このシーズン5をもって最終回を迎える「YOU ー君がすべてー」。あの孤高の変態「ジョー・ゴールドバーグ」は救われるのか?それともイカれた変態として当然の最期を迎えるのか? この「YOU ー君がすべてー」は、卑劣なシリアルキラーを扱うサイコスリラーでありながら、とんでもない妄想で笑わせるコメディの面も持った斬新なドラマ。この個性溢れるドラマがどう幕を閉じたのか? まずは簡単なあらすじから感想、キャストの紹介まで書いていきます。
You have 12 hours until the final season of YOU. pic.twitter.com/6o6HQu34dA
— Netflix (@netflix) April 23, 2025
YOU ー君がすべてー S5 の簡単なあらすじ
ロンドンでの一連の事件(S4)を乗り越えたジョーとケイトは、アメリカで新たな人生を始める。スマートにスーツを着こなすジョーと、さり気なく高貴な美しさを振りまくケイト。アメリカで良い人間になろうと話し合ったこの2人が、このアメリカ・NYでこの上なくうまくやっている。だが、このドラマを見てきた人なら誰もが思うはず。そう、ジョーは遠からずケイトが邪魔になり・・この冒頭の演出はそんな伏線に感じる。ところで冒頭のパーティーシーンでは、背中の開いたドレスを着るケイトをやたら強調していた。確かにケイト役のシャーロット・リッチーは、白人女優にしてはとても肌がきれいに見える。ん?美人アピールか?と思ったが、実はこれも伏線。*これは最終話に回収される。
そんな時ジョーは、例の本屋(今はケイトがビルごと購入しジョーが書店を経営)で、偶然ある女性(ブロンテ/ルイーズ)と知り合う。このブロンテは、ジョーに対し「あなたは何かを隠している」と言うが、なんとなくこの女こそが何かを隠しているように見える。そんな怪しさ満載のブロンテを、なんとジョーはあの本屋の店長として雇うことに。
そして、やはりジョーとブロンテは次第にお互いを意識するようになる(もちろんジョーがブロンテに対し軽くビビっときたから雇ったのだが)。ただこの時のジョーはケイトとの関係を重視し、ブロンテの誘いには乗らない。だが例によって、ジョーは次第にブロンテの事で頭が一杯になる笑
その頃ケイトは会社経営の主導権を巡って、親族のおじや実の妹と争うようになる。ケイトには双子のの妹がいるが、その片割れがケイトに対し常に反目で、おじと組んでケイトを経営から追い落とそうとしている。 そんな中、ケイトのおじがある秘密を握りケイトにCEO退任を迫ってきた。おじを信用していたケイトは激しく動揺し、それをジョーに相談。2人はおじを殺すことを決め、ジョーがそれを実行し成功する。しかしケイトは、空気でも吸うように殺しを実行してきたジョーに対し嫌悪感を持つと同時に、多くの疑念を感じるようになる。 さらに今度は、妹がケイトに牙を剥いてきた。このとき、妹を排除する方法でジョーとケイトに解決不可能な意見の相違が起こる。殺しを主張するジョーと、もう殺しは絶対に許さないというケイト。しかしジョーは妹を箱に閉じ込め、最終的に命を奪うことに成功する。 そしてこれがケイトにばれ、ジョーとケイトの関係は完全に崩壊する。
ジョーとケイトの仲がこじれてくると、身勝手な変態ジョーは、すぐにブロンテに手を出す。ジョーとブロンテは恋仲になり、ジョーはすぐにケイトとの離婚を決断する。しかし、最近のジョーの行動に不信感を募らせるケイトはジョーを尾行。ブロンテとの浮気を知り、ジョーのすべての財産を奪い放り出す。このとき突然ブロンテがジョーの前から姿を消す。必死に探すジョー。そこにブロンテから電話が。スマホに表示された番号からホテルを割り出したジョーはブロンテの元に。だがこれはブロンテの罠だった。ブロンテはベックの大学の後輩で彼女を崇拝していた。ブロンテはベックの敵討ちの為にジョーに近づいたのだった・・・
その後、ジョーとブロンテは一時的に和解し、再び同棲するようになる。ジョーはブロンテを信じるが、もちろんこのサイコパスは、彼女のすべてを信じているわけではない。いつものように何かあればすぐに豹変し、ブロンテを始末しにかかるはず。そしてブロンテは、ジョーが悪人ではないのでは?という疑問から、この同棲を始めている。しかし、そこにケイト、ナディア、マリアン等が現れる。このジョーの被害者たちは、ブロンテに対しジョーから受けた仕打ちの全てを話す。ブロンテはジョーの本当の姿を知り考えを改める。そして大学時代に狂ってしまった自分の人生を取り戻すためにも、メンターでもあるベックのためにも、イカれた変態ジョーを始末することを決意する。
