Netflix で配信が開始された「 you 君がすべて」シーズン3を見たので、今回はその感想を。
you 君がすべては、どハマりするタイプのドラマではないと思うが、イカれたストーカーを主役とするサイコスリラーなのに、ライトな感覚で楽しめるドラマというかなり個性的なタイプ。
シーズン1はストーカーのドラマとしてなかなか面白かったと思うが、個人的にはシーズン2の方がストーリーが凝っていて楽しめたと感じている。とはいえ、細かいところまで見ると凝った脚本がちょっと空回りしたかな~?という印象もある。そのシーズン2の続きとしてのシーズン3、さあ、その出来はどうだったでしょうか?
軽くあらすじ
シーズン2で情熱的な恋愛と壮絶な殺し合いを演じたジョーとラブ。だがラブに子供ができたことで二人は結婚することに。
辛い子供時代を送ったジョーは、すでにラブへの恋愛感情は冷めていたが、この子供をきっかけに結婚生活を続けることを決意。そして二人はロスへ移住し3人家族の生活を始める。
ジョーはラブに冷めてしまったこと、そして自分の赤ん坊に愛されていないと感じていることで、やや精神的に参ってしまう。そんな中、隣に住むナタリーという奥さんに惹かれていく。またしてもイカれた妄想全開でナタリーに執着していくジョーw
ところがジョーの執着相手へのアプローチ、妄想はいつも通りだが、その後がいつもとは違った。なんとナタリーとベッドまでいったのに、家族を裏切れないという理由でナタリーとの情事を拒否して家に帰ってしまう。
自分がサイコパス、偏執的な妄想狂なのは不幸な子供時代に原因があるということを自覚しているジョーは、新しい家族への忠誠心を持っていた。
改心したジョーは、このまま家族と良い人生を歩んで行こうと考えていたが、この家族にはもう一人恐るべきサイコパス、ラブがいるw
ラブはサイコパス特有の人並外れた第六感と観察能力でジョーの異変を察知。ジョーが浮気していると確信し、いくつかの事実から相手はナタリーと断定する。そうと決まれば話は早い、ラブはすかさずナタリーを殺害。しかし殺害後にパニックになりジョーに電話、殺したのはあなたのせい、なんとかして!と泣きつく。
ジョーは手慣れた手つきでナタリーの遺体を処分、ほぼ完全犯罪の状況を作り上げる。ところがジョーにもラブにも想定外だったのはナタリーの旦那・マシューの存在だ。
マシューは IT 企業家でかなりのリッチ。仕事に没頭し家族を顧みない割には妻を溺愛しているというちょっと風変わりな男。このマシューが妻を亡くしたことから妻の死因に執着する。あらゆる手段を使って事件を調べなおしたところ、これは殺人だと確信するようになる。さらに妻ナタリーが最後に会った人物がラブだったことを突き止め、ジョーとラブを徹底的に探るようになる・・・
面白かったところ
まずシーズン3の一番好きなシーンは、ラブがナタリーを殺したあとのジョーとラブのシーン。
ラブはジョーが執着しているナタリーを殺したのにも関わらず、当然のようにジョーに対し死体の遺棄を頼む。ここは美人の特権として笑えるシーンなんだけど、それより面白かったのがジョーの行動だ。
ジョーはあれだけ執着していたナタリーが死んだのにも関わらず、大してラブを責めることもせず、さらにはナタリーの死を悲しむこともしない。ここはさすが執着も殺しも紙一重のサイコパス。淡々と完全犯罪を作っていくジョーには笑わせてもらった。こんな感じでYOUは、サイコパスの特徴を正確に調べ上げ演出している。意外に専門性が高いのがこのドラマの魅力の一つだと思う。
またジョーとラブ夫婦のカウンセリングシーンも結構な見所だ。ここでの会話、そしてジョーの脳内解説はとても笑える。逆に目と表情だけで演技するラブも必見だ。また今シーズンはそこら中でブラッドピットとアンジェリーナジョリーの有名な映画「Mr.&Mrs.スミス」のオマージュシーンが見られるが、ここもかなり楽しめるポイントだと思う。
イマイチだったところ
このYOU、個人的には脚本はシーズン1がベストだけどキャストはイマイチ。キャストはシーズン2がベストだったけど最終的な演出がイマイチ。シーズン3はその中間くらいなんだけど、どのシーズンも全てが揃っているとは言い難いと感じている。
でシーズン3、主役級のキャストはシーズン2とほぼ同じなので文句はないが、サブキャストがイマイチに感じた。というのもシーズン1は全体的に見るとキャストがイマイチだったと感じたが、最も目立っていたジョー、ベック、ピーチの3人はとても良かった。
中でもピーチは存在感抜群で、ムカつく強敵としてかなり笑わせてもらった。今回のシーズン3ではそのピーチに当たる人物がシェリー。このシェリーがピーチほどの活躍ができていなかったのが残念ポイント。
シェリーはピーチよりも出番としては多かったと思うし、役作りもちゃんとできていた。女優も別に悪いとは思わなかったし似合わないとも感じていない。でもピーチのあのふてぶてしさ、いやらしさ、狡猾さには遠く及ばない印象を持った。ちょっとここは設定的に空回りしたのかな?
