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ブラック・ミラー シーズン7の感想【Netflix】

4.0
ブラック・ミラー シーズン7 ブラック・ミラー

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シリーズ開始から、常に高いクオリティを維持しているブラック・ミラー。独特な世界観や辛口の結末など、他に似たタイプがない独自のポジションを確立している人気ドラマだ。

今回はそのシーズン7。個人的な意見だが、実は前作のシーズン6は期待外れだと感じていて、ブラック・ミラーもついにアイデアが尽きたかな・・と感じていた。しかし!シーズン7は面白かった。個別のエピソードで評価するなら、シーズン7にはシリーズ最高とも言えそうなエピソードが3つもある。ということで、もちろん高評価確実なブラック・ミラーシーズン7の感想、いってみよう!

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ブラック・ミラー シーズン7の簡単なあらすじ

ブラック・ミラーは一話完結、基本的に他のエピソードとの関連性はないので、エピソードごとのあらすじを、いつも以上に簡潔に書いていきます。

E1  普通の人々

毎年妻の誕生日に同じホテル・レストランに行く、とても仲の良い夫婦がいた。しかしある日、妻に末期ガンが見つかる。このガンは脳腫瘍なので、まさに不治の病。

そんなとき医師から、ある治験がこの病気に効果があるかも??という話を聞く。もちろん飛びつく夫婦。この治療法は、いわゆる脳のデジタル移植。 ざっくりいうと、腫瘍に冒された脳の一部を切り取り、オンラインで制御する機器を脳に埋め込む。そして、この機器を管理する会社のクラウドから記憶等のデータを送受信するというもの。

そして手術は成功、妻は術前に務めていた学校にも戻り、仕事もできるほど回復する。しかしデメリットもある。クラウド制御なので、電波の入る場所、かつ会社のサービスエリア内にいる必要がある。さらにこの会社のサービスはプラン制で、無料では様々な制限がかかる。そしてプランのアップグレードを考える夫婦だが、そのサブスクは非常に高額・・・ そして2人は決断を迫られる。

E2 ベット・ノワール

ある会社で開発を担当する女性社員の話。この女性は仕事熱心で野心家、優秀で結果も出していて将来は明るいと誰もが思うような存在。

そんなある日、彼女が働く会社(同じ部署)に、見覚えのある女性が面接を受けにきているのを見かける。よくよく考えると、彼女は高校の同級生だった。しかしあまりに影が薄く、ほとんど記憶には残っていない。 そしてこの女性は採用される。 その後、主人公の周りで不審なことが起こり始める。どれもこれも主人公に不利な事が起こるが、なんと本人に全くその記憶がない。

新人の同級生を疑った主人公は、意を決して彼女の家に忍び込み、証拠を見つけようとするが・・

E3 ホテル・レヴェリー

人気女優の主人公ブランディは、いつもセクシー系のキャスティングばかりの役者人生に飽き飽きしていた。もっと演技で見せる役者としてレベルアップしたい彼女は、ある名作映画に目をつける。そして偶然にも、その映画がリメイクされ、キャストのオーディションが始まっていることを知る。すぐに応募したブランディ。だがこのキャスティング、彼女が応募したのは男性役だった。ダメ元で応募したブランディ。しかし、結果は合格。すぐにレターパックで資料が送られ、彼女は必死に役を学んでいく。

そして実際の撮影日が来る。なにか様子がおかしいと思ったブランディだが、この撮影が通常のものではなく、VR(仮想空間)を利用したバーチャル撮影だった事を知り納得。早速撮影に入るが、主人公の相手役(本来は男役)に大苦戦。しかしブランディは、天性の能力で困難なシーンを次々とこなしていく。その中で彼女は主演女優に惹かれていく。同じくブランディに惹かれ始めた主人公女優だが、ここはVRの世界。撮影が終われば記憶はリセット。

だがブランディは、彼女と彼女のいる世界に未練が残り・・・

E4 おもちゃの一種

ゲームライター(主にレビュー)の主人公キャメロン(老人)は、あるお店で万引きを見つかり警察を呼ばれる。駆けつけた警官がキャメロンのDNAを調べると、彼が過去に殺人を犯している逃亡犯だと判明する。そのまま逮捕され署に連行されるキャメロンだが、実はこれはキャメロンの作戦だった。ライターだが、ITエンジニアとしても高度な腕を持つキャメロンは、警察署から国のシステムに直接侵入するために逮捕されたのだ。

