アメリカン・ホラー・ストーリー シーズン8「黙示録」を見た感想です。
今までこのブログで何度もアメリカン・ホラー・ストーリーの感想を書いてきたけど、自分ではかなり久しぶりに書くな・・という感じがする。実際、前作「カルト」の最終回の感想を書いたのが1年半前なので、まあ久しぶりか。
それはいいとして、これまでのアメリカン・ホラー・ストーリーは全てスカパー局の「FOX」で見てきたけど、今回はNetflixでの視聴になる。もちろんFOXの方が早く見られるけど、Netflixの利便性とコスパを知ってしまうと、もうスカパーにもFOXにも戻れないね。
ということで、初めてNetflixで見るアメリカン・ホラー・ストーリー、まずは感想から行きます!
黙示録の感想
今までもアメリカン・ホラー・ストーリー第一話のオープニングはショッキングなものが多かったけど、今回は全世界核攻撃という壮大なもので幕開け。その後、選ばれた者のシェルターでの生活がメインシナリオだ。
このシェルターは共同体(元イルミナティ)が運営するもので、この共同体(人間)と魔女、そして悪魔がそれぞれの思惑を持って行動している。基本的には共同体は悪魔側、魔女団は共同体はどうでもよく、悪魔を滅ぼす事に命をかけている、という構図。
この構図は結構面白くて、悪魔が人間に操られ最終戦争を起こす、そして人間(共同体)の目的も悪魔と同じく世界の破滅。魔女団(ある意味ここも人間)は破滅を回避するのが目的。この大筋はとても面白く、途中まではどうなるのかワクワクしながら見ていた。
このアメリカン・ホラー・ストーリーの「途中までは・・」というのは、もうこのブログでは恒例で、毎回同じことを書いているような気がする。アメリカン・ホラー・ストーリーは確かに面白いし最後まで興味は尽きない。ただ終盤(特に最終回)がいつも急ぎ過ぎの感じになる。
今回も悪魔が一時的に倒されるシーンは良い、再降臨する過程も良い。だが、ラングドンが倒されるシーンがどうもチャチに感じた。
さらにラングドンを操り、共同体を事実上乗っ取ったあのオタクCEOの2人はどうなったのか? 不気味な存在感を発揮していたあの二人、悪魔以上に悪魔的な二人が、サラッとフェードアウトではあまりにももったいない。
魔女団の件も中途半端だし、新スプリームのその後もうやむやだった。アメリカン・ホラー・ストーリーは、シーズン1のみ最後まで緊張感を保ったが、シーズン2以降は最終回だけイマイチという変なルーティンが定着している。
とはいえ、シーズン2から毎回のことなので、まあしょうがないな・・とも思っている。というのも、この形態で長期に渡って面白さを持続させるのは相当すごい事。最後が少し物足りないくらい、許容範囲内と考えよう、と。*ただしシーズン6の体験談(ロアノーク)だけは、あまり面白くなかった。
ということで、今回の黙示録はいつものクオリティを保ちつつ、新しい面白さもあった。そして最後がイマイチだった。良い意味でいつも通りに面白いアメリカン・ホラー・ストーリーだったと思う。そしてもちろん次回も必ず見るよ。
アメリカン・ホラー・ストーリー 黙示録のキャスト
黙示録のキャストはクレジットを見れば分かる通り、いつものメンバーだと言える。今回のメインもサラ・ポールソンとエヴァン・ピーターズというおなじみの顔。
ただし主演級に新顔のコーディー・ファーンが登場。まあコーディー・ファーンの場合、新顔といってもアメリカン・クライム・ストーリーでかなり重要な役を演じていたので、アメホラファミリーでは新顔でも、ライアン・マーフィーファミリーでは馴染みになりつつある俳優だ。
他に目立ったキャラは、自己中心的な高飛車ビッチ役のエマ・ロバーツ。今回も相変わらずな強烈キャラを演じたキャシー・ベイツ。カルトで存在感を発揮したビリー・ラードが、さらに重要な役で連続出演。そして魔女団以来、久しぶりのタイッサ・ファーミガ。もうアメホラには出演しないとか前にインタビューを読んだ気がするジェシカ・ラング。
もう一人、キャラだけど久々に登場したブードゥーの魔神「パパ・レグバ」。レグバは人間の望みを叶えるが、等価以上の対価を要求する不気味なモンスター。もちろん今回も存在感は抜群だ。
エヴァン・ピーターズ
個人的にアメリカン・ホラー・ストーリーで一番のお気に入りはエヴァン・ピーターズ。
