アフェア 情事の行方 S4~5(最終回)までの感想

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アマゾンプライムビデオでアフェアの全シーズンが配信開始。気になっていたシーズン4、最終シーズンの5をようやく見ることができたので、今回はその感想!

アフェア 情事の行方について

アフェアはシーズン1と2の完成度が素晴らしく、先を読ませない脚本が抜群に良かった記憶がある。

幸せな家庭を持ち何不自由なく見えたノア(主人公)が、バカンスで訪れた妻の地元でアリソンという女性と知り合う。このノアとアリソンの出会いからドラマ・アフェアは始まる、その後ストーリーはノアとアリソンの浮気を発端に起こる事件(主要キャスト誰かの死)の真相にフォーカスし、サスペンス色を強めていく。その過程では、主要キャストの誰が死んだのか?なぜ死んだのか?誰が殺したのか?と謎が謎を呼びスリリングに展開する。

そしてその後、さらに驚きの展開をみせてシーズン2は終わる。ここまでは最高レベルの面白さだったので、個人的にもシーズン3以降に大いに期待していた。ところがそのシーズン3が盛大にコケる。まあとにかく暗い、そしてわかりにくい。一体何が現実で何が妄想なのかが判別不能。意味不明すぎて挫折寸前だったが、なんとかシーズン3をガンバって最後まで見た。それが2018年の9月、今から約3年前の話だ。

そんな過去があったので、3年ぶりに見るアフェアは正直言ってまったく期待していなかった。そしてシーズン5で完結というニュースを見ていたので、個人的な興味はこのドラマがどう完結するのか?という点だけだった。ところがシーズン4は予想に反して面白かった。最終シーズンの5も、ややわかりにくい面があったもののなかなかの出来。そして最終的には、このアフェアというドラマが伝てきたメッセージが心に刺さった。

視聴者にこれだけ明確にメッセージを伝えられたドラマが過去にあっただろうか? アフェアを最後まで見た感想を一言でまとめるなら、今後の自分の人生に間違いなく影響を与えるだろうドラマ。大げさでなく、本気でそんなふうに感じている。

シーズン4のポイント

まずシーズン4だけど、これは本当に面白かった。あれだけ前シーズンでコケたのによくぞ盛り返したと思う。

アフェアの主要キャストは4名。主人公で作家のノア・ソロウェイ。ノアの元妻のヘレン・ソロウェイ(離婚後は旧姓のバトラーに戻す)。ノアの浮気相手で再婚相手のアリソン・ベイリー。アリソンの元夫のコール・ロックハート。

シーズン4では、この4人それぞれに新しいパートナーができる。*実際は前シーズンからパートナー関係にあったキャラもいる。

ところがこの4名は、全員自覚している・いないに関わらず、離婚した相手を心のどこかで想っていた。これが最終シーズンに繋がるシーズン4のメインテーマ。

このテーマを元に4人を描くのだけど、まずノアが最初にヘレンへの気持ちを自覚する。ほぼ同時にコールもアリソンへの気持ちを自覚。そしてアリソンはコールが最高の相手だと気づきながらも、コールの気持ちは自分には向けられていないと感じている。

そしてヘレンはノア後のパートナー・ヴィクを亡くした事で過去の自分を変えようと試みていた。なのでヘレンがノアへの気持ちをハッキリ自覚するのは4人では一番遅いシーズン5になる。

根が女好きのノア、マジメなヘレン

ノアとヘレンは結婚当時は理想のカップルとして、離婚後は対象的な2人として描かれていた。

ヘレンは身持ちが固く実家はリッチ。ノアは一般家庭に生まれ、アリソンとの浮気までは誠実。だがヘレンとの離婚後は一気にヤリチンに変貌。というかノアはもともと大の女好きで、離婚を機に絶倫のヤリチンだったことが判明。

このノアの女好き問題は、ヘレンだけでなく娘のホイットニーとの確執にまで発展するが、ドラマでは意外とユーモラスに描かれていたりもして個人的には結構楽しめるポイントだった。