なんのために国のシステムをハックしようとしているのか?のシーンが回想される。彼は遠い昔、あのバンダースナッチを発売したゲームソフト会社「タッカーソフト」のお抱えライターだった。当時は真面目な人間だったが、友人のヤク中に感化され、ドラッグを覚えてしまう。そんな不安定なときに、あのタッカーソフトのスター開発者「コリン」と出会う。このとき、何を思ったか、キャメロンはコリンが開発した新作のゲームソフトを盗んでしまう。

そして家に帰り、このソフトをプレイすると、キャメロンはすぐにこのソフトに没頭してしまう。その後もこのソフトに、全てを捧げていくキャメロンは、このソフトの最終的なアップデートのためにあることを思いつき、実行する・・・

E5 ユーロジー

一人暮らしの中年(初老)のおっさん「フィリップ」の元に、昔付き合っていた女性が亡くなったので、葬儀の手伝いをしてほしいとの連絡が入る。葬儀の手伝いとは、亡くなった女性の生前の画像、持ち物をアップロード(送信)して欲しいということなど。

フィリップは、なぜ自分なんだ?などの疑問を持ちながらも、亡くなった女性を今でも忘れられないこと(実は最愛の女性)、この葬儀屋の担当の若い女性の何かを知っているような口ぶりなどから、あらゆる手を使って手伝いを進めていく。

そして彼女との別れの理由、彼女の過去と別れた後の人生、そして担当の女性の正体などが判明していくうちに、フィリップが知り得なかった彼自身の人生が再構築されていく。そしてフィリップは、自身が気づかないうちに人生で最も大切なものを失ったことに気付かされると同時に、何も残されていないはずの自分が、今とても大切なものを手にし、再び人生を取り戻しつつある事に気付かされる。

E6 宇宙船カリスター号 インフィニティの中へ 

ブラック・ミラー S4E1の宇宙船カリスター号の続編。前回は、悪役船長のロバート・デイリーが、コールらカリスター号の乗組員によって追放?される~という終わり方だった。

そして今回もコールやCEOのウォルトンといった面々が登場。今回もゲームの中(VR)と外(リアル)の2世界を描く。ゲーム内では、コール達乗組員は金がなくて宇宙船での生活が苦しく(彼等はリアルゲーマーではなくクローン(違法な存在)なので、金を持ち込むことが出来ない)、他のゲーマーのキャッシュ?コイン?を奪うことで生き延びていた。それはゲーム内ではご法度なので、運営に対し苦情が集まるようになる。ここでリアルとバーチャルがつながる。リアルに生きるコールは、早速ゲーム荒らしを特定しようとする。そしてVRから来た自分のクローンから、荒らしの正体が自分のクローンだと聞き愕然とする。

そこでコールとウォルトンは、この現状を打開するには、VR世界のサーバー室にいるデイリー(もちろんクローン)に会い、クローン独自の世界を造ってもらうしかないという結論に至る。しかしサーバー室にいるのは、あのデイリー。いくらクローンとはいえ、そのミッションは相当な危険を伴う。しかし座して死を待つより、デイリーと対峙することを選んだコールは、インフィニティの中核・サーバールームへ向かうが・・・

ブラック・ミラーS7の感想

今回のブラック・ミラー、先に書いたようにかなり面白かったと思う。ただしシーズンを通してと考えると、シーズン1の方が上だと感じた。正確にはシーズン7はシーズンベストではないが、個別のエピソードではベストエピソード級が3話、そしてまあ及第点かな・・というエピソードが3話あったということだ。 ということで、もちろん個人的見解の良い話と悪い話、まずは悪い方からいってみよう。

まあまあだった3話

先ほど「悪い話」と書いたが、この3話は全然悪い訳でも面白くない訳でもない。普通に面白かったが、良い3話に比べると・・ということだ。 で。その3話とは、2,4,6話だ。

E2 ベット・ノワール

まずE2のベット・ノワールだが、正直これはシーズン7で一番面白くなかった。ストーリーが見え見えすぎるし、後味も悪い。要はイジメられた子の復讐劇なのだが、そういう内容ならもう少し必然性が欲しい。キャスティングもイマイチだと感じた。

E4 おもちゃの一種。

バンダースナッチの続編か・・ バンダースナッチは理解するのに3回見た覚えがある。だいたい理解できたが、それほど好きにはならなかった。今回もあまり面白いとは思わなかったなぁ。自分には少し難解過ぎた。そういえば今回の殺人の凶器も灰皿だったのが、やけに記憶に残った。
ただカノ警部?のキャラが良かった。 でも、やはり前回以上には楽しめなかった。単純に、前回ほど面白くなかった。いや、ストーリー自体は悪くない。だが、あまりにも淡白というか、メッセージ性が薄いというか・・ とりあえずオリジナルのバンダースナッチには及ばないのは間違いないと思う。