彼はアメリカン・ホラー・ストーリーで常に主演級を演じ、最も多くの出演回数を誇るシリーズの中心的存在だ。演技力は高く、どんな役でもこなす能力を持つ。サイコパスの演技を得意とし、特に二面性のある人間を演じさせると実力をフルに発揮する。
今回の黙示録では、ゲイの美容師役とクロスオーバーでS1の無差別銃撃犯、さらに「ホテル」でのイカれた大量殺人鬼で大富豪のミスター・コルテス、そしてラングドンを擁し共同体を事実上乗っ取っていた謎の起業家の4役を演じた。
ミスター・コルテスは恰幅の良い紳士で、S1の青年はどこにでもいそうな少しオタクの入ったRock系の学生、そして今回はゲイ丸出しのイヤミなセレブ美容師。今回のエヴァン・ピーターズは若者役が大半を占めたので、体重を絞り、かなり若々しく見えた。こういう役作りがハリウッド俳優のさすがなところだ。
ただし、この黙示録に限って言えば、一番美味しいところはコーディー・ファーンに持っていかれた感じがする。
コーディー・ファーン
コーディー・ファーンはアメリカン・クライム・ストーリーで、主役の連続殺人犯の彼氏(ゲイ)役を好演したことでアメホラにも登場。クライムストーリーでは、物静かで頭の良いハンサムな好青年を演じていたが、今回の黙示録では突然現れた謎の多い男・ラングトンを演じた。
目的が不明で判断に迷う役といえば、ハウス・オブ・カードでコーディー・ファーンが演じていた役に少し近い。ハウス・オブ・カードでは、ダイアン・レインの弟だったか息子だったかの役だったが、あの時に目立ったのは彼の演技というより、独特なルックスの方だったと思う。
これは悪い意味ではなく、コーディー・ファーンのクールなルックスは相当に目立つ。少しネタバレすると、今回の黙示録では悪魔の息子の役を演じたのだけど、この役は彼のモード系的なルックスにピッタリだったと思う。
キャラ的にもルックス的にもエヴァン・ピーターズと被るところが多いので、そういう意味でも今後注目だと思う。また、次のシーズン9でも重要な役で継続出演している。
エマ・ロバーツ
エマ・ロバーツにとって魔女団でのマディソン役は完璧なハマり役なので、この再登場はかなり楽しめた。実物のエマ・ロバーツがどういう人なのかまでは知らないが、彼女のルックスはどうしても意地悪で生意気なチアリーダーというイメージになってしまう(笑)。
そんなマディソン、レジ打ちの仕事がマディソンにとっての地獄とか、コメディ的な演出が入るのも彼女の特徴。ただ魔女団でのマディソンは血も涙もない女で、どちらかと言うと前スプリームのフィオナに似たタイプだったが、黙示録でのマディソンは多少人間味を感じた。地獄で削られて、少し人間が丸くなったのだろうか?
そんなエマ・ロバーツだけど、実はかなり演技が上手い。当たり前のようにこなすので気づきにくいが、彼女は女優としての才能にも恵まれているのは間違いない。
そして次回のシーズン9では黒髪の善玉を演じるっぽい。こういうキャラチェンジは俳優の実力を測りやすいので要注目だね。
ビリー・ラード
Google検索日本版では「ビリー・ロード」と表記されているが、今更変えるのもアレなのでそのまま「ラード」表記を続けます。
ビリー・ラードはシーズン7の「カルト」で、主役「カイ」の妹を演じていた。この役が結構カッコいい役で、なんとなく日本人受けしそうな役でもあった。
彼女の場合は、線が細い善玉側(本来アメリカン・ホラー・ストーリーに善悪はあまり意味がないが)を演じることが多い、というか似合う感じだが、実は・・みたいなタイプでもある。また彼女の場合は演技がどうこうというより、個性で売るタイプだと思う。なのでキャスティングが合えばカルト的な人気が出やすいんじゃないかな。
ところでこの人、キャリアを見ると比較的浅い割にはスターウォーズシリーズに何度も出ている。これはなかなか凄いことだが、実は母親がキャリー・フィッシャーなんだそうだ。そういう意味でスターウォーズにも出ているのかもしれないが、これにはビックリした。2世女優というか、セレブの生まれなんだね・・
そしてビリー・ラードも引き続きシーズン9にも登場。トレイラーを見ると、なんとブロンドビッチに・・ これはエマ・ロバーツとキャラチェンジをしたみたいだ。 マンネリ化しないためだと思うが、さすがライアン・マーフィー、大胆な変更をしてくるなあ。
そんな感じで、次シーズンも期待大だ。アメリカではすでに放送が終わったはずなので、楽しみに待ちましょう。
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