そしてヘレンもヴィクを失った事で、遅ればせながらノア並みの男好き(下品すぎるのでヤリOンとは書かない)に変貌するw

このヘレンの変身もストーリー上はシリアスなのだけど、どこかユーモラスに描かれていた。この辺の描写(大人向けの簿妙なお笑いシーン)はかなりセンスがいいと思った。

生真面目なコール、闇を抱えるアリソン

コールはノアと対象的な人物と描かれる事が多かった。コールは自分が納得したことを突き詰めるタイプなので、人生設計も人間関係もしっかり構築するタイプ。逆にノアは楽天的で明日は明日の風が吹くタイプ。

そんなコールなので、アリソンとの息子の死は彼の人生にも大きく影響した。ただ、息子の死を長年引きずり、克服することが出来なかったアリソンとは違い、コールは自分たちの人生を前向きに考えることに努力を惜しまなかった。

結局アリソンも、ノアとの出会い・離婚を経て息子の死から立ち直る兆しを見せる。それがシーズン4。そんなアリソンの変化を感じたコールはアリソンとの復縁を決意。

アリソンは最期まで・・・

この展開はそれなりに面白かったけど、少し違和感もあった。このアフェアの当初の主人公はノアとアリソンの2人だった。

アフェアは1時間枠を2等分し、前編をノア編、後編をアリソン編として描くことが多かった。そして同じシーンでも各自の視点で大きくイメージが変わるという斬新な演出を多用し視聴者を楽しませてくれた。

ここでちょっと思い出したい事がある。 最終的にノアはヘレンと復縁し、2人は人生で手に入れるべきものを手に入れることができた。 それに比べアリソンの最期は、ようやく息子の死に一区切りつけることが出来、娘(ジョーニー)との生活も安定しかけ、自分のやりたい仕事もみつける。しかもアリソンはまだ知らないが、コールが復縁を持ちかけてくる・・そんな状況であの最期。

おそらく本来はアリソンとコールのストーリーも最終シーズンで描かれる予定で、そういう脚本案があったのではないだろうか? だがアリソン役のルース・ウィルソンが自ら降板を望んだというのが影響し、結局この変更になった・・ アリソンとコールに関して、特にドラマ開始当初主役であったアリソンのストーリーの薄い結末には、そんな違和感がありありだった。

シーズン5について

シーズン5はシーズン4の直後、そしてコールとアリソンの娘「ジョーニー」のその後(30年後くらい)、そしてノアの晩年の3部構成で描かれている。✱ジョーニー編とノア晩年編は同期

シーズン5の主な感想は2つ、良い面と悪い面がある。良い面は、非常に明確なメッセージが伝わったこと。悪い面は、微妙にジョーニーを演じた女優「アンナ・パキン」が合っていないと感じたこと。

ジョーニーについて

まず悪い面からいくけど、まあ実際は「悪い」とまでは感じていなくて、ちょっとイメージと合わないなぁ・・という感じだ。アンナ・パキンといえば、言うまでもなく良い女優、実力も実績も十分だ。だが、あのアリソンの娘ジョーニーのイメージと合うか?と言われると、だいぶ違うように思う。

アンナ・パキンは繊細というか、少し神経質な美人を演じるのは得意なので、大筋ではジョーニーのイメージ像には合う。だが、アリソンの娘という意味では、アンナ・パキンは強気すぎるし、セクシーすぎると思う。

アリソンはソフトなタイプで、やや流されやすい面があった。そして本人が悩んでいたように、少しいい加減というか、ルーズな面があった。

一応、成長したジョーニーは、アリソンのようにはなりたくない(同じ失敗はしたくない)という事で、強く賢い人間に育ったと描写されていた。

でも結局は、アリソンの悪い面(アリソンの言う悪い面)も大きく受け継いでいる。個人的な意見だと、もう少しマイルドな雰囲気の女優が合っていたんじゃないかなぁ・・と感じ、ちょい残念。