最終話
ジョーの正体を知り、彼をハメようとするブロンテ。だがブロンテはジョーに惹かれている事も自覚している。ジョーに被害者達から全てを聞いたことを伝えたブロンテは、ジョーに銃を突きつけ、殺す前にベックの本でジョーが書き足した部分を消せと命令する。 しかしこの時間をジョーに与えてしまった事で、その最中ブロンテは心を乱されてしまう。規格外の変態ジョーは、短時間でブロンテの心理を正確に分析し、彼女の隙を見つける。そしてその一瞬の隙をつき、彼女から銃を奪い脇腹に命中させる。ケイトと同じ場所を撃たれたブロンテは必死に逃げ、その途中でスマホを手に入れる。しかしブロンテ程度では、この変態から逃げ切ることはできない。結局、池の水に沈められたブロンテ。だが逃げる途中に手に入れたスマホで、彼女は警察に緊急通報をしていた。通話中のままのスマホで、警察に全てを聞かれたジョー。そして駆けつけた大勢の警官に逮捕される。
その後、なんとか生き延びたブロンテ。マディや彼の夫は無罪放免、さらにケイトまで生きていた。ハッピーエンドのような演出が流れるが、このドラマがこのまま終わる訳がない・・・と思ったが、結末は・・・
YOU ー君がすべてー S5の感想
このファイナルシーズン、最終回(E10)とその前(E1~E9)の感想が大きく違うので、ここを分けて書いてみる。まずE1~E9までの感想だが、なかなか凝ったストーリーでとても面白かったと思う。
ブロンテ
まずブロンテのストーリーは今シーズンのメインイベント的な位置づけで、彼女のキャラ設定、ジョーと出会ってからの心境の変化など、意外性もあってとてもよく出来ていたと感じた。そしてブロンテ絡みのシーンで最も面白かったのは、ブロンテ自身の心理描写 VS ジョーのブロンテ分析だ。ドラマでは、お互いに自分が考えていることを実況するシーンが多くあり(もちろん心の中で)、これがジョーとブロンテの心理的な駆け引きになっていた。これは以前からあった演出だが、今回も冴えていたと思う。
特にジョーが正体が明かされた後のブロンテを分析していたが、あのシーンはすごく良かったと思う。ベックと知り合った後に母の看病の為に大学を辞め、その後ルイースはブロンテになる。母の介護をしている時のルイーズは、未来を失い、人生に絶望した自殺寸前の人間だった。そんな時に彼女は、ジョー・ゴールドバーグの存在を知り、ベックの復讐を誓い生きる力を取り戻す。このルイーズの過去を知ったジョーは、かなり正確にブロンテの精神分析をするようになる。そしてイカれた変態のジョーは、またしてもブロンテに対し身勝手で都合の良すぎる妄想を始める。だが、もちろんブロンテは本当のジョーを受け入れる事なんてできるわけがない。
surely Joe handled this situation with composure and poise pic.twitter.com/lj06bpl94C
— YOU (@YouNetflix) April 30, 2025
このシリーズの楽しみの大きな一つに、ジョーの対人分析がある。この変態が自分の良いように相手を分析し行動するのだが、この自分勝手な分析がとても興味深い。ジョーの行動は典型的なサイコパスだが、心のなかで自分と対話しているというのが、他のこの手のドラマ・映画にはない面白さだ。しかも相手の対応を正確に予測し、自分に都合が良ければ都合良く事を運び、都合が悪ければ、自分に都合が良くなるように行動し修正する。
ブロンテのストーリーはラブのそれに少し似ているが、陽気だがダークサイドを持つラブと、暗い性格だが善人なブロンテという、対比の設定になっていた。また、ブロンテがいつしかジョーに本気になり、ジョーの無実を信じるようになったくだりは本当に面白かった。この謎解きシーンの一連のストーリーは良くできていて、特に楽しめた。
リベンジャーズ結成
