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【Netflix】カサンドラの感想

5.0
カサンドラ Netflix カサンドラ

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Netflixのドラマ「カサンドラ」は、2025年2月に配信開始(日本)されたホーラー色の強いSFスリラー。タイトル的にあまり興味を持てず見ていなかったが、最近なんとなく見始めてみたら、これがかなり面白い。

映像はきれい、物語は一貫して落ち着いた感じで淡々と進んでいく。このドラマのジャンルは「ホーラーっぽいSF」に当たると思うが、変に煽るところもなく、実際はストーリーで魅せるタイプの大人のドラマだ。そう、このストーリーがとても良くできていて、さらに人物設定が抜群に良い。まだ今年は中盤前の段階だが、個人的に今年のドラマランキングで間違いなくTOP3に入ると思う傑作だと感じた。もしかすると、2025年No.1ドラマかもしれない「カサンドラ」、では感想に行ってみよう!

ちなみにこのカサンドラ(Cassandra)というタイトルは、顔の部分にモニターを積んだ主人公ロボットの名前であると同時に、オープンソースのデータベース管理システムの名前にもかけられている。このCassandraは、あのFacebookやインスタの「Meta社」が開発したもので、非常に大きなデータを分散管理する事ができるというプロジェクト。
これは、まさにカサンドラのシステム!と言いたいところだが、ソースコードが公表されたのは2008年。
だが、わざわざこんなタイトルをつけているところからすると、このドラマの制作者、1970年代にこんなの無理!とか言いそうな連中が湧いて出ることを最初から想定し、笑い飛ばしているのではないだろうか?
参考文献 OpenStandia NRI より
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カサンドラの簡単なあらすじ

妹の自殺を経験し、環境を変える必要を感じたサミラとその家族(夫・ダーヴィト、長男・フィン、次女・ジュノ)は、ドイツの都会から、ある田舎町に引っ越すことになる。新居は、一見1970年代の古風な外観だが、屋内プールや広めのホームバーを完備した高級な邸宅だった。明らかに富裕層が住んでいたと思われるこの邸宅だが、最も注目すべき箇所は、現代で言う「スマート化された家」というところだった。家中にモニターを配置し、頭にモニターをつけたメイドロボットがそれを統率する。このロボットは名をカサンドラといい、料理から戸締まり、モーニングコール、掃除、子どもの世話まで行う、スグレモノのであった。

ところが少し住んでいると、まず妻のサミラに不可解なことが起こり始める。ついで娘のジュノの周辺もおかしくなっていく。これを偶然とは思えなかったサミラは、カサンドラを不審に思い疑い始める。そして家の中で偶然見つけたスライドショーの写真で、カサンドラが以前この家に住んでいた人間だったということを知る。

サミラが自分の過去を調べていることに気付いたカサンドラは、彼女に止めるよう強く警告する。その頃からサミラを始め、家族に多くの問題が起きるようになる。そしてサミラは、カサンドラの一家全員死んでいることを突き止め、さらに公式記録のない娘の存在を突き止める。

そしてカサンドラの過去が、少しずつ明らかになる。カサンドラは、次女を身ごもったときに、医師(科学者?)である夫の提案で、今で言う超音波検査(性別判断のため)のようなことを行っていた。しかしその検査は、超音波ではなく光線を使用したもので、それは医学的に非常に危険な行為だった。そしてその光線の副作用により、カサンドラは全身にガンを発症してしまう。しかも症状はすでに末期で、もう長くはないという診断を受ける。

そんな状況だが、カサンドラは娘を出産する。しかし生まれた娘は、ある種の奇形で、醜い容姿に生まれてしまった。それを見たホルストは、娘を捨てることを強硬に主張する。しかしカサンドラは、これに強く反発、娘は絶対に守ると固く決意する。しかしカサンドラは、徐々に全身に転移した末期ガンの影響が現れ始め、娘を守り続けることが困難だと気がつく。

その当時、カサンドラの夫ホルストは、生きた人間の脳をデータ化し、HDDのような記憶装置に植え付け、人間性をそのまま備えたロボットを作る研究をしていた。失うもののないカサンドラとホルストは、すぐにその研究にすべてを賭けることを決める。そして結果は成功。カサンドラはロボットとして延命することに成功した。だが、もちろんカサンドラが延命した理由は、失うものがないからでも、生に執着したからでもない。あの娘を守るには、それしか方法がなかったからだ。

