行(闇銀行)から引き上げようとしていた。ダシェンは恋人のビジネスであるネイルサロンに大きな投資をすることに決め、その資金として預けていた金の一部を下ろそうとしていたのだ。 ところが、その大金をまるまる持ち逃げされてしまう。犯人は以前のビジネスパートナー(ドラッグ)でもあるリジーと窓口担当の老婆。全財産を奪われたことに激怒するダシェンは、金を預けるきっかけとなったリジーの旦那を、勢いで殴り殺してしまう。

同時期に、姉をドラッグの過剰摂取で失ったジャックは、もうドラッグディーラーの仕事を続けられないと感じていた。ドラッグの存在が人を滅ぼしていると感じたジャックは、衝動的にサリーのドラッグを奪ってしまう。ジャックは金のためではなく、ドラッグの蔓延を止めたい衝動にかられての行動だったが、冷酷なサリーにそんな御託は通じない。この事がダシェンの耳にも入り、彼も激怒するが、実はダシェンにはそれどころではない問題が迫っていた。

リジーの旦那殺人事件の捜査で、ダシェンの指紋やDNAが発見されていたのだ。これによりダシェンに指名手配がかかる。ここまで証拠があがっていると、有罪・長期刑は確実。警察に追われるダシェンは、すぐに海外逃亡を企てる。 だが金をかすめ取られた件で、今のダシェンには手持ちがない。そこでサリーのフードを返す約束となっていたジャックを襲い、フードを強奪。その事を知ったサリーはダシェンを追う。

サマーハウスのTop Boyに上り詰めたダシェンとサリーは、市民暴動で荒れるサマーハウスで生残りを賭けた銃撃戦に挑むことになる・・

トップボーイの設定・キャラ・キャスト

この最終シーズンは、とにかくよく出来ていた。このドラマがトップボーイS1(Netflix表記だとトップボーイ サマーハウスのS1)から一貫して主張してきた、「ギャングは常に奪う立場にいなければ生き残れない」というテーマの集大成だったと思う。そしてこの「一貫している」という点が、このドラマを素晴らしい作品にしていると思う。ドラマなので襲撃シーンはやや派手に、また頻繁に描かれているが、それ以外、特にギャングの本質という面はリアルに基づいて設定されている。

このトップボーイのリアリティについて個人的な感想を言うと、今回のNetflix制作のトップボーイ(本編のS1~3)より、英TV局で制作されたトップボーイ(トップボーイ サマーハウスS1・2)のほうがよりリアリティがあると感じている。その理由はいくつかあるが、演出や脚本面より、特にビジュアル面でそれが強く出ていたと思う。サマーハウスの頃の彼らのファッションは、まさに貧困層のギャングそのもの。ところがNetflix制作のトップボーイでは、貧困層のギャングが高価な最新のストリートファッションを着ている。まあアメリカを始めとする全世界への配信用なので、そうしたい理由は理解できるが、末端のギャングや最低賃金以下で働く母子家庭がそこそこのマンションに住んでいるというのは、正直なところ「あれ??」と感じた。なのでよりリアルな雰囲気を味わいたいのなら、サマーハウスを基準に考えたほうが良いと思う。

主役の2人(ダシェンとサリー)は共に冷酷で躊躇なく敵を殺す悪党だが、かなり異なるタイプに設定されている。

ダシェン ダシェン・ヒル

ダシェンは幼少期から母親に愛され、ある時期までは兄弟(兄)とも仲がよく、貧しいながらも愛のある家庭で育った。なので仲間たちを思う気持ちがあり、サマーハウスのギャングメンバーを、ある意味家族として見ているフシがあった。そしてもともと冷酷なタイプではなく、そこまでの悪人ではない。

 
 
 
 
 
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ただし幼少期の貧しさから、上昇志向が人一倍強く、贅沢な暮らしを好む傾向にある。そして、その上昇志向(成功欲)が彼の優先順位のNo.1で、その為(Top Boyになる為、維持の為)に冷酷な殺しや誘拐を正当化してきた。