ソロウェイズからのメッセージ

そして良い面。これはシーズン5という意味でもあるが、このアフェアというドラマのメッセージ性に特別な素晴らさを感じたことだ。

アフェアは不倫で始まり、最後は復縁で終わった。要は「許し」が大事という意味なのかな?なんて漠然と想っていたが、最終回を見ていて「許し」ではなく、人生は「自分が本当に大事だと思うことを優先するべき」という明確なメッセージがあることに気がついた。

ヘレンは、不倫をし家族を捨てたノアを許した。ノアも自分を陥れた男と付き合っているヘレンを許した。そしてソロウェイズ(ソロウェイ家族)も全員がノアを許した。しかも、わざわざヘレンの墓がヘレンの両親の墓の隣にあるという、ヘレンの両親までもがノアを許した演出まで見せた。

「自分が本当に大事だと思うことを優先し、必要ならどんなことでも許せばいいんだよ」、自分にとってこのメッセージは強烈だった。ヘレンが、ホイットニーが、トレヴァーが、ノアを許さなければ、ホイットニーの本も、ヘレンの墓標も、ノアのダンスも生まれていない。人間誰しも間違いはある、だが本当に大切なことがあるなら、憎むより許す方が実りのある人生が送れる。

少し前に、元ライブドア社長の堀江さんが、これと全く同じようなことを言っていたが、まず間違いなくこの考え方は正しいと思う。ヘレン達以外にも、ジョーニーは家族のためにベンを許し(これは許すというより無視したという感じだが・・)、ジョーニーの夫も家族のためにジョーニーを許した。このジョーニー夫妻の決断は相当に難しいものだ。だが、自分が本当に大切にしたいものを見失わなければ、浮気も殺人ですら許せると。

許せなかった者、大切なものを見失った者

このアフェアでは、ソロウェイズのように許せた者もいれば、そうでない者についても描かれていた。

許せなかった者というと、まずコールの再婚相手「ルイサ」だろう。ルイサは不法移民だが、アリソンの死後ジョーニーの親権(実質保証人)の件で米国のビザを取得できた。ところがいつまでもアリソンを忘れられないコールの事はどうしても許せなかったようだ。

それはコールとルイサが離婚したことからわかるし、何よりも晩年のルイサがまったく幸せそうに見えない事からも分かった。さらにジョーニーに対し、アリソンやコールの真実を全然伝えていなかったことからもわかる。

コールの性格からして、時間を与えればコールは前を向いた(ルイサとの結婚を大事にしようと考えた)だろうし、そうなればコール、ルイサ、ジョーニーの3人家族でそれなりに幸せな生活が出来ていたはずだ。なにしろコールとルイサには、ロブスターロールを売って得た大金があったし。いちばん大切な者を見失い相手を許すことが出来なかったルイサは、あまり幸せとは言えない人生を送っていた。

そしてベン。ベンはアリソンを殺しただけでなく、ジョーニーが自分の犯行を突き止めた場合の対抗策まで講じていた。そんなベンはアリソンの死後、妻への暴行で逮捕され投獄され、老人になってからも一人寂しく施設の運営を行っていた。結局ベンは、アリソン、妻、そして自分を許せずに、一人きりで怯えて暮らしていた。結局ベンも一人で寂しく不幸な人生を送り続けるしかなくなっていた。

許していたコール

そしてコール。コールも死んでいたが、死因は心臓麻痺で、モントークの実家で一人で死んだとのこと。

これだけを聞くと、コールも多くの人達を許せずに孤独に死んでいったようにみえる。だがコールが死ぬ時、必死に薬の方に這っていった痕跡があったというセリフがあった。アリソンを亡くした時は絶望のドン底にあったコールだが、死ぬ時のコールにはなんとしても生きようという気力があったということだ。