それとマシュー。彼も変質的な面を持つリッチなIT企業家だが、執拗な恐ろしさとかは殆ど感じられなかった。この辺はキャストというより、演出面とか設定面とかをしくじったのかなという印象を持った。
YOUのキャスト
良いところ悪いところちょこちょこっと書いたけど、このドラマのことは大好きだ。特に主役のジョーを演じるペン・バッジリーは完璧なハマリ役だと思う。また彼はこのドラマのプロデューサーでもあるが、とても才能を感じる。
そしてもう一人、シーズン3の W 主役であるラブを演じたヴィクトリア・ペドレッティ。この人はいい、ほんとにイイ女優。ということでキャスト紹介はこの二人を。
ペン・バッジリー
ペン・バッジリーはゴシップガールのダン役で一躍スターダムに乗ったのだけど、この数年前から割と良い役でいくつかのドラマに出演している。中には主役もあったりしてゴシップガール前から注目の若手俳優だったと言える。
今回のジョーだけど、キャラ設定的にはかなりの部分でゴシップガールのダンとかぶっていると思う。通常、ある程度目が出た俳優は似たような役を演じることに抵抗を持つ人が多いけど、彼はそういうこだわりは全くないらしい。さっきも書いたようにペン・バッジリーは今回の YOU でプロデューサーに名を連ねている。その立場でもジョーのキャラ設定をこのようにしたというのはなかなか興味深い。多分ペン・バッジリーという人は、気さくで細かいことにとらわれない結構いいやつなんじゃないかと思う。そしてもちろん才能に恵まれているよね。
ゴシップガール後は映画に進出していたようだけどそれほどうまくいかず、今回のYOUでドラマに帰ってきた。それにしてもプロデューサー兼主役としてNetflix に企画を通すなんていうのは、なかなかすごい能力だと思う。
仮にこのドラマが終わったとしても、彼は今後も長く俳優として、プロデューサーとして生き残るのは確実だと思う。
ヴィクトリア・ペドレッティ
ヴィクトリア・ペドレッティが演じるラブは、サイコパスなのは置いておいて、ルックス的にはナチュラルな美人という設定になっている。この「ナチュラルな~」というのがこのドラマの役ではポイント。要は「こんな女性が殺人鬼なの?!」と思わせるのがこの人をキャスティングした大きな理由。
これが実際シーズン2ではズバリハマった。細かく言うと個人的にはもうちょっといい見せ方があったんじゃないかなぁと思ってるけど、彼女が演じるラブが殺人を犯していたというのは結構なインパクトだったのは事実。もう少し演出を変えていればもっとすごかったんじゃないかなあと少し残念に思う・・が、まあそれはいいとして、そんなラブが今シーズンどう活躍するか?は、個人的にはYOUシーズン3一番の楽しみであった。
結論から言うとラブにはほとんど文句のつける部分はなかったと思う。ラブもジョーもドラマでは完璧に機能していた。
だからこそ、ラブがこれで終わりなのか?というのは気になるところだ。まあこのままストーリーを引っ張っても、好転するという雰囲気があまりないので大幅なキャスト変更はある意味仕方がないと思う。ただラブというキャラクターがすごく良かったので、「実は・・」みたいな展開が今後あったら個人的には嬉しく思う
そんなヴィクトリアペドレッティ、次回作は映画ですかね。主演としてキャスティングされていてこれから撮影される予定です。
このブログの記事を書いています。海外ドラマを一緒に楽しみましょう!
コメント