ギャング界のトップに君臨することを夢見て、その全てを実現させたダシェンだが、最後はすべてを失い、生まれた街「サマーハウス」の片隅で、たった一人で死んでいった。

アシュリー・ウォルターズ

 
 
 
 
 
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ダシェンを演じたのはアシュリー・ウォルターズ。アシュリー・ウォルターズは、元はラッパーとして芸能界入りし、今では俳優として成功している。

ラッパー時代は「ソー・ソリッド・クルー」というユニットの一員として活躍。活動時期は2001~2004年辺りがメインのようだ。 自分の場合ラップ系全般にあまり詳しくないので細かい解説はできないが、何曲か聞いてみた感じでは、トップボーイで演じたダシェンのイメージとは少し違う感じで、もう少しポップなイメージで売っていたように見える。個人的には彼の声がすごく好きなのだけど、ラップをしている声はそんなに好きではないかな? 普通に話している声、セリフを喋っている声はカッコいいのに、なんで?と感じた。

それより、今のアシュリー・ウォルターズは俳優としてかなりの活躍をしているので、今後も彼の演技を見る機会はあると思う。彼の演技力は文句なしに高いし、ギャングではなく色々なキャラを演じられる幅広さもあると思う。ぜひ、違うドラマ・映画で見てみたいと思う。

サリー ジェラルド・サリバン

一方のサリーは孤児のような幼少期を過ごし家族には恵まれなかった。 必然的にサリーは自分のごく身近な存在(娘、マイク、ジェイソン等)にだけ心を許し、それを家族に見立てている感じになった。

 
 
 
 
 
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サリーにとって、その家族こそが絶対で守るべき存在、それ以外の人間は「奪われるもの・奪う対象」としか見ていない。同じギャングメンバーでも、ごく一部の者以外は、何かあれば(疑いだけで)すぐに消すような行動を取る。 最終話での彼のセリフに、「もう罪悪感を感じることがない(人殺しをしても)」というのがあったが、彼はもともとそういう要素を持っていた。その上で、マイクやジェイソンといった、本当に心を許せた者(特にジェイソン)を理不尽に殺されてきている。 「オレは喰われる立場(フード)にはならない」と言ったサリーだが、最後は奪われる者として、娘だけを残して死んでいった。

そんなサリーだが、徹底的に冷酷か?というとそうでもなく、ギャングに関わらない者に対して攻撃することはほとんどなく(例外が1度)、そういった環境(カタギの生活)に適応することもできる人間でもあった。またモンスターになる過程で、彼なりに多くの葛藤があり、それを乗り越えるために怪物への道を歩まざるを得なかったと語ったことがあった。

そして、このタイプ、実は多くの悪党にあてはまる悪人によくいるタイプと言える。例えば、他のキャラで言うなら、ジャック、ジェイミーといった主要キャラもそうだし、サリーやダシェンが殺してきた敵達もほとんどがこのタイプに当てはまるはずだ。そう考えると、実はダシェンの方が悪党では非主流派になる。

そんな感じで、同じ悪党で似ているようなダシェンとサリーだが、実際は大きく違う。 だが共通しているのは、最終的に2人は血も涙もない殺人鬼(モンスター)になっていたということだ。そして、これは何もTop Boyの2人だけに言える事ではなく、死んだジェイミーも生き残ったジャックも大差はない。

ケイン・ロビンソン

 
 
 
 
 
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サリーを演じたのは、やはりラッパーとして名を馳せたケイン・ロビンソン、通称ケイノーだ。ケイン・ロビンソンはアシュリー・ウォルターズとは違い、今も音楽を中心として活動しているようだ。ただし今年(2023年)にドラマで主演を演じるプランが進行中とのこと。

ラッパーとしては、個人的にはアシュリー・ウォルターズよりケイン・ロビンソンの方が好みだ。こちらも何曲か聞いてみたけど、2003年周辺の曲でもそれほど古く感じない。明らかに以前のスタイルと感じさせるソー・ソリッド・クルーの音楽とは、かなり違う感じがした。