これはその時のコールがアリソンの死を受け入れ、ジョーニーを育てることに楽しみを見出していたことを意味している。コールが死んだ時、ジョーニーは家を出ていたとのことだが、それは単にジョーニー.が成長し実家を出たというだけの話だ。さびれたモントークにいるより、NYに出たほうがジョーニーのため、コールならもちろんそう考えただろう。

コールもすべてを受け入れ、自分にとって最も大切なジョーニーを育てることを選び、最後はそれを成し遂げて死んでいった。コールの死は不幸で寂しい死ではなく、アリソンとの娘を送り出した後の死、娘の成長をもっと見たかったが・・という死だった。

「自分の大切なものを見失わずに、必要なら許すことも必要」というアフェアのメッセージ。誰の人生でも許すことが難しいことは多い。でも自分がそういう選択を迫られた時は、このメッセージを必ず思い出すと思う。

アフェアのキャスト

最後にアフェアの主要キャスト4人の紹介!

ノア・ソロウェイ役/ドミニク・ウェスト

アフェアのシリーズ通しての主役といえる「ノア」を演じたドミニク・ウェスト。

ドミニク・ウェストの印象は、若い頃はかなりのイケメン俳優だったことかな。なので個人的にはあまり演技派という印象はない。過去の出演作で言うと、映画では脇役だったが「300」.ドラマでは名作として名高い「ザ・ワイアー」あたりが印象にある。

ドミニク・ウェストはアフェア後の活動も順調そのもので、アフェアS4以降だけでも8本のドラマにすべてレギュラー(しかも2作は主演!)で出演している。これだけの仕事をこなすということは、本人も絶倫役だったノアと同じくタフなのだろう。そしてこれだけのオファーが舞い込むということは、演技がうまいのはもちろん、信用のおけるプロフェッショナルだという証明だろうね。

ヘレン・ソロウェイ役/モーラ・ティアニー

ヘレンを演じた「モーラ・ティアニー」といえば、当然「ER」が代表作。ただ、今はこのアフェアが代表作と言えるだろう。

この人は基本「良い妻役」が板についていると思う。言い換えると「良い人」なのだけど、今回のヘレンはただの良い人ではなかった。彼女はそういう微妙に複雑な演技がうまい女優だと思う。そういえば、グッド・ワイフでは裏表のある策略家みたいなキャラを上手に演じていた。

最近のモーラ・ティアニーは、やや仕事をセーブしている感じだ。アフェアの後は1本のドラマに出演。これはブレイキング・バッドのブライアン・クランストンが主演するドラマ。そしてもう1本に出演予定。

コール・ロックハート役/ジョシュア・ジャクソン

アフェアの出演者では、コールを演じたジョシュア・ジャクソンが日本では一番知られた顔の俳優という気がする。というのも、日本で放送される海外ドラマにジョシュア・ジャクソンがよく出てくる印象がある。✱気のせいかもしれない

そんなジョシュア・ジャクソンは、アリソン役のルース・ウィルソンとは違い、アフェアの続投を望んでいた可能性がある。ルース・ウィルソンの降板によって彼も降板することになったように感じるのは自分だけではないだろう。本編とは違う、コールとアリソンの別のストーリーが見たかったと今も思うが、こればっかりは仕方がない。

ジョシュア・ジャクソンもアフェア以後も好調を維持。主演級で2作のドラマに出演。2作ともビッグネームと共演する話題作だったが、人気はイマイチだった模様。でももう1本主演級の作品が控えている。これもぜひ実現し、今度は大成功してほしいところだ。

アリソン・ベイリー役/ルース・ウィルソン

不安定なアリソンを好演したルース・ウィルソン。彼女にとってこのアリソン役はまさにハマり役だったと思う。多くの賞を受賞し、ルース・ウィルソンの株を一気に押し上げた。

アフェアの後は映画への進出を狙っているようだ。ドラマも出演しているが、軽い作品に数話出演する程度に抑えている。またHBOのTV映画・オスロに主演もしていて、こちらは今月28日からU-NEXTで配信開始されるそうだ。スピルバーグ作品なので面白いのかな?

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