最終話前では、ジョーの被害者たちが多く登場した。このジョー・リベンジャーズには生者も死者もいたが、中でも今回最も良いキャラだと感じたのはナディアだ。このナディアを登場させたのは、なかなかの一手だ。ナディアはとにかく、ジョーにひどい目に遭わされた代表のような存在(生者で)。彼女はジョーの無慈悲な仕打ち(ジョーの殺人を被せられる)で長期刑に服していたが、ケイトが大金を使って釈放させた。このナディア達ケイト一派と、あのティックトッカー連中が連携し、ガンガンにジョーを追い詰めていく様はなかなか面白かった。
先が思いやられるヘンリー
それとジョーの息子ヘンリーも興味深かった。この手のストーリーではありがちだが、ヘンリーは分かりやすいサイコパスの兆候を持っている。結構早い段階からこの伏線を張っていたが、このパターンは最後の最後で・・という予測が立つ。ところがヘンリーとジョーのラストシーンは、それとは全く逆の展開だった。これはヘンリーもジョーのような変質者で~と視聴者に思わせて、実は正常だったという演出だったのか? それとも、ああいうラストだったが、その後のケイトの家族はジョーの呪いから逃げられない~的な想像をしろということか? 個人的には後者だろうと確信している。ヘンリーの暴力性は、明らかにジョーのそれを受け継いでいる。いや、おそらくジョー以上のものだろう。あまりにも普通すぎるこのドラマのラストシーンだが、いや、ヘンリーのストーリーはこれからだよ・・というサイコスリラーを際立たせるためだった・・・・と思いたい。
最終回の感想
この最終回、どう考えるかは人それぞれだと思うが、主に2パターンの解釈があると思う。圧倒的な多数派であろうパターンは、ジョーという凶悪犯を倒したケイトやブロンテ、ナディア、マリアン、そしてティックトッカー達の正義が成された物語。ここまで身勝手な犯罪を数多く犯してきたジョーが、被害者女性たちに吊し上げられた~というハッピーエンドだ。 もちろん、ケイトはヘンリーと幸せに暮らし、ブロンテは人生を取り戻し、ティックトッカー達は次の犯罪者を追い詰める! そんな明るいエンディングだ。
自分の解釈も、これとほぼ同じ。だが、これだけだとあまりに薄く、あまりに平凡な結末だ。確かに映画やドラマの犯罪者の結末なんてのはほぼ死で終わる。しかも、本質的にジョーは性犯罪者なので、この結末は誰にとっても受け入れやすい。では、なぜヘンリーに暴力性をもたせたのか? ヘンリーは最終的にジョーとの決別を迷いなく選んだが、サイコパスというのは基本的に自分以外の人間の生死に興味がない。一応、母親にだけ異常な愛情を示す例は多いが、実の親であっても平然と殺すのがサイコパスだ。ヘンリーの物語は、今後語られることはないと思うが、やはりケイトはもう一度サイコパスと対峙することになる~という救い難い未来のほうがこのドラマっぽいと思う。
虐げられた女性が力を取り戻し、異常な経験をしてきた子供が幸せな未来を生きる。そんな結末も良いと思うが、このドラマはとてつもない変態性犯罪者の物語だ。ホームドラマではなく、サイコスリラーなので、やはり別の解釈をしたいと思うのが普通だと思う。 実際、ヘンリーが将来、多くの女性の敵なるかもしれないという設定は作られていたはずだ。道義的な理由か何かで隠し設定になっているだけだろう。そういえばヘンリーが起こした複数の暴力は、ほぼ女性に対してばかりだったはず。この辺も、ただのハッピーエンドでは終わらないというフラグかなと感じた。
↓理由はどうあれ、女性にナイフを投げつけるガキが(この直前に、少女の顔面をボコボコに殴ってもいる)、まともに成長するとはとても思えない。
The most shocking moment of YOU Season 5. pic.twitter.com/LJd6uOXbes
— Netflix (@netflix) April 24, 2025
総評
ということで今シーズンの総評だが、正直イマイチかなぁ・・というのが偽らざる感想だ。シリーズ開始当初の、善悪の判断をつけづらいジョー。良いところも悪いところもあるが、完璧なダークサイドも持っていたという驚き。その後、変態が加速していき、本物の犯罪者になってしまう。個人的には、こういう人間の最期を中心に最終シーズンは描いてほしかった。正直、正義が成されるかなんてどうでもよくて、ジョーのはなはだ不本意な最期を描いてほしかったと思う。女性視点ではなく、ジョー本人の視点で。