だがロボット化したカサンドラは、ホルストと長男のペーターと上手くいかなくなる。早々とホルストは浮気していた女(カサンドラの親友)を家に連れ込み、ペーターもカサンドラを疎むようになる。そしてホルストとペーターは、この家を出ていくことをカサンドラに告げる。 サーバーが家にあり、ここから出ることのできないカサンドラだが、娘も一緒に連れていき、今後もずっと面倒を見るというホルストの言葉を信じ、ついに家族が出ていくことを了承する。

しかしホルストは、カサンドラが娘を連れに地下に降りた際に、女とその子供、そしてペーターだけを連れ、娘とカサンドラを残し、車で猛スピードで逃走する。その後、娘を取りに戻るというペーターが高速で走る車から降りようとしたために、車は木に激突、大破する。カサンドラがそこについたときには、ホルストはすでに死亡、ペーターもすぐに息絶えた・・・

そして現代ではカサンドラの策略で、サミラは精神病院に送られ、残った3人は家に監禁される。家族を取り戻したと考えるカサンドラだが、そんな狂気に家族はついて行けない。カサンドラとダーヴィト、子供達の関係はすぐに壊れ始め、再びカサンドラは狂気に取り憑かれていく・・

カサンドラの感想

このカサンドラ、思い出せないが、似てるドラマ(映画?)があったと思う。悪役はロボットではなかったり、ロボット(コンピューター系)だったり。まあ、このタイプの映画やドラマはいくつかあるので、そこまで珍しい設定だ~とかは全く思わなかった。 ただ、このカサンドラの面白さ、良さは、「珍しい」とか、「斬新」とかの類ではない。 このドラマの面白さの根幹は2つ。ストーリーと設定(キャラ設定を含む)だ。 そのあたりを細かく書いてみる。

カサンドラ夫婦(カサンドラとホルスト)

ホルストは息子に対し冷酷で、妻に対しては浮気をする。と、もちろんあまり良い父ではなかった。とはいえ、最悪と言うほどでもなく、現代でもこの程度にタチの悪い男はいくらでもいる。

カサンドラは非常に頭が良い。夫のホルストは医師だが、カサンドラの有能さに太刀打ちできるようなレベルには程遠い。そんな有能なカサンドラだが、ペーターがイジメの報復事件を起こすまでは、とても思いやりがあり、優しい人間だった。彼女は息子を守るために壊れ始め、無能で卑怯者の夫のせいで体を破壊され、娘を守る為に人間をやめた。

人生は誰にとっても、とてもハード

このドラマを最後まで見てまず感じたのは、これは親子の愛の物語であり、家族なんて世界中で毎日崩壊している程度のものだ~という相反した2つの面を持った物語だということ。あなたはどっちだ?とか、あなたはどっちになるのか?とか・・

カサンドラというドラマは、パートナーには人間(相手)の本質を見ろ、そしてすべてを捧げられる家族がいる事こそ本当の幸せだ、という事を伝えたかったのに違いない。そして、すべてを捧げるというのは、文字通りとてもハードな事だと。

設定があまりにハードだといえば、それはこの夫婦・家族に限らず、このドラマに出てくるほとんどの登場人物もそうだ。そして、そのほぼ全員が深い闇を抱えている。遊びにきた本屋の少女がオープンで焼かれるとか(やや人種差別的でイヤミな子ではある)、カサンドラの娘の件とか、彼女の病気の原因とか・・アメリカのドラマでは、ほぼあり得ないくらいのハード設定だ。

この辺りを思い返すと、誰にとっても人生はハードだ、というメッセージをしっかり盛り込みたかったのだのだろうと思う。そして、今も昔もそれを乗り超えた先でしか、本当の幸せは掴めないと。

そういえば、このドラマが何かに似ているという話、この夫婦の話は、ダーティジョン ベティに似ている。というか、映像やタッチも似ている。そう、あの感じだ。このダーティジョンベティは、今でもNetflixで見ることができるし(これもかなり面白い!)、前に感想を書いているので、「こちら→ダーティジョンベティの感想」も、ぜひ読んでみてください。

カサンドラの最高のシーン

これはタイトルのカサンドラというより、キャラクターのカサンドラのシーンと言う意味だ。

風呂場で

まず3話かな?風呂場でサミラに対し、カサンドラが出ていけ!と怒鳴りつけたシーン、あれはマジで怖かった。 サミラが風呂に浸かっているところに、ブラウン管のカサンドラが入ってくるだけでも相当ヤバいのに、鬼顔で「さっさと私の家から出ていけ!!」とカマシ上げる。これは、このドラマで一番のお気に入りシーンだ。

まさにSF!

