ゲーム・オブ・スローンズ最終章の放送前、その時間の長さからホワイトウォーカーとの決戦を描いた一話だろうと予想され、最終シーズンの中で最も話題になっていた第三話が今日公開された。
まず見終わった感想は「凄い」の一言。
この「夜の王 VS 北&ドラゴン連合軍」の戦いの最大の見所は、壮大そのものだった大規模な戦闘シーンより、ひたすら怖いホワイトウォーカーと戦わなければならない戦士たちの心理描写だったと思う。
個人的な感想だと、戦闘シーンの凄さだけを取るなら「落とし子の戦い」のときのほうが「スゲー」と感じた。でも今回の夜の王との戦いは、まあ怖くて怖くて、「ちょっと逃げたほうがいいんじゃないの?」なんて何度も思った(笑)。
そんな中で最も心に残った戦闘シーンは3つ。
最も印象的だったシーン3選
- アリアがウインターフェル城内でホワイトウォーカーに追われるシーン
- シオンがブランを守り倒れるシーン
- ジョラー・モーモントがカリーシを守り倒れるシーン
これは説明の必要もないでしょう。シオンとジョラーは、おそらくこういう最期になるだろうと思っていたけど、2人がこれだけ素晴らしいシーンで終われるというのは、彼らの人気はもちろん、製作者からのリスペクトがあったのだと思う。
悲しいシーンだったが、2人の人生を考えると、これで良かったと思えるシーンだった。
そしてアリアのシーン。最終的にアリアのエピソードだとも言える今回の一話だけど、ハイライトは決着のシーンより、あのハラハラドキドキした城内のシーンだと思う。
以前共に旅をした2人の戦士に助けられ、目的を果たすために立ち上がるアリア。目の前で父が斬首されたあの日から、常に厳しい戦いの中を生き抜いたアリアでも、このシーンのピンチは最大級のものだったと思う。そして生き延びた。
このすごい緊張感の一話で、最もハラハラさせられ、一番心に残ったのは、アリアがウィンターフェルを抜け出す一連のシーンだった。
夜の王の正体
今回、ちょっと??と思ったシーンの一つに、夜の王がドラゴンの炎でも焼かれなかったといいうのがある。
ホワイトウォーカーは火に弱いはずで、焼かれると再生不可能になるはずだ。ところがホワイトウォーカーの首領である夜の王には、火どころか、ドラゴンの吐く炎も効果なかった。
確か夜の王は最初のホワイトウォーカーで、元々は最初の人々(人間)の一人だったはず。
以前、「最初の人々と対立していた森の子が、魔法か何かで最初の人々の一人をホワイトウォーカー化し、それが夜の王になった」という話があった。
炎が効かない人間といえばカリーシがいるけど、もしかして人間だった頃の夜の王はカリーシの祖先なのだろうか? そうするとジョンも炎が効かない人間かもしれない。そういえばドラゴンに乗ったのは、カリーシ、ジョン、夜の王だ。
最近無いけど、ミッサンディがカリーシを紹介するスピーチの中で、「最初の人々の一人であり~」みたいな下りもあることだし、夜の王はカリーシというかターガリエン家の一員なのかもしれない。まあだいぶ昔の話だろうけど。
この辺りは、本編ではなくスピンオフで語られるのかな?