それとジョーが一流の犯罪者か?という件は、今までの犯罪の実績からいうと、やはり一流と言えるはず。だが、多くの犯罪者がそうであったように、追い込まれていくと粗さが目立ち始め、やがて崩壊する~というパターンから、このジョーも逃れられなかったということだろう。
ちなみにジョーの刑罰だが、殺した人数的におそらく仮釈放なしの終身刑だろうと思う。もちろん本来は死刑だが、見つかっていない遺体の場所や、まだ解明されていない犯罪などについて自供→取引という流れで減刑を受けたということだろう。
ということで、改めて感想をまとめると、この斬新なドラマの結末としては、少し残念に感じた・・というのが本音だ。
YOU ー君がすべてー S5で目についたキャスト
最後にYOU ー君がすべてー S5に登場したキャストの紹介。ペン・バッジリーとシャーロット・リッチーは前回紹介したので(こちら→YOU ー君がすべてー S4の感想)、その他で目についたキャスト2名を紹介します。
アンナ・キャンプ / マディ(リーガン)・ロックウッド
今回ケイトの双子の妹を、一人二役で演じたのがアンナ・キャンプ。この人が今シーズンのMVPなのは誰の目にも明らかだろう。
アンナ・キャンプは、グッド・ワイフや映画ピッチ・パーフェクトなどで知られる実力派。この人は演技も上手いが、他の俳優にはない個性がある。今回は一人二役で、その実力を遺憾なく発揮している。性格の異なる双子を怪演し、今シーズンのハイライトともいえる活躍をした。
We out here 👯@YouNetflix 🩸 pic.twitter.com/CAVvkzBnIJ
— Anna Camp (@TheRealAnnaCamp) April 26, 2025
個人的に、アンナ・キャンプの存在をハッキリ認識したのはグッド・ワイフだ。シーズン3でアリシアのライバル的なキャラ、ケイトリンを演じている。このケイトリンは、デヴィッド・リーの親族で、コネ入社のような形でロックハート&ガードナーに入ってきた。その後、ウィルに近づいたりしてアリシアにとって非常にウザい相手となった。ところが、実はピュアな性格で弁護士としての能力も高く・・・という意外性十分なキャラだった。さらに意外性十分な退場の仕方までみせる。確か、グッド・ワイフの最終シーズンにも再登場し、今も幸せな結婚を続け、弁護士にも復帰・・という、まさにアリシアの天敵のようなキャラを好演した。
現在のアンナ・キャンプは、2025年6月に「Bride Hard」という映画が公開予定、その後ドラマが一本ほぼ決定という状況。相変わらず大忙しの人気女優なので、今後彼女を見る機会はいくらでもあるだろう。
ロビン・ロード・テイラー / ウィル
シーズン2以来の久々の登場となったウィル。ウィルは、ジョーにあの箱に長期間閉じ込められ、生きて出ることを許された数少ない人間だ。う~ん、あの頃のYouは面白かったなぁ・・
Penguin has every reason to be grateful for you — we do too. 🐧🖤 #Gotham pic.twitter.com/Dm9za9EjiX
— Gotham (@Gotham) April 22, 2019
そんな個性的なウィルを演じたロビン・ロード・テイラー。彼は、ゴッサムのペンギン役が人生最大のハマり役だったと思うが、このウィルもなかなか印象に残った。とても個性のある俳優なので、もっと活躍してほしいと思うが、やや伸び悩んでいるかな? とはいえゴッサムペンギン役以降は、コンスタントに出演を続けているので、ゴッサム以前に比べれば順調と言えるのかも。
そういえば、少し前のジョン・ウイックにも出演して、しっかり存在感を示していたし、Law&Orderの組織犯罪かな?ステイブラーが主役のドラマにも準レギュラーで出演したのを見た。相変わらず個性的で良い演技をしていた。
最近の彼は、一本のドラマにクレジットされているが、今のところ放送されるかまでは未定のようだ。わりとお気に入りの俳優なので、なんとしても頑張ってほしいと思う。

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