ある意味、このドラマのハイライトでもあるシーン、それがカサンドラをサーバーに移植するシーンだ。そして、これはとんでもなく良くできていた。

昭和っぽい大量の機器群、忙しそうにするナチのような研究者達、もうこの雰囲気は完璧。そして移植が成功し、カサンドラが目を覚ますシーンは特に素晴らしかった。複数モニターが点々とついていく目覚めシーンには、思わず拍手を送ってしまったw

カサンドラの人物像

このドラマを面白くしている理由の1つに、カサンドラの人物像がある。彼女のキャラクター設定は、これ以上ないほど深く深く練られていた。 彼女は美人で知性が高く頭脳明晰、周囲に気を使うことができ、皆に優しい。だが、男社会に馴染めない長男ペーターが、厳格な父ホルストとそりが合わなくなってくると状況は一変する。この辺りから彼女は家族を守るためではなく、子供を守る事を最優先に考えるようになる。そして、子供の為なら一線を越えることも辞さなくなる。 そしてガンに侵されてから、もう境界線は見えなくなってきていた・・

カサンドラはロボットになってからも、優秀さだけは失わなかった。ずば抜けて優秀なカサンドラは、機械化された後に、自分が家族からどう扱われるかを生前に正確に予測し、あらかじめいくつかの対策を施していた。この設定もすごかったと思う。この設定は地味だが、その後のストーリーの整合性を高め、彼女の異様な怖さを際立たせることになる。

このドラマは、この辺りの設定をセリフではなく演出で理解させる手法を取っていた。この演出で理解させるというのは、このドラマ全般で行われているが、これは相当難しい芸当だ。これだけの事を成し遂げるのは、この制作陣はかなりの力量を持っていると思う。ドイツのドラマは初めて見たはずだと思うが、やはり優秀な人間というのはどこにでもいるものだ。

カサンドラの人物像について書きたいことは山ほどあるが、ここはぜひ直接見て確認してほしい。彼女の回想シーンは本当に面白いので。

母と娘

そしてこのドラマの核心であるカサンドラと娘の物語。娘はある種の奇形として生まれ、それを理由に実の父から見捨てられる。この子はあの光線を浴びているので、どの道長くは生きられない。ホルストは、もちろんそれを知っていただろう。そして賢いカサンドラも、当然それを予測していたはず。

彼女の死(死因など)について多くは語られなかったが、そんな理由から早い段階での病死(おそらくガン)なのは間違いないだろう。娘にこれから起こることを分かっていて、何も止められなかった母。あまりに不憫な母と娘、避けようがなかった娘の死に、機械化したカサンドラの絶望と悲しみを考えると、狂ってしまうのも無理はない。
赤ん坊を殺そうとしたり、サミラの家族を監禁し、サミラを殺そうとしたりと、カサンドラは人の道に外れてはいたが、心の奥に良心と理性は常に持っていた。カサンドラのように機械化された話はフィクションだとしても、これと似たような話は過去に、世界中に、数多くあっただろうと想像できる。いや、これからもあるだろう。

ラストシーン

救われようがなかった母と娘だが、ラストシーンでそれを救ったのがサミラとその子どもたちだった。カサンドラに追い込まれ、死を目前にしたサミラ。この限界の状況でカサンドラが見たものは、子供を守るために全てを捧げるサミラの姿だった。これは家族よりも自分の命を選んだダーヴィトとは反対だ(言葉では子供の為~と言っていたが、カサンドラには通じない)。

そんなサミラの姿を見て、カサンドラは自分の過ちを認め・・・ このラストシーンは良かった。本来こういうものを嫌う自分でも、このシーンには救われた。この母と娘に、ほんの僅かでも救いがあったことに感謝した。

細かい設定、演出も抜群に良い!

このドラマでは、細かい演出にとても興味深いものが多くあった。基本的には伏線を撒き、回収するという演出が多かったが、あえて回収しない(出来ない or あえてしないで想像させる)ものもあった。

オーブンのライト

例えばこのドラマの重要なシーンで何度も出てきた印象的な演出に、オーブンのライトがカチカチするというのがある。これには、その都度に別々の理由があったりするのだけど、実はカサンドラが生きている頃から、いや娘を身籠るずっと前から起こっていた現象でもある。

これが何を意味するのか? SFなのか?ホラーなのか? もちろん答えは出ていないのでわかるはずもないが、ここを想像するとこのドラマがさらに面白くなる。 個人的には、ラストシーンと関係のある存在を描いたのかな?と思っている。

矛盾?、整合性無し?本当?