自分の場合は、そこまでラップ好きでもないので、ケイン・ロビンソンの今後の音楽キャリアについては語れないが、俳優としてはぜひ見てみたいと思う。というのも、個人的にトップボーイで一番好きなキャラがサリーだったからだ。ケイン・ロビンソンの演じたサリーは、他のキャラ(役者)とは違い、最初から最後まで、あのサリーのキャラそのものだった。

例えばダシェンは、最初彼がどういう人間か判断がつかず、だんだん分かっていったという経緯がある。そしてダシェンは回を重ねるごとに、少しずつ変化していったキャラクターだ。 もちろんこれが普通なのだが、サリーは最初から最後まで、ほとんどキャラが変わっていない。今思えば、初回登場時から完成されていたようにすら感じる。もしかすると、ケイン・ロビンソンはサリーに近い人物なのかもしれない。そういえば、このトップボーイの主要キャストで最もギャング的な雰囲気を醸し出していたのが、このケイン・ロビンソンだった。そんな理由もあって、このドラマで一番のお気に入りキャラは、このケイン・ロビンソン演じるサリーだ。

ジェイミー ジェイミー・トヴェル 

 
 
 
 
 
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ジェイミーはトップボーイ シーズン2の最終話で死んでいるので、当然S3には出ていない。だが弟のステフがこのファイナルシーズンで重要なポジションを演じていたので、その影響力は確実にあった。

そのジェイミーだが、彼もサリーと同じく家族絶対主義だ。 これもサリー同様、家族(兄弟)をとても良く面倒を見る善人といえる部分を持っている。 ところがシマのトップになるために、トルコ人のドラッグディーラーや敵対するギャングを躊躇なく殺している。終いには親友のキットまで始末している。彼も家庭では良い人間だが、一歩ストリートに出ればただの人殺しのギャングだ。

ジェイミーは若く、ルックスも良いので応援したくなるファンは多かっただろうと思う。だが、やはり彼もモンスターだ。最終的に自身はああいう終わり方をし、真面目に育てたかった兄弟、末っ子のステフもおそらくギャングの道を進みそうだ。もしそうなると、末路は兄と大差ないだろう。 ただしステフの兄、次男のアーロンはジェイミーの願ったように生きていきそうだ。これからステフがアーロンを見て育てば、ジェイミーの苦労が報われたと言えそうだが、これが現実ならおそらくそうは転ばないだろう。ジェイミーの稼ぎがなければ、ステフはただのフィールズの貧困層だ。英国も貧富の差という大きな問題を抱えている。

マイケル・ウォード

 
 
 
 
 
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ジェイミーを演じたマイケル・ウォードは主演の2人とは違い生粋の役者だ。マイケル・ウォードはまだ若く、2023年で25歳。まだまだこれからの俳優だ。とはいえ、この若さですでに俳優として受賞歴もあり、将来を期待されている有望株と言える存在だ。最近はドラマから映画に活躍の場を移しつつあり、さらに大物へのキャリアップを狙っているようだ。

またマイケル・ウォードは、トップボーイの他の役者とは違い、英国生まれではなく、ジャマイカ生まれだそうだ。子供の頃の移住なので、純粋な移住者という感じではないのかもしれないが、それでもトップボーイでの演技にはそのバックボーンが生かされているはずだ。

彼の場合、すでに十分に実力を証明しているので、これからどこまで行けるか?を見ていきたいと思う。

ジャック ジャクリーン・ローレンス

 
 
 
 
 
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そしてこのトップボーイのキャラで、一人だけ設定チェンジを見せた異質の存在がジャックだ。ジャックといえば、サマーハウスギャングに最も忠誠を尽くしているようなメンバーだったが、最後の最後でなんと良心に目醒めるというミラクルを起こした。しかも生き残ったという、特大のおまけ付きだ。

先程も書いたが、このトップボーイというドラマには「立ちはだかる敵を実力で排除しないと、喰われる側になってしまう」という鉄の掟があるが、最終回でこの掟が破られた。*もしかすると、この掟は破られていない可能性がある。その話は最後で。

前シーズンまでのジャックなら、良心に目覚めるなんて誰も考えないだろう。そんな脚本になったら、それこそ多くの視聴者を失う・・・ ジャックというキャラは、ファンから見ればそんな存在だ。ところがあの展開。う~ん、特に違和感は感じなかったし、それどころかある種のリアリティすら感じた。