E6 宇宙船カリスター号 インフィニティの中へ。

まあ、これは続編として考えなければ、それなりに面白かったと思う。というか、続編としてもそこそこ面白かったが、やはり前回の面白さに比べると、だいぶダウンしたかなぁ。

前回は、やはりあのボブ(ロバート・デイリー)の怖さが際立っていたから。オリジナルエピソードは本当に面白くてオススメ。とにかく環境設定が素晴らしい。ゲーム空間の環境も、現実世界の設定も完璧だ。
ボブ(ロバート・デイリー)は同僚や上司のクローンを作り、インフィニティというゲームの中で生きているという設定。リアルの世界ではいじめられっ子のボブだが、ゲームの中では無敵の船長として君臨している。この設定の根幹は今回も引き継がれているのだけど、前回ほどの怖さや緊張感はなかった。そして、このシリーズに無くてはならないコメディ要素。これも今回はイマイチ。 残念ながら、今回は前回のレベルにはなかった。

面白かった3話

面白かった3話は、E1、E3、E5です。順番に行きましょう。

E1 普通の人々

E1は本当に面白かった。*とても深いエピソードなので、なるべく具体的なネタバレはやめておきます。ぜひ、実際に視聴してください。超おすすめです!

まず、NetflixやAmazonプライムなどの安いプランに入っている人なら、これは笑えたはず。もちろん自分はNetflixもAmazonプライムも広告付きの格安プランなので、大いに笑わせてもらった。これまでのブラック・ミラーでも、こんな感じのコメディ系エピソードはあったけど、中でも抜群の笑いのセンスだった。それにしてもNetflix制作のドラマが、プランアップ商法?アップグレード商法?をブラックジョークにするのは面白かった。
だが、笑っていられるのも中盤までで、結末はいつものブラック・ミラー以上に深刻だった。誰でも大切な人を失いそうになれば、この旦那さんと同じ行動に出るはず。そこまではいい。だが社会は弱者に厳しい。結局、人間は自然な生と死を受け入れるべきなのか? これは答えの出るような問題ではない。 そしてブラックジョークといえるのか?この問題は富裕層にとっては無関係で、一般から下層の人々にとっての問題だ。一体何が幸せなのか?人間はどう生きるべきなのか?そもそも長く生きることは幸せなのか??

驚く程の速さで没落していく日本にいると、この手の話はあまりにもキツい。現状、自分はこのエピソードに共感するような問題には直面してはいないが、いずれ自分にも訪れるだろうという予感は大いに感じた。 このエピソードは強烈に突き刺さった。

E3 ホテル・レヴェリー 

まず、ストーリーやら演出やらよりも、とにかくドロシーを演じた女優(エマ・コリン)が素晴らしかった。彼女の演技は本当に上手かった。実際ストーリーは大したことなかったが、この女優さんの圧巻の演技にグイグイと引き込まれた。 また、彼女ほどではないが、原作者?のオバサン役と、プロデューサー?ディレクター?のアジア系女優も上手いと思った。 とにかくこのエピソードのキャスティングは最高レベルだ。

それにしても、モノクロだと名演技に見えてくるのか?とか変な事を考えてしまう程、この人の演技は輝いていた。雰囲気も一人だけ別格。まさに銀幕のスター。とにかく驚いた。最後の電話のシーンとか、超大物のような・・ いや、モノクロには魔法があるに違いない。
そしてこのE3、なんとハッピーエンドだった。世界中の人々が喜ぶハッピーエンディングとまでは言えないかもしれないが、この2人の女性にとって、とても良い終わり方だったと言えるはず。ブラック・ミラーでは珍しいハッピーエンドがこれほどキマるとは、個人的にブラック・ミラーの最高傑作と言っても良い一話だったと思う。

E5 ユーロジー

E1は素晴らしいストーリーと強いメッセージ性が光り、E3は女優の演技力が光った。そしてこのE5は素晴らしいストーリーと俳優の演技力が輝いていた。個人的に、このエピソードがブラック・ミラーの最高傑作だと思う。*ちなみに、今までの最高はマイリー・サイラスが主演したS5E3の「アシュリー・トゥー」。

主演はビリオンズでチャックを演じたポール・ジアマッティ。 今回はくたびれたオッサンを演じたが、相変わらずの高い演技力はさすがだ。まあとにかく表情が素晴らしいよ、この人は。