カサンドラというドラマは本当に面白く、細かいところまでかなり良くできている。とはいえ、多少はえっ?とか、そうなの?とか疑問に思ったりするシーンはあった。その辺りをいくつか突いてみると・・

AI?インターネット?アップデート?

このドラマを見て、おそらく誰もが感じる疑問点、それがカサンドラの技術的な整合性だろう。あの時代、インターネットは普及しておらず、AIどころかPCも普及しておらず、SSDどころかHDDってあったの?という環境で、あれほどのシステムを構築できたのか? しかも、これほど長期にわたって存在できるのか?オンライン化やシステムのアップデートは? などなど疑問点は尽きない。

だが、これらの技術的な疑問点については、自分は100%解決できる回答を持っている。そう、そんな小さなことは、このドラマにとってどうでもいいことなのだ。そんなチンケな事を気にしている時点で憐れw そんなことより、この素晴らしいストーリーを存分に楽しもうぜ!

マカロニチーズ

E4で、母を除く4人で食事をするシーンがあったが、マカロニチーズを食べてるのに驚いた。 マカロニチーズはアメリカ人しか食べないと思っていたが、ドイツなど ヨーロッパでも食べるんだなと初めて知った。

引っ越しすればぁ?

このドラマに文句をつける点なんて実際は殆どないが、一つだけなんで??と思ったことがある。それはサミラの行動・思考についてだ。サミラは多くの災難が実はカサンドラの仕業だと、かなり早くから気がついていた。なのに、なぜ彼女は引っ越しを考えなかったのか? カサンドラが無敵でいられるのは、あの家の中だけだとサミラももちろん気がついている。早い段階で引っ越しを考えて実行すれば、大した問題はなかった。 それを言っては・・・なんだけど、さすがにここだけは少し残念だった。

ゲイ

サミラの息子フィンがゲイという設定、これがすごく良かった。 そして相手のスティーブが隠れゲイという設定も秀逸。

スティーブは都会育ちのフィンとは違い、周りの友人に男らしい男として見られたく思っている。 だが、これはよく分かる。いくら現代とはいえ、ゲイを公表するというのは簡単なことではない。しかもここはドイツの田舎町だ、カミングアウトなんて学校中の生徒にいじめてくださいと言っているようなものだ。

スティーブとペーターも

スティーブはイイ味を出していた。最悪の家庭環境で育った彼は、ちょっと不良っぽく、クラスで目立つ存在。そしてゲイ。

カサンドラは、スポーツ嫌いで優しく文学的な息子ペーターを常に守っていた。そしてフィンの事も決して傷つけようとはしなかった。だが、子供の同性愛にだけは嫌悪感を示し、強硬に反対する。この理由だが、セリフでの説明はなかったが、おそらくこんな理由だろう。それは息子のペーターもゲイだったからだ。

ペーターが付き合っている相手をカサンドラに語るシーンで、それをなんとなく示唆していた。そして当然、賢いカサンドラもそれに気づいたはず。 それがペーターがイジメられた原因とカサンドラは考えたのだろうか?

そしてこの伏線から、いきなりトップクラスに面白い演出に昇格したのが、このカサンドラにスティーブを対抗させるというマッチング。 ガサツで野蛮なスティーブと、カタブツマシーンのカサンドラ。このバトルは、この厳しいストーリーの中で心から笑えるシーンだったと思う。まあ、カサンドラはスティーブを殺すのかな?とも心配したし、そんなフリもあったが、幸いそんなことは起こらなかった。

夫・ダーヴィトの本性

それにしても、ずっと良い父として、良い人間として描かれていた夫のダーヴィトだが、彼もまたホルストと似たような面を持っていたようだ。ここは少し分かりにくく、もうう少し説明が欲しかったが、彼も追い詰められるとコロッと裏切る、家族の為に犠牲になれる人間ではないという本性を持っていたようだ。多少の伏線はあったが、この意外性もストーリーに厚みを持たせた、なかなか良いポイントだったと思う。

ホルストとダーヴィトは、かなりタイプが違うので、最後のシーンだけで信用ならない男と断じられるのは、少しダーヴィトが可愛そうな気もする。*一応、ダーヴィトの本性に関しても、薄い前フリ的なものはあったが、それでも子供にまで避けられる程ではないような・・ いや、あのカサンドラがダーヴィトの本性を断じたのだから、それが正しいのだろう。

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