これは個人的な解釈だけど、おそらくトップボーイの制作陣がジャックを通して送ったメッセージは、「ギャングに未来はないが、うまく抜けることが叶えば、その先に未来が見える」というものだったように思う。ダシェンが、サリーが、あのような最期を遂げたのは自業自得、当然の成り行き。いやダシェンとサリ-だけでなく、ギャングのメンバーが無慈悲な最期を遂げるのは当然。そんな救いようのない闇の世界に、ジャックを通して少しだけ希望もあると示したのかな?と。

ただ、そう思うと同時に、自分の中で別の解釈も浮かんでいる。これもこの後、サリーを射殺したのは誰?で説明する。

ジャスミン・ジョブソン

 
 
 
 
 
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ジャックを好演したジャスミン・ジョブソンは、2023年現在で28歳。 2014年に女優業を開始しているので、この若さでそろそろ10年のキャリアとなる。とはいえ、このトップボーイのジャック役で一気にスターダムにのし上がったのは間違いない。このジャックという役を演じる機会があったからこそ、映画で主演を張ることも出来たと言えると思う。

それにしても、ジャスミン・ジョブソンが演じたジャックは素晴らしかった。登場時は危なっかしく、どこかの段階で死ぬのかな?なんて思っていたが、あれよあれよと主要キャラに成長した。これが最初からのプランだったのか、ジャスミン・ジョブソンの好演が道を切り開いたのかは分からないが、とにかくこのドラマで見せた彼女のサクセスストーリーは見事だった。

感想

すごく良いドラマだったと思う。ダシェン、サリー、ジャック、主要キャラたちの生き様が心に残ったね。そして自分がこのドラマを高く評価する一番の理由は、悪党の本当の姿を描いている点だ。変に綺麗事はない。彼らは自分の利益のために殺人を正当化する。追い詰められれば、友人でも親戚でも当たり前のように傷つけるし、利用もする。だがそれがギャングの世界。それが出来なければ、より強い者に喰われる運命が待っている。

貧困、平凡に耐える人生か?それとも、常に追われ、狙われる短くリッチな人生を選ぶか? ギャングに足を踏み入れるパターンはいくつかあるが、自分で道を選ぶ事ができる者は、ほぼ全て後者のパターンを経てだろう。

このトップボーイの最後のシーンは、サリーが娘の学校帰りを送った後に何者かに射殺されるというものだった。 出所後にジェイソンとカタギの道を慎ましく生きようとしたサリーだが、そのジェイソンを放火で殺されたことで、彼の選択肢はギャングしか残っていなかった。そしてトップに上り詰めたが、あっけなく殺されてしまった。サリーは常に大切な家族(人)を奪われる人生を生きてきたが、最後には自分が奪われる立場となり終わった。

ダシェンは、望んだ全てを手に入れることが出来たが、金、トップボーイの地位、恋人、母親、兄、と失い、最後は盟友であり兄弟と呼んだサリーによって命を奪われるという悲惨な末路だった。彼はまさに全てを失い一人寂しく死んでいった。

トップに返り咲こうと足掻いたジェイミーも悲惨な最後だった。 反対に、突然「善」に目覚め、ギャングから足を洗ったジャックは、姉が残した赤ん坊と同性の恋人と共に、ギャングとは無縁な人生を送ろうとしている。

この終わり方から考えると、ギャングなんかやってもこの末路だよ、でも足を洗うことができれば、よりよい人生を生きられる可能性が開けるよ、というメッセージが浮かんでくる。 が、個人的にはそうは思えなかった。たぶんトップボーイの制作陣が伝えようとしたメッセージは、別のものなんじゃないか? その理由は、サリーを殺した犯人が、あのキャラだと思ったからだ。

サリーを撃ったのは誰?