成長したスターク家の子供達
今回の一話で感じたことに、スターク家の子供達が本当に成長したというのがある。
先程書いたアリア。今や北の総督となったジョン。
体の不自由にも大きな運命にも押しつぶされず、器量を身に付けたブラン。
そのブランに、再び家族と認められたシオン。
ただの美人ではなく、明晰さとリーダーシップを持ち合わせるサンサ。
2人の兄弟と両親を亡くし、苦難そのものの人生を歩んできたスターク家の子供達。
この子達がこの最終章に入り、家族の団結を口にするようになった。これはウィンターフェルでの久々の再会であり、皆苦労したことを聞いているからでもあるだろうが、どうもそういうことではない理由も見え隠れする。
シーズン8開始直後からの違和感
この最終章が始まった当初から、それまでとは違う流れを感じていたファンは少なくないと思う。
シーズン7の最終回で、ジョンとカリーシが結ばれたが、実は2人は血縁関係にあるということが判明した。
誰もが「え~っ??」となったと思うが、そこから新シーズンへの繋がり方に違和感がある。
例えば、E1では、サムの父と兄がカリーシとの対立によって粛清されたことを知らされると、サムは一気に反デナーリスとなりジョンを焚きつける。
そしてサンサも何故かデナーリスに反抗的だ。一応、美人に弱いジョンを操っているのかも?とサンサが疑っていたという理由があるようだが、ホワイトウォーカーと戦う前に、そんなことだけでは理由として弱い。
アリアやブランは特に反対していないようだが、再会した家族との絆を強めている。
そしてジョンの出生の秘密が明らかになる。
【予想】新たな対立構図へ
こうなると、なんとなく浮かび上がってくる予想は、カリーシとジョン(スターク)が対立するという構図だ。
もちろんウィンターフェルでの戦いに加わらず戦力を温存したサーセイのラニスター軍は脅威だ。だが、最終的にカリーシとジョンが対立するとなるなら、サーセイは余興になってしまう。なんといっても、このゲーム・オブ・スローンズは残り数話しか無い。
ラニスター軍との戦いを大きく描くことはもう無いような気がする。ここはある程度に抑えて、クライマックスはカリーシとジョンの鉄の玉座争奪戦になる可能性が高いように思う。
この場合、ジョンはスターク家の一員ではあるが、血統的にはターガリエンでもある。だがジョンがスタークを捨ててターガリエンを選択するというのは考えにくい。
どちらにせよ、ジョンはスタークの一員として生きるだろう(または死ぬ)。
こういう展開を匂わせている以上、ターガリエン家とスターク家が鉄の玉座を争うことは、もう間違いないだろう。*戦争になるか?は別として
当然そうなると、どちらかにサーセイが同盟を持ちかけてくる可能性がある。近い内に実現しそうなサーセイとジェイミーの再会が、これに関係してくるかもしれない。
またジョンはカリーシとの戦いに反対するだろうが、カリーシは鉄の玉座を争うのならジョンとの対立も受け入れるだろう。
ラニスターとの戦いがクライマックスになるのなら、あまり複雑に考えることもないが、もしカリーシとスターク家の2択となるのなら、誰が誰に付くのか?という面白さはある。
個人的には(というかファンは皆そうだと思うが)、最後にカリーシとジョンがラニスターと戦ってほしいと思う。そしてその勝者が鉄の玉座に座る。それが一番スッキリするが、今の流れ的にジョンとカリーシの争いは避けられないだろう。
対立構造
またこんな見方もある。 このシーズン8で、初めてカリーシの軍(多国籍軍)が北の大地を踏む。そうすると保守的な北の民は、異人種集団のカリーシの軍に心を開かない。
保守的で他民族を受け入れない北部の国と人々。反対に人種や言葉、文化に全く壁を作らず寛容なカリーシの軍。
ただし、ジョンは壁にいた事で異人種間の交流に抵抗がない。またアリアもブレーヴォスにいた事からあまり閉鎖的ではない可能性がある。
この対立構造は、異文化に寛容になろうとして四苦八苦しているユーロと、移民を受け入れないと決めたイングランドの構造に少し似ている。またアメリカとイングランドとも書きたいところだが、最近のアメリカ(トランプ大統領)はイングランドを問題にしないほど非寛容だ。
こういう構図をわざと演出してきたゲーム・オブ・スローンズが、最後にどういう結末を用意しているのか?これはかなり興味深い。
特に今回の戦いで多くの兵士を失ったカリーシに対し、スタークがどう接するのかを見てみたい。そして当然、サーセイがどう動くのか?が鍵になるだろう。
サーセイはキングスランディングに対ドラゴン用の兵器を用意していたし、大量のワイルドファイアの備蓄もある。戦略的にまず籠城するというか、キングスランディングを戦場に選ぶはずだ。
ただ、もちろんこのカリーシ、ジョン、サーセイが退場し、別の誰かが鉄の玉座に・・ということもあり得る。
今の流れ的に、鉄の玉座に座るのは、サンサ、アリア、ブラン、もしくはジェイミーやティリオンという可能性も出てきた。
まあなんにしても、大半のキャラは死んでいくだろうが・・ ゲーム・オブ・スローンズ、史上最高のドラマも残り三話。どうなるのか? 多分、全く予想もしていなかった結果になるような気がする。また一週間、期待して待とう。
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