そしてこの脚本ね。悲しみ、孤独、後悔、やりきれない無念さ。このシリーズらしく、そういうこれ以上ない寂しさを描いているのか?と途中まで思わせておいて、このラストシーン。いや、結末については何も語られていないので、見る人にとっては、ただの悲壮感しか感じられないのかもしれない。しかし自分には、この悲壮感の代わりに亡くなった元彼女(キャロル)が残した、フィリップへの最後の贈り物(償いとか謝罪なのかも?)が見えた。

ようやく記憶が戻るラストシーンが意味するものは? これはフィリップが亡きキャロルの顔を思い出すシーンと、キャロルの葬式にフィリップが出席しているシーンが重なっていることに意味があると思う。ラストシーンではフィリップがチェロを弾くキャロルの笑顔を思い出すシーンと、葬儀会場の入口で、フィリップが壇上(実際は段はないが)でチェロを弾く娘を優しく見つめるシーンで終わる。彼の視線の先は葬儀会場の壇上。そう、視線の先は本来弔事を読む場所だ。

2人が別れた後のキャロルの晩年は、慎ましいものだが娘の存在によって寂しさや虚しさとは無縁だった。しかしフィリップはまさに寂しさと虚しさに覆われた晩年を送っている。キャロルが、なぜフィリップを葬儀に呼んだり、葬儀の手伝いを娘に託したのか?

それはキャロルがフィリップの孤独な晩年を正確に予見していたからに違いない。キャロルはフィリップとの別れを強く後悔していたが、それ以上に彼を孤独にしてしまったことを、ずっと悔やんでいた。あれからずっと一人でいるはずの最愛のフィリップに、キャロルは娘との人生を残したのだろう。フィリップはラストシーンの彼女の顔の記憶とともに、彼女の優しさや人間性を思い出したはず。そして当然、彼女の遺したもの、彼女の最後の贈り物にも気づき、英国まで葬儀に出席しに行ったという演出だと思う(実際はキャロルの娘に会いに行った)。
で、何が驚きって、またしてもハッピーエンドだった事。このドラマらしい辛辣な現実もいくつかあったが、ラストの味わい深さは、なかなかのものだった。なにか今シーズンのブラック・ミラーは変わったね。これは良い変化なんじゃないかな。 もうシーズン8には期待しかない。

ブラック・ミラー シーズン7のキャスト

最後に、個人的に良いと感じたキャストを三名、紹介しておきます。

エマ・コリン / E3ドロシー役

まあ、すごい良いものを見せてもらった。それが正直な感想。

エマ・コリンは英国の女優で、本国では主演級のスターとして知られている。ハリウッド映画にも出演し、すでに一定の知名度を得ている女優だ。モデルとしての活動もしている彼女だが、ジェンダーレスとか、そのあたりの話題が多い印象がある。

今後の彼女の予定はドラマ2作品に出演予定。この人の実力なら当然だが、両方主役ですな。Netflixのような動画配信系でも高く評価されているはずなので、近い内に日本でも見られるだろうと思う。

ポール・ジアマッティ / E5 フィリップ役

この人はビリオンズのキャストでも紹介しているので、気になる方はそちらも御覧ください。こちらから→ビリオンズのキャスト

この人の演技もすごかった。最近、急に老けてきたような気もするが、それも役作りなのか?よくわからないが、ここは少し心配だ。

ビリオンズでチャック・ローズを演じきったポール・ジアマッティの今後の予定は、まずダウントン・アビーの最終シーズンに出演、スター・トレックシリーズにおそらくゲスト出演、ここまではすでに決定。その他1本の映画と2本のドラマに出演予定。映画の方は「サンアンドレス2」で、ザ・ロックことドゥエイン・ジョンソンと共演で準主役。 ドラマはタイトル未定が2本で、一作は主演、もう一作はジュリアン・ムーア主演の準主役でキャストされている。さすが人気俳優、この予定からして老けたのは役作りだろうw

ジェームズ・ネルソン-ジョイス / E4 カノ警部役

ジェームズ・ネルソン-ジョイスはやはり英国の俳優で、wikipediaによると悪役を得意としているとのこと。自分はこのブラック・ミラーで初めて見た俳優だが、すごく個性的で良い役者だと感じた。ちょっとチャンスがあれば、こういう役者はさらに大成する可能性があると思う。ガンバレ!

ジェームズ・ネルソン-ジョイスの今後の予定は・・ まずドラマ「A Thousand Blows」に出演中(日本未配信)。このドラマは、最近Netflixで配信されたアドレセンスで主演を努めているスティーブン・グレアムが主演するボクシング系アウトロードラマ。現在シーズン2の撮影中で(2026年配信予定)、ジェームズ・ネルソン-ジョイスはシーズン1,2全話にクレジットされている。

もう一本はタイトル未定のドラマで、こちらは主演でクレジット。

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