サリー銃撃犯は誰?この答えをトップボーイの脚本家から語られることは、少なくとも数年はないだろうし、おそらく最後まで明かされないと思う。でも、誰もが知りたい疑問なのは間違いない。 海外の色々なサイト、動画、SNSを見たけど、主流の説は「ジャック」か「ステフ」だろうというものだ。 また少数派では、アイルランドの報復、ジャックの姉の子供の親の家族の報復、ジャーメイン(以前サリーが誘拐した従兄弟)の家族の報復、などなど。

サリーは10人以上は殺っているので、誰に狙われてもおかしくない。だが個人的には、サリーを殺ったのは「ジャック」だと信じている。

ジャックだと思う理由

なぜジャックだと思うか?だが、まずジャックには誰よりもサリーを殺す動機がある。あのままジャックが生きていくのをサリーが許すはずがないので、数日中にサリーはジャックを狙うのは確実だ。なにしろ、あの件だけでも許しがたいのに、ダシェンを殺すハメになったのもジャックの責任だ。 サリーを殺す動機を持つ者は大勢いるが、最も差し迫った動機を持っていたのは間違いなくジャックだ。

それと、例の射殺シーン。犯人はどう見ても華奢だった。絶対に巨漢や長身ではない。 そして頭部にターバンのような、もしくは厚手のニット帽のようなものを着用していた。サリーもダシェンもジェイミーもそうだが、ギャング連中はだいたい短髪(ほぼスキンヘッド)だ。短髪はキャップかスエット系のフードを被る(サリー、ダシェンはいつもそうだ)ので、おそらく犯人は短髪ではない。

制作陣がこういうルックスであのシーンを撮った理由は、ジャックを連想して欲しいからだと思う。確かにステフや兄のアーロンもあり得ると思う。特にアーロンなら胸熱、そんなストーリーであってほしいとも思う。だが、やはりジャックで間違い無いと自分は思う。

自分がジャックで間違いないと思う最大の理由は、さきほどの「感想」の最後に書いた「このドラマからのメッセージ」にある。 おそらくトップボーイというドラマが最後に伝えたかったメッセージは、1度ギャングの道に足を踏み入れたら、その火の粉を振り払い続ける人生が続く・・だと思う。要は、一度踏み込んでしまったら最後まで、だ。

自分が生き伸びるため、そして彼女と子供ためにサリー殺し、一時的に平穏を得たジャックだが、サマーハウスの生き残りがどう思うか? これから成長するサリーの娘が今後脅威になる可能性は? ジャックに大きな動機があることは、周囲のギャング連中なら皆知っている。いくらカタギになっても、ジャック一人でその火の粉を払い続けることなんて出来るのか? 対抗するため、または恋人と子供の為に2人から離れ、いずれギャングに戻る決断をするときが来るのではないか?

トップボーイというドラマが最後に伝えようとしたのは、ギャングに深く関わったものに言えることは、「一度この世界に入ったら最後まで」、結局これだったのではないだろうか?

*これは個人的な意見・感想です。

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コメント

  1. こういち より:

    なかなか深い洞察のコメント、楽しく拝見しました。

    ところで私もサリーを撃ったのはジャックだと思います。
    その理由は、犯人は頭にターバンのようなものを巻いていました。
    このターバンは最終回の開始から45分前後のシーンでジャックと恋人とのシーンがありますが、その時に恋人が頭に巻いていたターバンと酷似しているのです。
    サリーをそのまま生かしておけば、やがて自分のみならず恋人や甥っ子に被害が及ぶと危惧したジャックが先手を打ったのだと思います。

    • オリバー より:

      やっぱりジャックですよね。
      そうですか、彼女がターバンをしていたと、それは気が付きませんでした。この後でワクワクしながらチェックしてみます。
      そういえば、フード強奪後にサリーとジャックが話すシーンがありましたが、あの時のサリーはジャックが逃げるなら2人を狙う以外無いという明確な意思表示をしていました。
      完全なモンスターと化していたサリーに対抗するために、ジャックもやるべきことをやるしかなかった、そういう事なんでしょうね。

      【追記】 確認しました。まさにあれはジャックの彼女のターバン(スカーフ?)ですね。しかもあれは、サリーと話して帰宅したジャックが彼女に対し、安心させるように「大丈夫・・・」と言うシーン。完全にラストシーンへの布石ですね。いや、スッキリしました(笑)